佐賀大学プロジェクト研究所(SUPLA)
Saga University Project Laboratories

■ジェンダー・イクオリティ研究所

研究所名称 佐賀大学 ジェンダー・イクオリティ研究所
 所   長 大学院学校教育学研究科  上野 景三
 研 究 員 上野景三、吉住磨子、後藤正英、原めぐみ、宮地歌織、吉岡剛彦
 研究テーマ 佐賀で考えるジェンダー平等に関する教育実践ならびに研究
 研究概要  1. 背景
 性別, 人種, 宗教, 障がいの有無, 性的志向などに関わらず, 各自が心地よく, 各自の持てる力を十分に発揮し, よりよい社会を構築していくための  「ダイバーシティ(多様性)」に対する取組みは, 平成28年度より佐賀大学において本格的に着手されようとしている。本研究所では, 「ダイバーシティ」の中でも,  特に佐賀県全体の課題である「ジェンダー」に主眼を置き, これまでの実践などを振り返りながら, 問題解決のための研究・教育に取り組んでいく。  またこれまでに県内では同様のテーマを扱う研究機関がなかったことから, 本機関が地域の大学(Center of Community)の一研究所として果たすべ  き役割は大きい。少子高齢化対策としての女性の活躍促進,ワーク・ライフ・バランスなどに対するさまざまな「上からの施策」を佐賀のような地方の中規模都市,  佐賀大学のような中規模大学において実現するためには、まず,それらの現場における実態を把握すること,そして各所にあった方法論を見出し,それを用いて,  問題解決に向けて行動を起こすことが重要であると考える。
 
2. 目的
 佐賀県内におけるジェンダーに関するこれまでの活動や研究の蓄積をもとに, 本研究所を今後地域社会にどのような貢献を果たしていけるかを, 検討・実践していく ための機関とする。具体的なやり方としては,他大学や地域の関連部局や組織と協働しながら, ジェンダーの課題を改善するための研究実践を重ね, その成果を蓄積し, 研究として公表していく。

3.取り組み内容
【平成28年度】
 ① これまで佐賀で実施されている県や市レベル, あるいは大学での様々なジェンダーに関わる研究, 活動や課題・分析等についての情報収集, 課題分析
【平成29年度】
 ②課題に基づいた教育や活動の実践, その成果の蓄積
 (大学内外のジェンダー教育の充実, 地域と連携しながらの公開レクチャーやシンポジウムの実施, 等)
【平成30年度】
 ④研究成果の公表
  (研究会やシンポジウムの開催。研究成果を論文として刊行)

4.実施体制(構成メンバー)
 ジェンダーの課題は多岐にわたるため, 本研究所のメンバーも様々な専門領域の研究者によって構成されている。
 研究代表者の上野景三(文化教育学部・教授)は,長年,地域づくりに関わり,特に少子高齢化の社会教育について造詣が深い。  また,公民館学会会長やアバンセの事業統括と言う要職にもあり,本研究においても大学と地域を繋ぐキーパーソンとなることが期待される。  また,吉住磨子(文化教育学部・教授)は芸術・文化史が専門で,美術史におけるジェンダーについての教育・研究の実践がある。  また,男女共同参画推進室室長として既に他大学の研究者・実践者たちと横の繋がりを構築している。また,医療分野を代表し, メンバーに加わる公衆衛生学の原めぐみ(医学部・社会医学講座・講師)は,統計学の知見から様々なジェンダーについてのデータ分析を実施してきた。  また女性医師の復職プログラム(SAGA JOY)にも関わり,女性医師のキャリア形成等についても詳しい。一方,法学が専門の吉岡武彦(文化教育学部・准教授)は, 授業やゼミでジェンダー問題を積極的に取り上げ,九州におけるダイバーシティー研究分野における最も先鋭的な論客の一人である。 吉岡はまた,佐賀市男女共同参画審議会の議長として,佐賀市内における様々な現場について詳しく,アバンセの客員研究員としての研究実績もある。 倫理学・宗教学が専門の後藤正英(文化教育学部・准教授)は,日本ではまだ新しい研究分野である「男性学」について詳しく,学内外において, この視点からジェンダー問題について発言を繰り返してきた。ジェンダー研究が女性のみに着目しがちな点を,男性の視点から読み解くことの できる貴重で不可欠な人材といえる。さいごに文化人類学・ジェンダー学が専門の宮地歌織(男女共同参画推進室・特任助教)は,途上国における ジェンダー問題に詳しい。特にケニアの農村の高齢女性に関する豊富な量的・質的調査の経験を有し,その手法を佐賀県内の調査に有効に 活用することができる研究者である。宮地は,男女共同参画推進室の助教として,九州地区はもとより全国のジェンダー研究者らとの強いネットワークを有し, 本研究においては優れたコーディネーターとしての役割も期待される。
 以上のような布陣により,文理融合しながら、既成の学問的方法論に拘らず,自由で柔軟な発想によって実現可能な「ジェンダー平等」環境を考えていく。
 ジェンダーについての取り組みは先駆的な九州の他県の取組みもあるため、期間内に学外(県外)からの客員研究員等も受け入れながら, 情報交換等も実施していく。 本研究所が取り組もうとしている課題は,佐賀のみならず,日本のあちこちの地方都市が抱えている課題であることは言うまでもない。 本研究所が,限られた予算や時間の中で活動を行っていくなかで,情報交換,他所との協働は最も重要なファクターである。
 (組織図、等については別添参照のこと)
5.期待される成果
 「2020年までに指導的な立場にある女性を30%に増やす」という施策を佐賀において実現するためには何が必要であるか。そのための方法論や環境整備について考え,それらを発信していく。
 研究成果を国立女性教育会館(毎年8月)でのシンポジウム等で発表し、地方におけるジェンダーの課題について他県と比較・検討が可能になり、地方創生に関する取り組みのヒントともなり得る。 また女性活躍促進も施策として掲げられているため、課題分析により行政の取り組みにも反映させることが可能である。


■研究所のホームページへリンク