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農学部生物環境科学科資源循環生産学講座教授そめやたかし染谷孝今年度から学生が段ボール箱の中で生ごみを堆肥(コンポスト)化する取り組みを始めました。これは、教養教育での環境教育の一環で、「資源循環コース」を受講する文化教育学部、理工学部、農学部などの2年生8名に加えて、このテーマに関心のある学生や大学院生合わせて24名が5月下旬から取り組みました。指導役として、長年段ボールコンポストに取り組んでいる下田代満さん(武雄市在住、飲食店経営)を招き、段ボール箱の補強方法や生ごみの投入方法を習ってから、各自2人1組になって、段ボールコンポストづくりに挑戦しました。学生がアパートから持ち寄った生ごみや生協食堂の残飯に、米ぬかや腐葉土を混ぜ、段ボール箱に入れました。学内の剪定枝をチップ化したものや落ち葉も利用できるかなど、4種類のレシピを設定し、各3班で取り組みました。8月上旬までの約2ヶ月半のほぼ毎日、新たに生ごみを加えてからよく攪拌し、温度とpH、悪臭の有無などを記録しました。その結果、十分な攪拌と水分調整による適切な管理をすれば、生ごみは毎日1kg以上も投入できること、悪臭はほとんど出ないこと、堆肥温度が60?70℃にもなり、堆肥原料に含まれていた食中毒菌が死滅することなどが判明しました。また、全国の自治体でよく推奨されている「ピートモスと薫炭」の添加は不要なこと、ピートモスは輸入品で「環境に優しい」とは言えないこと、薫炭も製造にエネルギーがかかり「資源循環」には相応しくないこと、なども明らかになりました。学生達は毎日熱心に堆肥の世話をし、記録を取り、温度の上がり下がりに一喜一憂し、実に楽しい数ヶ月であったようです。11月現在、12個の段ボールコンポストは合併されて山積みされ、熟成過程に入っています。この堆肥は学内緑化に活用する予定です。来年の卒業式から入学式にかけて、大学正門からのメインストリートが花一杯となるよう、学生達がプランを練っています。このような取り組みには緻密な作業の積み重ねと綿密な打ち合わせが必要で、単に環境問題を学ぶだけではなく、社会で通用する人材の育成にもつながると期待されています。堆肥化が進む段ボールコンポスト「あっ、温度上がっている!」「いい生ごみ堆肥ができるかなあ」教育紹介5