佐賀大学プロジェクト研究所(SUPLA)
Saga University Project Laboratories

■機能性農産物キクイモ研究所

研究所名称 佐賀大学 機能性農産物キクイモ研究所
 所   長 農学部附属アグリ創生教育研究センター 松本 雄一
 研 究 員 松本雄一、渡邉啓一、辻田忠志、上埜喜八、有馬 進、安田みどり、児島百合子、長根寿陽、川尻眞司
 研究テーマ 機能性野菜キクイモの成分分析に基づく栽培技術の確立並びに機能性食品の開発
 研究概要 (背景・研究概要)
 健康寿命の延伸、QOLの向上は世界全体の願いであり、 特に少子高齢化が他国に先駆けて進行する日本にとっては、 喫緊の課題である。そのために国民に深刻な影響を与えている疾患を克服する技術の研究開発が求められている。 なかでも糖尿病や高血圧症は患者数の多さ・治療満足度の低さ等から、 経済産業省技術戦略マップ「創薬・診断分野」でも重要疾患として位置づけられている。
 佐賀県は糖尿病等に伴う慢性人工透析患者数の伸び率(H23-24)は全国ワースト2位であり、高血圧症疾患による人口別死亡者数は全国ワースト3位である。 そのため、糖尿病予防・血糖値の低下や高血圧症予防に向けた対策が喫緊とされている。
 近年機能性食品による健康増進効果が注目され、血糖値や血圧を著名にさせる作用においては キクイモに多く含まれる天然成分イヌリンが特に着目されている。 佐賀県はこのキクイモの産地の1つであるが、加工食品等の商品が少なく、また調理方法等が広く認知されておらず、 その潜在的機能に反して、 消費が伴わないため生産が拡大していない。キクイモには抗酸化に働く成分が含有されており、コスメの原料としても検討されているため、 佐賀県が誘致を進めているコスメクラスター構想とも深く関連する。
 そこで、機能性食品原料キクイモについて、機能性成分の解明並びに高付加価値化すると共に、 効率的栽培技術の確立と一般に広く普及可能な商品開発を行うことで生産・消費両面で普及を行い、 地域健康課題の解決を目指す。

(研究計画・方法など)
(1)キクイモに含まれる美容・機能性成分の解明

 キクイモに含まれる成分を分画し、イヌリンの膵β細胞保護効果以外に存在が想定される抗酸化成分の探索を実施する。具体的には、抗酸化を鋭敏に評価できるレポーター細胞や、 酸化亢進によって進行する糖化を評価するGlo1酵素活性評価法で探索・同定し、細胞や動物実験等により検証する。

(2)高成分含量となる栽培技術の確立 
 仕立て方法や施肥量などの各種栽培方法や品種・系統による成分含量の違いを明らかにし、収量や成分含量が高い高付加価値原料の生産に向けた技術を確立する。
 また、イヌリンなど各種成分について収穫時期や貯蔵法(温度・期間・粉末等)による変動を明らかにする。

(3)マーケティング調査結果に基づいた、直売用及び一般流通用商品の開発 
 商品形態、販売方法、価格などの市場における動向を分析し、それに基づく商品開発を行う。また、加工方法別の成分含量を明らかにし、高成分含量となる商品開発のための知見とする。 商品開発にあたっては企業との連携を密にしながら行い、実際に販売を行う。

(4)生鮮野菜として消費するためのレシピの開発 
 病院食やレストラン、一般家庭において消費するための、調理・加工方法を検討する。同時に、栄養バランス、カロリー等の検討も行う。 消費者アンケート等による評価も行い、消費拡大を図る。

(5)学生教育への波及 
 これらの研究・活動においては学生の参加も積極的に促し、地域や企業との社会連携・社会参加の機会とする。 また、得られた成果については食育や健康教育の一環として大学農学部や医学部 のみならず、文化教育学部や附属小・中学校等に対する体験学習などに還元する。 実際に、平成27年度に先駆けて実施した取り組みについては、地(知)の拠点整備事業九州・沖縄シンポジウム IN佐賀2015において本学の代表事例として、 学生自ら活動内容を発表している。


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