広報誌「かちがらす」23号

広報誌「かちがらす」23号 page 3/16

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図1.参加した学生やボランティアの作業状況図2.矢崎化工のイレクタ?図3.名取市箱崎桜団地の仮設住宅の浴室台の製作図4.作製した台図5.段差を半分にする台の製作図6.作製した台の試用状況図7.座ってシャ....

図1.参加した学生やボランティアの作業状況図2.矢崎化工のイレクタ?図3.名取市箱崎桜団地の仮設住宅の浴室台の製作図4.作製した台図5.段差を半分にする台の製作図6.作製した台の試用状況図7.座ってシャワーをかかる名取市に一番最初に設置された仮設住宅(箱崎桜団地)に住まわれている高齢者の浴槽のまたぎ越しを安全にする台の製作支援を行いました。この活動は、筆者が2010年度まで理事長を務めていた日本リハビリテーション工学協会の支援活動の一つとして、4月に東日本大震災復興支援に関する専門委員会を設置し、5月に宮城県リハビリテーション支援センターよりリハビリテーション工学分野での支援要請があって実行したものです。浴室の現状 現在の仮設住宅の浴室は、立ちまたぎで浴槽へ移動する高齢者にとって、浴槽の高さが高過ぎて、入浴の際に転倒の危険性がありました。支援体制 日本リハ工学協会会員14名、大学生41名の計51名で行いました(図1)。支援日程 全体の日程は2011年8月4日?13日で、筆者は9日?12日で行いました。台の材料や工作工具 材料の提供を頂いた矢崎化工㈱のイレクターを使って、個々に適した高さや大きさの台を全員で製作しました(図2)。支援の内容 浴槽の外側や浴槽の中に台を設置して、浴槽の立ちまたぎを安全にできる様にしました。また、浴槽の中に立ち座りし易い高さの台を設置し、シャワーを座ってかかれる様にするなどの支援を行いました。(図3)は筆者が台に乗せる板を加工している状況。(図4)は完成し納品前の台、(図5)は仮設住宅の玄関に設置した台です。作製した台の試用状況 作製した台で浴槽へ入る試用状況を記録しました(図6)。また、実際の浴室で試している状況を(図7)に示しています。支援の結果、入浴動作の安全性や自立度が高まり、大変喜んで頂きました。今後の課題a 仮設住宅に入居する方の中には、高齢者や身体に障害のある方もいらっしゃるので、住宅の出入口や浴室、トイレの出入口の段差を無くすことが大切です。b 浴槽へ入るとき座位またぎができる様に、浴槽の高さは45㎝程度で、浴槽の横に浴槽と同じ高さの洗い台を準備することが望ましい。c 歩行できない身体機能の方にとっては、災害時の避難時だけでなく、日常の生活の中での自立移動や自立移乗などを行っておくことの重要性を感じました。また、誰しも他人事ではないことなども含めて、多くの方へ伝えて行きたいと考えています。医学部附属地域医療科学教育研究センター准教授まつおきよみ松尾 清美仮設住宅の浴室でのまたぎ越しを安全にする台の製作支援佐賀大学では受験生を含む被災された方への支援を行っています。詳細につきましては佐賀大学ホームページ(URL:http://www.saga-u.ac.jp/)をご覧ください。特集2