佐賀大学本庄地区放射線障害予防規程

(平成18年12月25日全部改正)

目 次    

 第1章 総則(第1条−第5条)

 第2章 組織及び職務(第6条−第15条)

 第3章 登録(第16条)

 第4章 施設の新設及び改廃(第17条)

 第5章 管理,使用,保管,運搬及び廃棄(第18条−第27条)

 第6章 測定(第28条・第29条)

 第7章 教育及び訓練,健康診断(第30条−第32条)

 第8章 記帳(第33条)

 第9章 危険時の措置(第34条・第35条)

 第10章 維持管理及び点検(第36条−第38条)

 第11章 報告(第39条)

 第12章 雑則(第4041条)

 

   第1章  総則

 (目的)

第1条 この規程は,放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。)に規定する放射線障害予防規程であり,法及び電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「規則」という。)に基づき,佐賀大学本庄地区(以下「本庄地区」という。)における放射性同位元素等,放射線発生装置及びエックス線発生装置の取扱い及び管理に関する事項を定め,放射線障害の発生を防止し,安全を確保することを目的とする。

 (定義)

第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 放射性同位元素等  放射性同位元素及び放射性同位元素により汚染された物をいう。

 (2) 放射線施設 放射性同位元素等の使用施設,貯蔵施設及び廃棄施設並びに放射線発生装置の使用施設をいう。

 (3) エックス線施設  エックス線発生装置が設置されている施設をいう。

 (4) エックス線発生装置  1メガ電子ボルト未満のエネルギーを有する電子線及びエックス線を発生する装置をいう。

 (5) 照射ボックス付きエックス線装置 装置の外側での実効線量が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えないように遮へいされており,かつ,照射ボックスの扉が閉じられた状態でなければエックス線が照射されない構造であり,かつ,当該装置の使用の業務においてエックス線照射中は使用者の身体の全部又は一部が当該装置の内部に立ち入ることができないもの,かつ,装置の外側には管理区域が存在しないエックス線発生装置をいう。

 (6) 放射線取扱主任者 法第34条の放射線取扱主任者をいう。

 (7) 取扱主任者の代理者 法第37条の放射線取扱主任者の代理者をいう。

 (8) エックス線作業主任者 規則第46条のエックス線作業主任者をいう。

 (9) エックス線安全管理者 照射ボックス付きエックス線装置の取扱いに関して必要な指導監督を行う者をいう。

(10) 放射線業務従事者 放射性同位元素等及び放射線発生装置の取扱い,管理又はこれに付随する業務に従事するため管理区域に立ち入る者をいう。

(11) エックス線発生装置取扱者 エックス線発生装置を取り扱う者をいう。

(12) 一時立入者 見学等の目的で放射線取扱主任者の許可を得て一時的に管理区域に立ち入る者をいう。

(13) 管理区域 外部放射線に係る線量が文部科学大臣が定める線量を超え,空気中の放射性同位元素の濃度が文部科学大臣が定める濃度を超え,又は放射性同位元素によって汚染される物の表面の放射性同位元素の密度が文部科学大臣が定める密度を超えるおそれのある場所をいう。

 (適用範囲)

第3条 この規程は,放射線施設及びエックス線施設に立ち入るすべての者に適用する。

 (関係規程の遵守)

第4条 放射性同位元素等,放射線発生装置及びエックス線発生装置の取扱いに係る保安については,この規程に定めるもののほか,次に掲げる規則等によるものとする。

 (1) 佐賀大学放射性同位元素等安全管理規則

 (2) 国立大学法人佐賀大学安全衛生管理規程

 (3) 佐賀大学遺伝子組換え実験安全管理規則

 (4) 佐賀大学動物実験指針

 (5) 国立大学法人佐賀大学毒物及び劇物管理規程

 (遵守等の義務)

第5条 放射線施設に立ち入るすべての者は,第10条に定める放射線取扱主任者が放射線障害の防止のために行う指示を遵守し,その指示に従わなければならない。

2 エックス線施設に立ち入るすべての者は,第10条に定めるエックス線作業主任者又はエックス線安全管理者が放射線障害の防止のために行う指示を遵守し,その指示に従わなければならない。

3 学長は,佐賀大学放射性同位元素等安全管理委員会(以下「安全管理委員会」という。)が行う答申又は意見を尊重しなければならない。

   第2章  組織及び職務

 (放射線障害の防止に関する組織)

第6条 本庄地区における放射線障害の防止に関する組織は,佐賀大学放射性同位元素等安全管理規則に規定されたものから構成され,別表のとおりとする。

 (施設の長)

第7条 放射線施設に放射線施設の長を置き,総合分析実験センター長をもって充てる。

2 エックス線施設を有する部局にエックス線施設の長を置き,部局長をもって充てる。

  放射線施設の長及びエックス線施設の長は,放射線施設の管理業務を総括する。

 (安全管理委員会)

第8条 本学に,放射線障害の防止並びに放射性同位元素等及び放射線発生装置の取扱い並びにエックス線装置等の安全管理について必要な事項を調査審議するため,佐賀大学放射性同位元素等安全管理委員会(以下「安全管理委員会」という。)を置く。

2 安全管理委員会に関する規則は,別に定める

 (放射線障害予防委員会)

第9条 安全管理委員会に,放射線障害の防止並びに放射性同位元素等及び放射線発生装置の取扱い並びにエックス線装置等の安全管理に関する具体的事項を実施させるため,佐賀大学本庄地区放射線障害予防委員会(以下「放射線障害予防委員会」という。)を置く。

2 放射線障害予防委員会に関する規程は,別に定める。

 (放射線取扱主任者等)

第10条 学長は,放射線障害発生の防止について必要な指導監督を行わせるため,放射線取扱主任者の資格を有する者のうちから放射線取扱主任者(以下「取扱主任者」という。)を選任しなければならない。

2 学長は選任されている取扱主任者に,選任後1年以内,その後は前回の受講より3年以内(選任前1年以内に受講していたものは3年以内)に,法に規定する定期講習を取扱主任者に受けさせなければならない。

3 学長は,取扱主任者が旅行,疾病,その他の事故によりその職務を行うことができない場合は,その期間中その職務を代行させるため,放射線取扱主任者の資格を有する者のうちから取扱主任者の代理者を選任しなければならない。

4 学長は,照射ボックス付きエックス線装置以外のエックス線発生装置の取扱いに関して必要な指導監督を行なわせるため,エックス線作業主任者の資格を有する者のうちから,エックス線施設又はエックス線発生装置ごとに,エックス線作業主任者(以下「作業主任者」という。)を選任しなければならない。

5 学長は,エックス線施設又は照射ボックス付きエックス線装置ごとに,エックス線安全管理者(以下「管理者」という。)又は作業主任者を置く。

 (取扱主任者等の職務)

第11条 取扱主任者は,放射線施設における放射線障害の防止に係る必要な指導監督に関し,次に掲げる職務を行う。

 (1) 放射線障害予防規程の制定及び改廃への参画

 (2) 放射線障害の防止に関する重要な計画作成への参画

 (3) 法令に基づく申請,届出及び報告の審査

 (4) 放射線施設の点検

 (5) 立入検査等への立会い

 (6) 異常及び事故の原因調査への参画

 (7) 学長に対する意見の具申

 (8) 使用状況等,施設,帳簿及び書類等の監査

 (9) 関係者への助言,勧告及び指示

 (10) 安全管理委員会の開催の要求

 (11) その他放射線障害防止に関する必要事項

2 作業主任者又は管理者は,エックス線発生装置の安全な取扱いに係る必要な指導監督に関し,次に掲げる職務を行う。

 (1) エックス線発生装置の管理と点検

 (2) エックス線発生装置取扱者に対する指導

 (3) その他エックス線発生装置に関する必要事項

 (所属部局長の責務)

第12条 放射線業務従事者及びエックス線発生装置取扱者の所属する部局の長は,それぞれ所属職員等の放射線障害の防止に努めなければならない。

 (放射線安全管理者)

第13条 放射線管理業務を行うため放射線施設に放射線安全管理者を置き,取扱主任者が選任する。

2 放射線安全管理者は,次に掲げる業務を行う。

 (1) 管理区域に立ち入る者の入退域,放射線被ばく及び汚染の管理

 (2) 放射線施設,管理区域に係る放射線の量及び表面汚染密度の測定

 (3) 放射線測定機器の保守管理

 (4) 放射性同位元素等の受入れ,払出し,使用,保管,運搬及び廃棄に関する管理

 (5) 放射線作業の安全に係る技術的事項に関する業務

 (6) 放射線業務従事者及び一時立入者に対する教育及び訓練の実施

 (7) 放射性廃棄物の保管及びそれらの処理に関する業務

 (8) 第1号から第7号までに関する記帳・記録の管理及びその保管

 (9) その他安全管理に必要な業務

 (取扱責任者)

第14条 放射性同位元素等又は放射線発生装置又はエックス線発生装置若しくは照射ボックス付きエックス線装置の取扱いに当たっては,その利用グループ毎に取扱責任者を定めなければならない。

2 取扱責任者は,当該グループ内の放射性同位元素等又は放射線発生装置又はエックス線発生装置若しくは照射ボックス付きエックス線装置を取り扱う者に対し,その取扱いについて適切な指示を与えるとともに放射性同位元素等の受入れ,払出し,使用,保管,運搬及び廃棄に関する記帳を行ない,放射線安全管理者に報告しなければならない。

3 取扱責任者は,第16条に規定する放射線業務従事者又はエックス線発生装置取扱者として登録しなければならない。

 (健康管理医)

第15条 第31条の健康診断を実施するため健康管理医を置き,保健管理センターの医師をもって充てる。

   第3章  登録

 (登録)

第16条 放射線業務従事者及びエックス線発生装置取扱者は,取扱主任者に所定の様式により各自,放射線業務従事者又はエックス線発生装置取扱者として名簿への登録の申請をしなければならない。

2 前項の申請をした者は,速やかに第31条に規定する健康診断を受けなければならない。ただし,照射ボックス付きエックス線装置のみを使用する者を除く。

3 取扱主任者は,前項の健康診断を受けた者で,第30条に規定する教育及び訓練を受けた者又は放射性同位元素等に係る安全教育若しくはエックス線発生装置に係る特別教育の経歴若しくは放射線作業の経験等により資格があると取扱主任者が判定した者に限り,放射線業務従事者又はエックス線発生装置取扱者として名簿に登録するものとする。

4 取扱主任者は,照射ボックス付きエックス線装置のみを使用する者を,照射ボックス付きエックス線装置取扱者として名簿に登録するものとする。

5 第3項により資格がないと判定された者は,第30条に規定する教育及び訓練を受けなければならない。

6 第3項及び第4項の登録は,その年度内に限り有効とし,更新を妨げない。

7 第3項の登録が行われていない者は,放射線作業に従事し,又は管理区域に立ち入ってはならない。ただし,一時立入者は,この限りでない。

   第4章  施設の新設及び改廃

 (放射線施設の新設改廃等)

第17条 放射線施設を新設又は改廃する場合は,放射線施設の長は,その計画についてあらかじめ放射線障害の防止に関して学長と協議しなければならない。

2 学長は,前項の協議を受けた場合,安全管理委員会に諮るものとする。

3 放射線施設の長は,第1項の新設又は改廃が終了したときは,その旨を学長及び安全管理委員会に通知しなければならない。

4 学長は,放射線施設の使用を開始するとき又は放射線施設を改廃したときは,その旨を学内に公示するものとする。

   第5章  管理,使用,保管,運搬及び廃棄

 (命令の遵守)

第18条 放射線業務従事者及び一時立入者は,取扱主任者の指示に従わなければならない。

2 エックス線発生装置取扱者は,作業主任者の指示に従わなければならない。

3 照射ボックス付きエックス線装置取扱者は,作業主任者又は管理者の指示に従わなければならない。

 (管理区域の設定等)

第19条 学長は,管理区域を安全管理委員会の議を経て定めるものとする。

2 取扱主任者は,管理区域の境界に,柵等の施設を設け,かつ,標識を付けるものとする。

3 取扱主任者は,放射線施設等に必要な標識を付けるとともに,放射線障害防止に必要な注意事項を掲示しておくものとする。

 (放射性同位元素の使用)

第20条 放射線業務従事者は,放射性同位元素の使用に当たっては,取扱主任者の指示に従い,次に掲げる事項を厳守しなければならない。

 (1) 使用目的に応じて放射線障害の発生するおそれの最も少ない方法,種類及び性状の物を選ぶこと。

 (2) 放射性同位元素は,所定の放射線施設以外においては使用しないこと。

 (3) 経験の少ない者は,単独で作業しないこと。

 (4) 放射線施設は,常に整理整とんし,不必要な器具を持ち込まないこと。

 (5) 作業台は,しばしば湿式清掃すること。

 (6) 放射線作業中は,ガラスバッジ,ポケット線量計等を着用し,個人被ばく線量を測定すること。

 (7) ポケット線量計等の測定においては,各自,当該放射線施設の記録簿に記入するとともに,ポケット線量計等の近くで,ポケット線量計等に影響を与える機器は使用しないこと。

 (密封されていない放射性同位元素の使用)

第21条 放射線業務従事者は,密封されていない放射性同位元素を使用する場合は,前条の規定によるほか,次に掲げる事項を厳守しなければならない。

 (1) 管理区域内では,飲食,喫煙及び化粧等の放射性同位元素を体内に摂取するおそれのある行為をしないこと。

 (2) 作業室に立ち入る場合は,専用の作業衣及び履物を使用すること。

 (3) 原則としてゴム手袋等を使用すること。

 (4) 使用中は,しばしば手,作業衣等の汚染の有無を検査し,汚染を発見したときは,直ちに除去,脱衣等の処置をとること。

 (5) 作業台は,ビニールシート,広幅ろ紙等で適当に表面被覆すること。

 (6) 放射性同位元素を空中に飛散させないこと。やむを得ず飛散させるおそれのある場合には,グローブボックス,フード,その他の局所排気装置等を使用すること。

 (7) ガンマー線放射体及び32P等の高エネルギーベーター線放射体を使用する場合は必ずしゃへいすること。

 (8) 放射性同位元素を多量にこぼしたとき,その他放射線障害を受ける不測の事態が発生したときは,単独で秘密に処理することなく,直ちに取扱主任者及び同室の放射線業務従事者に通知し,応急の処置を行うこと。

 (9) 放射性廃棄物はそのまま放置せず,直ちに所定の廃棄物容器に入れること。

 (10) 管理区域から器具等を持ち出すときは,汚染検査室において表面汚染の有無を検査し,表面密度限度の10分の1以下であることを確認したのち,取扱主任者の同意を得て持ち出すこと。

 (11) 管理区域から退出するときは,汚染検査室において身体各部,衣服,履物等の汚染の有無を検査し,かつ,その汚染を除去すること。

 (12) 使用に係る放射性同位元素の種類及び使用量の記録は,その日のうちに行うこと。

 (エックス線発生装置の使用)

第22条 エックス線発生装置取扱者は,次に掲げる事項を厳守しなければならない。

 (1) 経験の少ないエックス線発生装置取扱者は,単独で操作しないこと。

 (2) 第28条の規定により測定された線量に基づき作業量を調節し,実効線量限度又は等価線量限度を超えて被ばくすることのないようにすること。

 (3) 常時,ポケット線量計を着用して,随時,各自の被ばく線量を測定し,その測定値を記録すること。

 (4) 操作室には,飲食物又は必要以外の測定器及び工具類を持ち込まないこと。

 (5) 操作室において飲食及び喫煙等をしないこと。

 (6) エックス線発生装置を運転しようとするときは,運転に先立ち出入口前面に「運転中」の標識を掲げ,運転停止後は,「運転停止中」の標識を掲げること。

 (7) 運転中は,出入口を確実に施錠し,立入りを禁止すること。

 (8) エックス線発生装置取扱者以外の者が操作室に出入りするときは,エックス線発生装置取扱者は運転停止中であっても必要な指示を与えなければならない。

 (照射ボックス付きエックス線装置の使用)

第23条 照射ボックス付きエックス線装置取扱者は,次に掲げる事項を厳守しなければならない。

 (1) 経験の少ない照射ボックス付きエックス線装置取扱者は,単独で操作しないこと。

 (2) 第28条の規定により測定された線量に基づき作業量を調整し,実効線量限度又は等価線量限度を超えて被ばくすることのないようにすること。

 (3) 操作室には,飲食物又は必要以外の測定器及び工具類を持ち込まないこと。

 (4) 操作室において飲食及び喫煙等をしないこと。

  (放射性同位元素の保管)

第24条 放射性同位元素の保管は,次に掲げる事項を厳守しなければならない。

 (1) 密封されていない放射性同位元素は,作業が終了した時点で,必ず貯蔵施設に保管するとともに,貯蔵施設を施錠すること。

 (2) 貯蔵施設から放射性同位元素を持ち出すときは,所定の帳簿に持出日時,持出者氏名,放射性同位元素の種類及び数量を記入すること。

 (運搬)

第25条 放射性同位元素等を運搬する場合は,運搬中の事故を考慮して,運搬用の安全容器に収納し,取扱主任者の指示に従って行わなければならない。

 (放射性同位元素等の廃棄)

第26条 放射性同位元素等を廃棄する場合は,取扱主任者の指示に従い,次に掲げる事項を厳守しなければならない。

 (1) 廃棄しようとする物の物理的,化学的性状に従い,それぞれ所定の廃棄基準に従って廃棄すること。

 (2) 動物体等腐敗しやすい廃棄物は,冷凍庫により凍結するか,又は乾燥装置により乾燥させて所定の容器に収納し,保管廃棄設備に一括して保管廃棄すること。

 (3) 固体状の廃棄物は,廃棄物容器に入れて保管廃棄すること。この場合において,廃棄物容器にはビニールの袋を備え,その中に収納すること。

 (4) 液体状の廃棄物は,次に掲げるいずれかの方法により廃棄すること。

  ア できる限り固体状にして前号により処理すること。

  イ 所定の放射性廃液容器に収納して保管廃棄すること。

  ウ 規定濃度以下の放射性有機廃液は専用の放射性有機廃液焼却炉(以下「焼却炉」という。)によって焼却すること。

 (5) 気体状の廃棄物は,酸若しくはアルカリによる吸収又は化合物とする等の方法により,できるだけ液体又は固体状の物として第3号及び第4号の方法により処理すること。この場合において固体状又は液体状とすることが著しく困難なときは,取扱主任者の指導監督の下で,排気口における排気中の放射性同位元素の濃度が濃度限度以下であることを確認しながら排気しなければならない。

 (6) 廃棄しようとする物を入れた容器は,廃棄物の内容を明示し,標識を付けて所定の場所に置くこと。

 (7) 廃棄する場合には,所定の帳簿に,その都度廃棄する者の氏名,廃棄物の品名,核種,数量及び年月日を記入すること。

2 貯溜槽に貯溜した低濃度の洗浄水等の廃液にあっては,放射性同位元素の濃度をモニターし,放射性同位元素の濃度が濃度限度以下であることを確認した上で排水すること。

3 放射性有機廃液の廃棄処理については,佐賀大学放射性有機廃液の焼却炉取扱細則(以下「取扱細則」という。)に定める。

4 第1項により保管廃棄した放射性同位元素等の廃棄は,廃棄物処理機関等に依頼して行うこととする。

 (焼却炉の管理及び運転)

第27条 前条第1項第4号ウに定める焼却炉を運転する場合は,焼却炉の安全運転,有機廃液の取扱い,異常時並びに緊急時の措置等放射性有機廃液の焼却に関して必要な教育を受けた者のうちから取扱主任者が指名する者(以下「焼却炉運転者」という。)が,次に掲げる事項により行わなければならない。

 (1) 焼却炉運転者は,焼却炉を運転する場合に焼却炉,廃棄設備等の点検を行い,異常のないことを確認してから焼却すること。

 (2) 焼却炉を運転した場合は,運転記録に必要事項を記入すること。

 (3) 焼却炉を運転中に異常を認めた場合は,直ちに運転を停止する等,必要な措置を講ずるとともに取扱主任者に連絡し,指導を仰ぐこと。

2 取扱主任者は,放射線障害防止のため,放射性有機廃液の取扱い及び焼却炉の運転については取扱細則に定めるとともに,定期的及び必要に応じて焼却炉の点検を行うものとする。

   第6章 測定

 (場所の測定)

第28条 放射線安全管理者は法及び規則の定めるところにより,放射線障害の発生するおそれのある場所(照射ボックス付きエックス線装置のみを設置する施設を除く。)について,放射線の量及び放射性同位元素等による汚染の状況並びに排水中及び排気中の放射性同位元素の濃度を測定し,その結果を評価し,記録しなければならない。

2 放射線の量の測定は,原則として1センチメートル線量当量について放射線測定器を使用して行わなければならない。

3 放射線の量及び放射性同位元素等による汚染の状況の測定の実施期間は,取扱い開始前に1回,取扱い開始後にあっては1月を超えない作業期間ごとに1回測定し,かつ,これを5年間保存しなければならない。

4 照射ボックス付きエックス線装置の汚染の状況の測定の実施期間は,取扱い開始前に1回,取扱い開始後にあっては6月を超えない期間ごとに1回行うこと。

5 取扱主任者は,第3項及び第4項の測定結果を放射線施設に立ち入る者に周知させなければならない。

6 空気中の放射性物質の濃度の測定は,作業環境測定士が行わなければならない。

 (個人被ばく線量の測定)

第29条 取扱主任者は,管理区域に立ち入る者,エックス線発生装置取扱者(照射ボックス付きエックス線装置取扱者を除く。)に対して第20条第6号に定める放射線測定器を着用させ,次に従い,個人被ばく線量を測定しなければならない。

 (1) 放射線の量の測定は,外部被ばくによる線量について行うこと。

 (2) 測定は,原則として胸部(女子にあっては腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量について行うこと。

 (3) 測定は,管理区域に立ち入る者について,管理区域に立ち入る間継続して行うこと。ただし,一時立入者として取扱主任者が認めた者については,外部被ばく線量が   100マイクロシーベルトを超えるおそれのあるときに行うこととする。

 (4) 放射性同位元素を誤って摂取した場合又はそのおそれのある場合は,内部被ばくについても測定を行うこと。

 (5) 次の項目について測定の結果を記録すること。

  ア 測定対象者の氏名及び性別

  イ 測定をした者の氏名

  ウ 放射線測定器の種類及び形式

  エ 測定方法

  オ 測定部位及び測定結果

 (6) 前号の測定結果については,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする3月間,4月1日を始期とする1年間並びに女子にあっては毎月1日を始期とする1月間について,当該期間ごとに集計し記録すること。

 (7) 第5号の測定結果から,前号の定める期間について実効線量及び等価線量を算定し,次の項目について記録すること。

  ア 算定年月日

  イ 対象者の氏名及び性別

  ウ 算定した者の氏名

  エ 算定対象期間

  オ 実効線量

  カ 等価線量及び組織名

 (8) 実効線量の算定の結果,4月1日を始期とする1年間についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は,当該1年間を含む5年間の累積実効線量を当該期間について,毎年度集計し,次の項目について記録すること。

  ア 集計年月日

  イ 対象者の氏名

  ウ 集計した者の氏名

    エ 集計対象期間

    オ 累積実効線量

 (9) 取扱主任者は,第5号から第8号までの記録を永久に保存するとともに,記録の都度,本人に対してその写しを交付すること。

   第7章 教育及び訓練,健康診断

 (教育及び訓練)

第30条 取扱主任者は,第16条第1項に規定する登録を申請した者に対し,初めて管理区域に立ち入る前又は取扱い等業務を開始する前に,放射線障害の発生を防止するために必要な教育及び訓練を受けさせなければならない。

2 取扱主任者は年1回以上,前項の教育及び訓練を実施しなければならない。ただし,照射ボックス付きエックス線装置取扱者を除くことができる。

3 前項の教育及び訓練は,次に掲げる事項及び時間数について行うものとする。

 (1) 放射線の人体に与える影響 30分間以上

 (2) 放射性同位元素等及びエックス線発生装置の安全取扱 4時間以上

 (3) 放射線障害の防止に関する法令 1時間以上

 (4) 放射線障害予防規程等 30分間以上

 (5) その他放射線障害予防に関して必要な事項

4 取扱主任者は,登録の更新を行うに当たって,放射線業務従事者及びエックス線発生装置取扱者としての登録を更新しようとする者に,教育及び訓練を受けさせなければならない。

5 前項の教育及び訓練は,次に掲げる事項について行うものとする。

 (1) 放射線の人体に与える影響

 (2) 放射性同位元素等及びエックス線発生装置の安全取扱

 (3) 放射線障害の防止に関する法令

 (4) 放射線障害予防規程等

 (5) その他の放射線障害予防に関して必要な事項

  取扱主任者は,管理区域に一時的に立ち入る者を一時立入者として承認する場合は,当該立入者に対して,放射線障害の発生を防止するために必要な教育を実施しなければならない。

  取扱主任者は,教育及び訓練の結果を記録しておくものとする。

8 作業主任者又は管理者は,照射ボックス付きエックス線装置取扱者に対し,取扱業務を開始する前に,教育及び訓練を実施する。

9 前項の教育及び訓練は,照射ボックス付きエックス線装置取扱者において放射線障害が発生することを防止するために必要な事項について行なうものとする。

  (健康診断)

第31条  第16条第1項に規定する登録を申請した者及び登録者(照射ボックス付エックス線装置のみを使用するものを除く。)は,健康診断を受けなければならない。

  前項の健康診断及び保健指導は,健康管理医が行うものとする。

  放射線業務従事者及びエックス線発生装置取扱者は,次の項目について健康診断を受けなければならない。

  (1) 被ばく経歴の評価(問診)

 (2) 末梢血液中の白血球数及び白血球百分率の検査

 (3) 末梢血液中の赤血球数の検査及び血色素量又はヘマトクリット値の検査

 (4) 白内障に関する眼の検査

 (5) 皮膚の検査

4 登録を申請した者の健康診断については,使用する線源の種類等に応じて前項第4号に掲げる検査項目を省略することができる。

5 登録者の第3項に規定する健康診断は,その業務に従事した後6月を超えない期間ごとに1回行わなければならない。

6 登録者の第3項に規定する健康診断の検査項目のうち同項第2号から第5号までに掲げる検査項目については,当該健康診断を行おうとする日の属する年度の前年度の実効線量が5ミリシーベルトを超えず,かつ,当該健康診断を行おうとする日の属する年度の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのない者にあっては,健康管理医が必要と認めるときに限りその全部又は一部を行うものとし,それ以外の者にあっては,健康管理医が必要でないと認めるときは,その全部又は一部を省略することができる。

7 学長は,前項の規定にかかわらず,放射線障害を受け,又は受けたおそれのある者に対しては,直ちに健康診断を行うものとする。

8 学長は,健康診断の記録の写しを受診の都度,健康診断を受けた者に交付するとともに,その記録を永久に保管しなければならない。

 (放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対する措置)

第32条 学長は,前条の規定による健康診断の結果,取扱主任者又は健康管理医の意見に基づき,放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対して,その程度に応じ,業務を行う時間の短縮,業務内容の制限等保健指導に必要な措置を講ずるものとする。

   第8章 記帳

 (記帳)

第33条 取扱主任者は,次に掲げる事項を記載する帳簿を備えなければならない。

(1) 受入れ又は払出しに係る放射性同位元素の種類,数量及び年月日並びに相手方の氏名又は名称

 (2) 使用する放射性同位元素の種類,数量,使用の年月日,目的,方法及び場所

 (3) 放射性同位元素の使用に従事する者の氏名

 (4) 保管に係る放射性同位元素の種類及び数量

 (5) 放射性同位元素の保管の期間,方法及び場所

 (6) 放射性同位元素の保管に従事する者の氏名

 (7) 放射線施設の外における放射性同位元素の運搬の年月日,方法及び運搬に従事する者の氏名

 (8) 廃棄に係る放射性同位元素の種類及び数量

 (9) 放射性同位元素の廃棄の年月日,方法及び廃棄先

 (10) 放射性同位元素の廃棄に従事する者の氏名

 (11) 放射線施設の点検の実施年月日,結果及びこれに伴う措置の内容並びに点検を行った者の氏名

 (12) 放射線施設に立ち入る者に対する教育及び訓練の実施年月日,項目並びに当該教育及び訓練を受けた者の氏名

  (13) 佐賀大学本庄地区以外における放射性同位元素の運搬の荷受人又は荷送人,運搬の年月日及び方法,運搬に従事する者の氏名又は運搬の委託先の氏名若しくは名称

 (14) 放射線発生装置の種類

 (15) 放射線発生装置の使用の年月日,目的,方法及び場所

 (16) 放射線発生装置の使用に従事する者の氏名

 (17) 管理区域に立ち入る者の氏名

2 放射線業務従事者は,放射線作業の都度,帳簿に必要事項を記入し,取扱主任者の検印を受けなければならない。

3 放射線取扱主任者は,前項の帳簿を毎年3月31日又は事業所の廃止等を行う場合は廃止日等に閉鎖し,5年間保管しなければならない。

   第9章 危険時の措置

  (事故時の措置)

第34条 次に掲げる事態を発見した者は,直ちに取扱主任者等に通報しなければならない。

 (1) 放射性同位元素の盗難又は所在不明が生じたとき

 (2) 放射性同位元素等が異常に漏えいしたとき

 (3) 放射線業務従事者及びエックス線発生装置取扱者について実効線量限度又は等価線量限度を超え又は超えるおそれのある被ばくがあったとき

 (4) その他放射線障害が発生し,又は発生するおそれのあるとき

2 取扱主任者等は,前項の通報があったとき,又は自ら前項各号に掲げる事態を発見したときは,極力探査に努め,応急の措置を講ずるとともに,必要に応じ,警察署に通報し,かつ,直ちに当該放射線施設の長,学長及び安全管理委員会委員長に報告しなければならない。

 (地震等の災害時における措置)

第35条 地震,火災,その他の災害が起ったことにより,放射線障害が発生し,また発生するおそれのある事態を発見した者は,直ちに取扱主任者等に通報しなければならない。

2 前項の通報を受けた取扱主任者等は,法令に定めるところにより,応急の措置を講ずるとともに,必要に応じ,警察署又は消防署に通報し,かつ,当該放射線施設の長,学長及び安全管理委員会委員長に報告しなければならない。

3 地震,火災,その他の災害が起った場合は,取扱主任者は放射線施設について,別に定める点検基準により速やかに点検し,その結果を当該放射線施設の長,学長及び安全管理委員会委員長に報告しなければならない。

4 当該放射線施設の長,学長及び安全管理委員会委員長は,前項の報告の結果,放射線施設に異常を認めたときは,速やかに当該施設,設備及び機器等の修理及び改造等の必要な措置を講じなければならない。

   第10章 維持管理及び点検

 (放射線施設等の維持管理及び点検)

第36条 放射線業務従事者は,放射線施設の使用に当たって常時点検を行い,施設,設備及び機器等の異常を認めたときは,その旨を取扱主任者及び安全管理委員会に報告しなければならない。

2 取扱主任者は,放射線施設について,定期的に巡視を行うとともに,別に定める点検基準により定期的に点検を行わなければならない。

3 取扱主任者及び安全管理委員会は,第1項の報告を受けたとき及び前項の放射線施設に異常を認めたときは,速やかに当該施設,設備及び機器等の修理及び改造等の必要な措置を講じなければならない。

4 前項の報告を受けた安全管理委員会は,必要があると認めたときは,立入禁止及び閉 鎖等の応急措置を講ずるとともに,学長に施設の改修等必要な措置を求めるものとする。

5 学長は,前項の措置を求められたときは,速やかに必要な措置を講じなければならない。

6 取扱主任者は,第2項及び第3項の結果を取りまとめ,学長及び安全管理委員会に報告しなければならない。

7 取扱主任者は,毎年4月1日から翌年の3月31日までの期間について,放射線施設の点検状況等を所定の報告書に記入し,5月31日までに学長に報告しなければならない。

 (施設の施錠等)

第37条 管理区域内の各部屋を最後に退室する者は,ガス,水道,電気等の点検をした上,火災,盗難,その他の危険のないことを確認し,確実に施錠すること。

 (取扱い,立ち入り等の制限)

第38条 取扱主任者は,放射線業務従事者等及びエックス線発生装置取扱者がこの規程に違反したとき,又は違反するおそれのあるときは,安全管理委員会に報告するものとする。

2 前項の報告を受けた安全管理委員会は,必要があると認めるときは,当該放射線業務従事者の放射性同位元素等の取扱いの制限等,必要な措置を講ずるものとする。

   第11章 報告

 (報告)

第39条 学長は,第34条第1項の事態が発生した場合,その旨を直ちに,その状況及びそれに対する処置を10日以内に文部科学大臣に報告しなければならない。

2 学長は,第35条第1項の事態が生じた場合,遅滞なく次に掲げる事項を文部科学大臣へ届け出なければならない。

 (1) 第35条第1項の事態が生じた日時及び場所並びに原因

 (2) 発生し,又は発生するおそれのある放射線障害の状況

 (3) 講じ,又は講じようとしている応急の措置の内容

3 学長は,放射線施設を廃止したときは,放射性同位元素による汚染の除去その他の講じた措置を30日以内に文部科学大臣に報告しなければならない。

4 学長は,第36条第7項の報告を受けたときは,法令に定めるところにより6月30日までに文部科学大臣に報告書を提出しなければならない。

   第12章 雑則

 (雑則)

第40条 この規程に定めるもののほか,放射線障害の防止に関し必要な事項は,安全管理委員会の議を経て,学長が別に定める。

 (規程の改正)

第41条 この規程の改正は,安全管理委員会の議を経ることを必要とする。

 

 

   附 則

 この規程は,平成18年12月25日から施行する。

附 則(平成22年3月30日改正)

 この規程は,平成22年4月1日から施行する。


別表(第6条関係)