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概要

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元内閣官房副長官古川貞二郎氏学長今回お迎えしたのは、元官僚トップとして8年7カ月にわたり内閣官房副長官を務められた古川貞二郎先生です。古川先生は、村山首相から小泉首相まで、5代の首相に仕えながら日本の政治の中枢で活躍されてきました。佐賀市大和町のご出身で、平成23年には佐賀大学医学部附属病院の30周年式典で記念講演をしていただきました。その際、病院の屋上をご案内させていただきましたが、北側の脊振山系の方を向かれて「私のふるさとはあの辺りだよ」と指をさされたことを今でもおぼえています。まずは、ふるさと佐賀に対する先生の想いを聞かせてください。古川先生まさに佐賀は私の原点です。もちろん、開発などで発展し昔見た風景とは変わってしまいましたが、心の中には父がいて母がいて、姉や妹、友達がいて、秀峰天山が見えて、川が流れてお地蔵さんがいる、あの頃のふるさとが常にあります。中学の頃に読んだ『葉隠聞書』の「一念一念と重ねて一生になり」は、私の座右の銘になっています。〝ねん〟は年ではなく念じるということ。私なりに解釈すると、一瞬一瞬を大事にして生きる、その積み重ねが人の一生ではないかということです。まさに若い頃、佐賀で過ごした一瞬一瞬が、私の人生の支えになっています。学長佐賀県人として、ふるさと佐賀に対する先生の思いは本当に嬉しいですし、佐賀大学にも是非エールを送っていただきたいと思います。最近盛んに言われている「地方創生」においては、地域社会に貢献する人材を育成していくという点で、大学も大きな役割を担っていると言えますが、古川先生はどのように地方創生を進めるべきだとお考えでしょうか。古川先生まずは、いかに魅力のある地域にするかということです。魅力とは、若者が働きたいと思える仕事があるとか、ゆったりとした空気が流れていて暮らしやすいとか。もちろん、それは簡単なことではなく、地域の中で知恵を出し合って工夫をしなければならないし、地方活性化のためには都会から地方に会社や工場を移転するための税制を優遇するなど国と一体となった取組も必要です。大学は、国・自治体と地域社会をつなげる存在だからこそ、その役割は今後ますます大きくなると言えるでしょう。学長私自身も地元が佐賀ですが、あらためて思うことは歴史的にみても佐賀は素晴らしいところだということです。近代医学の発祥は佐賀ですし、明治の産業革命の原動力になったのも佐賀。私たちは、そういった佐賀の歴史や文化をもっと誇りに思っていいし、佐賀大学の学生にも、こんな素晴らしいところで学んでいるんだということを伝えたい。有田町の佐賀県立有田窯業大学校が佐賀大学に統合されるのに伴い、平成28年4月から芸術地域デザイン学部がスタートしますが、学生たちには学部の垣根を越えた広い視野で、文化的・芸術的な理解を広げてもらいたいと考えています。古川先生自分の専門の学問だけでなく、何か興味があるものを持つということは学生生活において非常に重要なことです。人の一生は限られていて、とくに若い時の経験は限られている。だからこそ歴史を学ぶことで、真摯に生きた人の経験を知り、刺激を受けてほしい。たとえば、幕末から明治にかけての佐賀は、近代日本をリードするような優秀な人材を多数輩出してきました。鍋島閑叟というトップリーダーがいたこともありますが、当時の佐賀藩は長崎警備を担当していたことから、いち早く西洋文明を取り入れることができ、それに刺激された若者たちがたくさんいました。その頃の佐賀を知るだけでも、勇気や力がわいてくるんじゃないでしょうか。学長これからは不確実性の時代に入っていくので、多様性のある人間を育てないと社会の変容に対応できません。佐賀大学でもそういった教育に取り組んでいますが、多様性のある人材の教育というのはなかなか難しいですね。ふるかわていじろうアドレスからご覧いただけますので、ぜひご覧ください。学長対談7