広報誌「かちがらす」24号

広報誌「かちがらす」24号 page 6/16

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高等教育開発センターポートフォリオ開発部門長みな もと てる や皆本 晃弥授業の質の向上を目指したティーチング・ポートフォリオ授業の質の向上を目指したティーチング・ポートフォリオティーチング・ポートフォリ....

高等教育開発センターポートフォリオ開発部門長みな もと てる や皆本 晃弥授業の質の向上を目指したティーチング・ポートフォリオ授業の質の向上を目指したティーチング・ポートフォリオティーチング・ポートフォリオ(以下TPと略記)とは、教員が「自らの教育活動について振り返り、自らの言葉で記し、多様な根拠資料(例えば、講義資料や授業評価アンケート結果など)によってこれらの記述を裏づけた教育業績についての厳選された記録」です。今まで、大学教員は、自身の研究については学術論文という形でまとめていましたが、教育については同様の作業をあまりしていませんでした。そのため、いくら素晴らしい教育実践をしている教員がいたとしても、その教育実践・方法が教員間で共有できない、また、優れた教育実践をしている教員が評価されにくい、という問題がありました。TPは教育についての厳選された記録ですから、これらの問題を解決するものとして期待されています。TPの構造TPは、A4サイズで8?10ページの本文編とそれを裏付ける根拠資料からなり、本文編には、図中の赤字で示した主要5項目や教育改善へ取組などが記載されています。このようにページ数制限を設けると、教員は自身のベストを自ら考えて選ばなければならないため、より深く自己省察をする必要があります。TPに基づく教育改善教員は、「今後の目標」を達成できるように日々努力し、毎年あるいは数年おきに「今後の目標」をチェックしてTPを更新すれば、教員は教育者としての自身の成長を実感し、結果として教育改善につながると期待されます。また、TPは教員の教育活動を可視化したものですから、お互いにTPを参照することにより、教員間で教育の情報も共有できます。さらに、学生や保護者の皆さんもTPを読めば、教員がどのような考えの下で、どのような方法で教育を行っているかが分かるので、大学教員が真剣に教育に取り組んでいることが分かり、一種の安心感が得られると思います。TPの作成法教員は3日間のTP作成ワークショップ(以下TPWSと略記)に参加し、メンターと呼ばれるTP作成支援者との対話(メンタリング)を通して、3日間かけてTPを作成します。佐賀大学では、2009年9月に第1回TPWSを開催した後、2012年3月までに計6回TPWSを開催し、学内教員25名、学外教員11名の教員が本学TPWSでTPを作成しています。本学は九州におけるTP作成拠点といえるでしょう。これまでの成果と今後の抱負今までの活動を踏まえ、2011年11月には「ティーチング・ポートフォリオの導入・活用シンポジウム in 佐賀大学 2011」を2日間にわたり開催し、学内外合わせてのべ約250名に参加して頂きました。さらに、2012年3月には拙著「ティーチング・ポートフォリオ導入・作成ガイド―大学教員の教育者としての業績記録―」が近代科学社より刊行されました。TPは教育改善の道具として期待されるものではありますが、本格的に導入するのであれば、最終的には学生、教職員、大学すべてにとってメリットがあるような環境作りが大切だと思います。今後は、この点を踏まえて議論を深め、本学が教育先導大学としてTPのよりよい導入・活用法を全国へ提案できればいいと思っています。―大学教員の教育者としての業績記TPWSにおける作業風景要があります。メンタリング(1回目)メンタリング(2回目)メンタリング(3回目) 修了証各自でエビデンスをつけて完成させる教育紹介5TPの構造TP作成の流れ