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全国初!国内産グレープフルーツ「さがんルビー」を品種登録花・野菜・果物の新品種開発私たちの食生活は品種改良のあずか恩恵に大きく与っています。これまで植物の新品種には、病気や害虫に強い性質(耐病害虫性)、寒さや暑さに負けない性質(耐寒暑性)、味や食感がすぐれたもの(品質特性)、生産者にとって有益な特性(収量性)、そして種苗生産者にとって好ましい特性(採種性)などについての改良が積み重ねられてきました。植物遺伝資源学分野では、社会のニーズに対応した品種開発と、将来を見据えて品種を開発して、そこへニーズを引きつけるといった方向性を持って研究を行っています。ユリの花粉は服につくとなかなかとれませんが、花粉が入っている葯をなくしてしまうと花の色とのコントラストを失うといったジレンマがあります。そこで、非対称な細胞融合を行って新しい細胞を作り出しそれを再分化させることで、葯はあるものの中身はカラッポというユリの開発にチャレンジしています。育種の根幹ですが、九州でタマネギのタネを採ることは難しく、産地のそばに採種地を形成することを目標として、タネ採りのシステムを作り上げることにも取り組んでいます。学会全国大会で発表また、果物も園芸作物の一つです。先生方の遺志を受け継ぎ、関係者の皆様方の要望に応えるべく、これも国内初となるグレープフルーツの新品種を農林水産省へ品種登録しました。この品種は「さがんルビー」と名づけ、商標登録も完了し植物遺伝資源の探索活動研究紹介こまいふみのり駒井史訓農学部附属アグリ創生教育研究センター教授ています。あまりにも市場の反響が大きく困惑していますが、浮き足立たないように産地形成や商品開発などを粛々と進めています。このように研究の手法は、従来の交配によるものとバイオテクノロジーとの二刀流です。当研究室ではフィールドワークとラボワークをバランス良く行うことができる人材が輩出することを願いつつ、日々、切磋琢磨しています。ユリの細胞操作研究対象は園芸作物で、野菜の品種開発も行っています。近年では、国内初となる加工用タマネギの親系統を作出しました。流通しているタマネギの6割は加工用なのですが、そこにはスーパーに並ぶような生食用が使われているので、意義は大きいと思います。タネ採りは国内初の品種登録が完了したグレープフルーツ「さがんルビー」5