和食の基盤である麹(こうじ)の成分・グリコシルセラミドに腸内細菌改善作用があることを発見しました

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和食の基盤である麹(こうじ)の成分・グリコシルセラミドに 腸内細菌改善作用があることを発見

 

 1.要旨

   和食は日本人の健康長寿をもたらしていると考えられているが,そのメカニズムは明らかではない。麹(こうじ,糀)

  は醤油,味噌,甘酒,塩麹,日本酒,酒粕,お酢,黒酢など日本のほとんどの伝統発酵食品に使われていることから,和食

  の基盤であると言える。本研究で我々は,麹に多量に含まれているグリコシルセラミドに,腸内細菌の改善作用があること

  を明らかにした。特に,近年新たな善玉菌として注目されている Blautia coccoides を増加させることを明らかにした。

  本研究は麹が腸内細菌を改善するプレバイオティクスの機能を持つことを明らかにした世界で初めての研究報告である。

 

 2.開発の背景

   日本人の平均寿命は世界トップレベルであり,和食のその一因となっていると考えられている。しかし和食に特異的な

  機能性は報告されておらず,その詳細なメカニズムは不明である。従って,和食特異的な素材でその機能性を明らかにする

  必要がある。和食には発酵食品が多く,それらには共通して麹が使われている。従って麹の機能性を明らかにすれば,和食

  全体の機能性として訴求できることになる。そこでそれまでに当研究室が麹に多量に含まれることを明らかにしていたグリ

  コシルセラミドの腸内細菌叢への影響を調べた。

 

 3.研究の内容

   麹からグリコシルセラミドを大量に抽出精製しマウスに給餌してその糞を採取し,ゲノムを抽出して 16S rDNA配列 を

  解析した。その結果,腸内細菌の組成が変化しており特に近年善玉菌として注目されていBlautia coccoides が増加する

  ことが明らかになった。本研究は九州大学大学院農学研究院・中山二郎准教授,佐賀大学農学部・永尾晃治教授, 光武進准

  教授,浜島弘史研究員,西九州大学・柳田晃良教授との共同研究としてSpringer Natureグループの国際学術誌に査読付原

  著論文として発表されている( SpringerPlus ,2016, 5,1321)。

 

 4.今後の展望

   麹グリコシルセラミドー腸内細菌叢の改善が和食の健康長寿効果のひとつのメカニズムである可能性があり,こうした

  研究成果を活用することで日本人の健康長寿に貢献する食品の開発につながると期待される。今回はマウスを使った実験

  結果であり,今後,ヒトを使った試験で有効性を注意深く確認していく必要がある。

 

 

 【本件に関するお問い合わせ先】

   佐賀大学 農学部生物環境科学科 教授 北垣浩志 ktgkhrs@cc.saga-u.ac.jp

     佐賀大学農学部 北垣研究室 http://seisansystem.ag.saga-u.ac.jp/

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