「AG-PROTEX®」を応用した世界初の抗菌性人工股関節を開発 佐賀大学、京セラが令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 「科学技術賞(開発部門)」を受賞

 佐賀大学医学部整形外科 馬渡 正明教授、同病因病態科学 宮本 比呂志教授、佛淵 孝夫佐賀大学名誉教授(元学長)と京セラ株式会社野田岩男研究員が、インプラント表面へのコーティング技術である「AG-PROTEX®」(エージー・プロテクス)を応用した人工股関節を共同開発したことにより、「令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の「科学技術賞(開発部門)」を受賞した。

 AG-PROTEXは、京セラの従来技術で優れた骨伝導性を有するハイドロキシアパタイト(HA)コーティング技術をベースに、抗菌スペクトルの広い銀を含有させた「銀HAコーティング技術」で、佐賀大学と京セラが共同開発したものであり、セメントレス人工関節の骨との界面部分に適用することにより、形成された銀HAコーティング層から銀イオンを溶出し抗菌性を発揮する。

 AG-PROTEXを応用した人工股関節は、抗菌性と骨伝導性・骨固定性の両立を実現しており、国内の6,000件以上の手術で使用され、不具合なく利用されている。また、AG-PROTEXは、人工股関節以外に脊椎インプラントへの応用が進んでおり、さらに人工膝関節、人工歯根など各種のインプラントへの展開の可能性を有している。

 

左から馬渡正明教授、宮本比呂志教授

 

AG-PROTEX ®を応用した人工股関節

戻る

TOP