広報誌「かちがらす」23号

広報誌「かちがらす」23号 page 4/16

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複数ドクターヘリ統制福島県立医大ドクターヘリ運航室に構えた統制本部では、地方地理・災害情報収集、医療ニーズの把握に努め、受入先医療機関情報・参集予定ドクターヘリ把握、他DMAT、CS(communication specialis....

複数ドクターヘリ統制福島県立医大ドクターヘリ運航室に構えた統制本部では、地方地理・災害情報収集、医療ニーズの把握に努め、受入先医療機関情報・参集予定ドクターヘリ把握、他DMAT、CS(communication specialist)の協力を得て本部運営に必要な人員確保とteam building、さらに情報ツールの準備を行いました。同本部では、同時に6~8機のドクターヘリ統制を行いました(図1)。花巻空港へ参集したヘリと合わせて全国から合計15機が本震災急性期対応に従事しました(図2)。翌12日は医療施設間搬送11件(図3)。衛星電話さえ使用できない極めて情報管理の困難な中、数少ない情報で統制を行いました。13日は、医療施設間搬送9件と現場救急要請1件(図4)。この日12時20分ヘリ活動にて石巻市立病院の孤立化が判明。1階は津波に流され、陸路が遮断されすでに入院患者5人がライフライン途絶のため死亡。同日の緊急搬送が不可避な患者6人をドクターヘリ及び自衛隊機を使用しSCU(staging care unit)へ搬出し、国内初の災害時広域搬送を行いました。14日は全てのドクターヘリを同院の患者及び職員搬出に投入しました(図5)。自衛隊機は病院周辺の狭い場所へ着陸が不可能で、ドクターヘリを使用し同院から運動公園へ患者のピストン搬送(図6,7)し次いで自衛隊機で駐屯地へ空路搬送(写真5)を行いました。15日以降は悪天候にて群は撤収。計106人の対応を行いました(図8)。今後の課題本震災に於いて全国からドクターヘリが参集し急性期に大いに機動力と有用性を発揮しました。ヘリはDMATが独自に迅速に、チーム・資器材投入、傷病者搬送、偵察等に活用できる有力な独自の武器です。一方、独自の確実な通信手段が必要で、自衛隊、警察、消防等他機関のヘリと安全且つ効率的な協同運用システム構築の必要性も痛感しました。当然、佐賀及び九州における災害時もドクターヘリとドクターカーによる医師派遣システムの有用性は計り知れません。有事の際の有用性は、通常救急医療システムの成熟上に成り立つもので、救急医療従事者のみならず、医療機関全体、地域住民、消防、警察等幅広い理解と協力が必須です。図1図2図8図3▲写真5図4 図5図6 図7活躍する佐大OB3