広報誌「かちがらす」23号

広報誌「かちがらす」23号 page 7/16

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「CPA印刷教材」…この中から自分の状態に合ったものを選ぶ。文化教育学部やま つ こう じ山津 幸司健康スポーツ科学講座准教授健康行動学で生活習慣病の予備軍を増やさない~CPAスマートライフスタイルの提案~わが....

「CPA印刷教材」…この中から自分の状態に合ったものを選ぶ。文化教育学部やま つ こう じ山津 幸司健康スポーツ科学講座准教授健康行動学で生活習慣病の予備軍を増やさない~CPAスマートライフスタイルの提案~わが国ではメタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病、およびそれらの予備軍が急速に増えています。その影響を受けて、国民医療費も約36兆円(2009年度、厚生労働省)に達し今後も増加の見込みです。糖尿病に要する医療費も約1.2兆円となり、生活習慣病の増加は社会保障制度の持続可能性を揺るがしかねない重大な課題となっています。その解決策の一つとして、平成21年度より厚生労働科学研究費を受け我々が進めてきたのが、生活習慣改善プログラム『CPAスマートライフスタイル』の開発研究です。その研究目標は『メタボや2型糖尿病の予備軍を増加させない』ことです。CPAとは『チェック(Check)→プラン(Plan)→アクション(Action)』の頭文字で、生活習慣変容に最も効果的とされる行動療法(心理療法のひとつ)の治療構造(問題行動の特定→行動アセスメント→技法の適用→効果の維持)を言い表した我々の造語です。現時点で開発が完了したのは、3種類の印刷教材とモバイル版健康支援システムです。プログラムの参加者は自分の健康状態や意欲にあった印刷教材を受け取り、生活習慣の自己評価(チェック)、行動の改善目標(例:1日7000歩以上)の選択(プラン)、目標達成度の記録(アクション)を行います。目標達成度の記録をモバイル版健康支援システムで行うと、専門家からの助言を定期的に受けることができるというものです。本プログラムの特徴は、印刷教材を用いたセルフマネジメント型という点です。専門家の緩やかなサポートを受けながら自分のペースで進められるためセルフコントロール能力が高まり、CPAスマートライフスタイルのコンセプト『小さくても確実に変化(スモールチェンジ)させ続ける』の長期継続が可能となります。また、携帯電話などの情報通信技術を活用することにより、時間や場所の制約が減るなど利便性の向上も期待できます。今後の課題は、プログラムの参加者および提供者にとってより使いやすくすることです。使いやすさの向上は、すでに確認してきた利用者での歩数増加や体重減少の効果を高めるとともに、提供者(専門家)が関わる時間が少なくても同じ効果を生み出せることにつながります。また、生活習慣病保有者の増加が今後予想されるアジア圏への展開を見据えて、韓国版や中国版の開発を計画しています。研究紹介6