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研究紹介医学×工学=~バイオ3Dプリンターで移植可能な臓器を作る~もしある日突然、病気や事故で臓器を失ったらあなたはどうしますか?臓器移植に関して、日本では深刻なドナー不足が続いています。臓器の提供を待っている人の数はおよそ13,000人いるのに対して、移植を受けられる人の数は年間およそ300人です。我々はこの現状を打開すべく、100年以上前に報告された「細胞凝集」という自然現象と、コンピューター上で作った3Dデータを設計図として立体物を作製する3Dプリンターの仕組みを融合して、バイオ3Dプリンターを開発しました。細胞凝集とは、一つひとつの細胞が自然に集まり細胞の塊となることで、その塊はスフェロイドと呼ばれます。そのスフェロイドを生け花の剣山から発想を得た剣山の針1本1本に、バイオ3Dプリンターに読み込ませた3Dデータを基にして串団子のように積み上げ、立体的な生きた細胞の構造体を作製しています。現在この技術を用いて、血液を身体の各所に送るための通路となる管である「血管」や、膝の間でクッションの役割を果たし円滑な運動を助けている「半月板」の作製を試みています。血管・半月板ともに臨床応用に向けて動物への移植実験も進行中です。またいくつかの研究室との共同研究も進んでおり、将来的にはさまざまな臓器作製への応用が期待できます。話題のiPS細胞技術との組み合わせで、将来的には自分自身の臓器を移植する究極の医療の実現を目指しています。バイオ3Dプリンターは医療の世界に新たな風をもたらすことでしょう。■3Dプリンター活用の新技術(動脈作製の例)入力作製したい動脈の3次元データ動脈完成特殊な3Dプリンター10日程度なかやまこういち中山功一工学系研究科先端融合工学講座教授バイオ3Dプリンターで作製した人工の動脈細胞を固定形を整える人の皮膚由来の細胞入れる人工透析、心臓の冠動脈バイパス手術の移植に活用6バイオ3Dプリンター中山研究室メンバー