佐賀大学プロジェクト研究所(SUPLA)
Saga University Project Laboratories

■人工関節国際研究所

研究所名称 佐賀大学 人工関節国際研究所
 所   長 医学部 馬渡 正明
 研 究 員 堀川悦夫、宮本比呂志、明時由理子、萩原世也、張 波、矢田光徳、林 喜章、井手衆哉、木口量夫
 研究テーマ 日本・アジア・アラブのための人工関節に関する研究
 研究概要
【研究概要】
 本研究所では,これまでの欧米主導で開発された現行人工関節と異なり,わが国をはじめアジア・アラブ諸国 (世界人口の6割を占める)のリウマチ患者のための人工関節の研究をはじめとして人工関節に関する様々課題の研究を行う. 欧米主導で開発現行人工関節は床式生活に対応できるだけの可動域を有しておらず,わが国を始めアジア・アラブ諸国(世界人口の6割 を占める)のリウマチ患者を完全に救済することができなかった.しかたがって,当面の課題的な研究項目としては,以下の三つの項目に 重点を置き研究を行う.
(1) 可動域を拡大し,正座やしゃがみ込みなどの深屈曲動作が可能な人工股・膝関節を実用化することを第一目的とし,さらに当人工関節を対象に, (2)脱臼,感染,ゆるみ等の合併症対策,および(3)人工関節患者の床式生活の満足度に関するQOL(Quality of Life)の評価を行う.
本研究所では、現行人工関節の部分改良でなく,斬新なデザインの深屈曲型下肢人工関節を実用名することであり,これに加えて合併症やQOL評価などの フォローアップまでを研究課題に挙げ研究に取り組む.
すでに 申請者のグル-プでは,可動域の大幅拡大を図った人工股関節ツインリッ プを実用化しており ,また,現行人工膝関節のポスト ・カム部を球面 軸受構造に改造し ,完全深屈曲を可能とした人工膝関節CFK(Complete Flexion Knee)を開発している.これを受けて,本研究所の課題として,ツインリップ に付いては脱臼対策のためのさらなる改良,CFKに付いては薬事認可取得を図り,しかる後に両者を製品化(上市)することを目標とする.
現行人工関節で問題となっている種々の合併症の発症メカニズムを解明し,その結果をツインリップや CFK の設計に反映させるため,手術手技と人工関節動態との 関連性の調査,脱臼メカニズムの解明,強度評価や摩耗特性の解明などを実施する.
 また,これまで動物実験で安全性と効果を確認し てきた抗菌性生体材の実用化を図る.さらに,床式生活 (とく に和式生活)における QOL の定量的評価を 実施し ,上記ツインリッ プや CFK の最適設計に役立てる .
 また、感染対策では、新しく銀含有ハイドロキシアパタイトコーティングの人工股関節の開発を以前より行っており、順調に基礎研究を継続し、 現在人工股関節の治験を20例終了した状況である。実用化に向けて、最後の評価を行っている状況である。
研究を実施するに当たっては,佐賀大学医学部の倫理規定を遵守し,倫理面への配慮について必要十分な対策を講じる.

【研究計画・ 方法】
研究槻要欄に示し た 3大研究 目的をさら に具体的な 8テーマに区分し ,各研究者が専門の立場から ,当該8テーマを担当する.(氏名)は主担当者のみを記す.
(1)床式生活対応(深屈曲)型下肢人工関節の開発・実用化
  1)最適設計(井手)
  2)FEM解析と実用化検証(萩原)
(2)合併症対策
  3)磨耗試験および解析(張)
  4)FEM解析(萩原)
  5)脱臼メカニズムの解明(林,木口)
  6)抗菌性生体材料の実用化(宮本,矢田)
(3)術式と患者のQOLに関する調査・評価
  7)手術手技の評価(馬渡)
  8)QOL評価(明時・堀川)
(1)では,シミュレータ試験とコンピュータモデル解析により,それぞれツインリップとCFKの改良設計,最適設計および実用化の検証を行う.
(2)では,現行人工関節の合併症対策を通して,新型人工関節の装着以前に合併症を防止できる方策を見出し,上記(1)の改良・開発に役立てる.
(3)では現行人工関節の術式やQOLに関する調査・評価を実施し、上記(1)の評価に応用する.

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