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概要

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人間国宝中島宏さん青磁への飽くなき挑戦学長佐賀大学は平成28年4月に佐賀県立有田窯業大学校(有田町)を統合し、芸術地域デザイン学部を新設します。佐賀県といえば、有田焼や唐津焼といった陶磁器文化が根付く土地柄でもあり、歴史的に裏付けられた〝芸術?を大学の特色として全面に打ち出していこうと、今回の対談のお相手には有田窯業大学校の特別講師でもある人間国宝の中島宏先生をお迎えしました。独創的な作品づくりで青磁を極め、唯一無二の色と造形で人々を魅了する「中島青磁」の世界について、まずはお話しを聞かせてください。中島先生青磁をやるきっかけになったのは、若い頃、父親に連れられて古窯を巡っていたとき、古唐津や染付にまじって青磁の陶片を見つけ、あまりにもキレイな色に感動したことです。「こういうものが作りたい」と父に相談すると「青磁は難しい。化学を知っていなければダメだ」と言われたので、とにかく徹底的に勉強しました。青磁は他の焼き物とは異質の輝きを放っていたので、どんなに難しいと言われても挑戦したかったんです。学長先生は文献調査だけでなく、中国の古窯を実際に訪れるなど現地調査にも積極的でいらっしゃって、その熱心な研究の積み重ねが、美しい色や独自のフォルムを生み出しているのでしょうか。中島先生これまで、さまざまな中国の古窯に行きましたが、一番印象的だったのは昭和60年に訪れた龍泉窯。国宝に指定されている青磁はすべて龍泉窯なのですが、日本人で現地に行った人は誰もいなかった。今は整備されていますが、当時は十数時間かけて道なき道を行くような感じ。命からがら行きました。現地の人たちは、「外国人ではあなたたちが初めてだ」と歓迎してくれました。行って感じたのは、龍泉窯は青磁が生まれるべくして生まれた場所。陶土などの原料や燃料などが豊富で、なにより山の風景が有田とよく似ていたことにとても感動しました。学長青磁の味わいの一つが貫入と呼ばれるヒビ割れで、偶然によって生じるものですが、中島先生は自由自在に入れられる技術をお持ちだとか。中島先生貫入は生き物で青磁は生きています。収集する骨董品のなかには800年前に焼かれた南宋官窯の青磁もありますが、新しいヒビが今でも入ります。貫入は温度差などによって偶然に入りますが、私の作品の貫入は、すべてが計算されたもので、偶然を必然にすることが私の仕事でもあります。学長地方(風土)の価値が見直されている今、佐賀大学では「地域とともに未来に向かって発展しつづける大学」をキャッチコピーに掲げています。平成25年には国立の総合大学としては初めて美術館をオープンし、地域のみなさんから愛される「みんなの美術館」になることを目指しています。また、来年度新設される「芸術地域デザイン学部」では、佐賀の風土、地域としての価値を芸術の力でデザインすることで、新たな付加価値を生み出していきたいと考えています。中島先生焼き物は、その土地の個性や風土色が強く出ていると思います。たとえば、ヨーロッパでは全部揃った食器が使われますが、日本は多様多彩。有田、唐津があれば、備前や信楽、場合によっては漆など、同じ食事の席でさまざまな器が使われ、上手くコーディネートして楽しみます。焼き物には、日本の歴史や文化、日本人のアイデンティティが凝縮され、焼き物のことを知れば、日本を語れるといっても過言ではありません。とくに佐賀では、400年の歴史のなかで磁器の有田と陶器の唐津が共存して生き続けてきました。普通どっちかが滅びてしまいますが、共存して今に至っているのは佐賀の風土といえるでしょう。学長学生と同じような年代の頃の印象的な出来事はありますか。中島先生20歳そこそこのときに、陶芸評なかじまひろしアドレスからご覧いただけますので、ぜひご覧ください。学長対談3