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概要

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研究紹介慢性骨髄性白血病の画期的治癒に期待毎日薬を飲み続けないと再発が抑えられないとされてきた慢性骨髄性白血病の薬の服用を一定条件のもとで中断させた結果、約半数の患者が1年以上薬を飲まなくても再発をしませんでした。慢性骨髄性白血病の薬は非常に高価で、患者の経済的負担を軽くするという面からも非常に有益なことです。きむらしんや木村晋也医学部血液・呼吸器・腫瘍内科教授慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞移植が成功する以外、抗がん剤で治療をしても数年前後で死亡する「不治の病」でした。平成13年に、慢性骨髄性白血病の原因のがん蛋白をピンポイントで攻撃する抗がん剤イマチ二ブ(第一世代ABL阻害剤グリベックR)が発売され、予後は劇的に良くなりました。しかし、毎月自己負担額が数万円となるグリベックRを生涯にわたって飲み続けなくてはならないという問題が出てきました。最近、フランスから一部の患者でグリベックRを中断しても再発がないことが報告され注目されました。平成21年にグリベックRより325倍強力で、しかも免疫細胞を増加させる抗がん剤ダサチニブ(第二世代ABL阻害剤スプリセルR)が発売されました。そこで研究代表者として、全国41ヶ所の病院と協力し、スプリセルRで1年以上原因遺伝子が検出されない患者さんを対象に、治療を中断する臨床試験(DADI試験)を行いました。48%の患者がスプリセルRを中断して1年以上、原因遺伝子が検出されませんでした。特にNK細胞という免疫細胞が増えている人では、なんと61%の患者さんが治療中断に成功されました。スプリセルR中止後に原因遺伝子が検出されるようになった患者さんでも、スプリセルR再開で全員が6か月以内に再び検出されなくなりました。これらの結果は、スプリセルRという飲み薬だけで難治性の血液がんが、治癒する可能性を示す画期的なものです。またNK細胞数がスプリセルRを中断する際の重要な指標となり得ることを世界で初めて示せました。我々の研究をもとに、もう「死ぬまで薬を飲み続けてください」と言わなくても良い日がくると思います。調整性T細胞が減り、NK細胞が増えると治療中断できる仕組み(推測)●スプリセルRのない時癌細胞まあまあNK君、そんなに苛めるなよ。調整性T細胞様がNK野郎をおさえてくれるので大丈夫攻撃*調整性T細胞NK細胞●スプリセルR使用時スプリセルRやられた~癌細胞調整性T細胞調整性T細胞さえいなくなったら、こっちのもんだ!攻撃スプリセルRにやられた~!NK細胞*調整性T細胞とは:免疫応答機構の過剰な免疫応答を抑制するためのブレーキや、免疫の恒常性維持で重要な役割を果たすT細胞の一種。免疫応答の抑制的制御を司る。9