佐賀大学プロジェクト研究所(SUPLA)
Saga University Project Laboratories

■地域防災技術研究所

研究所名称 佐賀大学 地域防災技術研究所
 所   長 低平地沿岸海域研究センター 末次 大輔
 研 究 員 末次大輔、山西博幸、荒木宏之、猪八重拓郎、大串浩一郎、押川英夫、後藤隆太郎、三島伸雄、宮本英揮
 研究テーマ 地域の防災力向上に資する技術と対策に関する研究
 研究概要

【研究概要】
 近年,地球規模の気候変動に起因する海水面の上昇,台風の巨大化や局地的な集中豪雨の 頻発化・激化が顕在化しており,災害リスクはますます高まっている。地域の防災力向上のためには,過去の災害情報を十分に活用した調査・研究が必要不可欠であるという認識のもと, 平成25年に「地域防災技術研究所」を設立し,佐賀県内における過去の災害情報を収集しデータベース化した(第1期)。このような中,今年4月に熊本地震が発生し,突発的な大規模地 震動によって甚大な被害がもたらされたが,その影響は佐賀県にも及んでいる。例えば佐賀地方気象台は,地震と豪雨の影響により地盤が脆弱化し,佐賀県内の土砂災害発生リスクが高 まっていることを指摘している。したがって,佐賀県の防災力向上に資する技術および対策の検討は喫緊の課題であり,豪雨や地震時に崩壊する危険性のある地点の抽出や評価や,災害 発生を想定した都市・地域づくり(事前防災)が極めて重要であるといえる。

 以上のような課題の中で,第2期では佐賀県を対象とし,防災力向上に資する技術と対策を検討するために以下の活動を実施する。
(1)低平地流域の災害脆弱部の抽出と対策に関する検討
(2)事前防災と地域特性を考慮した都市・地域づくりに関する検討
(3)防災・災害データベースの構築とその高度利用方法の検討
(4)防災や減災に関連する講演会や意見交換会の開催

【研究内容】
(1) 低平地流域の災害脆弱部の抽出と対策に関する検討
 豪雨あるいは地震発生時において市民を安全に避難させることが最優先事項である。中山間地には崩壊の危険性の高い斜面が数多く存在し,避難経路に近接する崩壊危険斜面も少なく ない。同様に,沿岸低平地部では局地的な豪雨や高潮によって浸水する可能性の高いエリアが広く存在する。ここでは,人命確保および安全な避難を視点に,低平地流域における豪雨・ 地震時の避難に影響を及ぼす災害脆弱部の抽出に向けた検討を行うとともに,災害発生時に安全な避難を確保する方法について検討する。

(2) 事前防災と佐賀の地域特性を考慮した都市・地域づくりに関する検討
 災害に強いまちづくりは喫緊の課題であるが,全国的に高齢化・過疎化の影響により防災力の低下が懸念されており,同時に都市の財政力低下,市街地の空洞化・外延化,中心市街地 の衰退などの問題も顕在化している。このような背景のもと,人口密度の適正化や各種都市機能の適切な配置・誘導を図ることを目的とした計画立地適正化計画が制度化された。そこで 本申請では,地域の災害リスク,持続可能性,地域の魅力等に関して佐賀県が抱える課題を抽出し,これらを考慮したうえで生活サービス機能と居住機能を誘導する区域や縮退化すべき 区域を検討する。さらに,住民意識を考慮した住居移転・誘導の実現性についても検討していく。

(3) 佐賀県防災・災害情報データベースの構築および高度利用方法の検討
第1期で構築した災害情報データベースの資料の収集範囲を広げ,引き続きWeb検索システムを維持・更新する。本申請期間では,このデータベースから得られる情報を今後の災害対応策 の技術開発に利活用できるような方策を検討する。具体的には,本研究所での検討に加え,国の防災担当者との勉強会(流域治水勉強会)や国,自治体,関連団体からなる九州防災・災 害情報アーカイブプロジェクト佐賀県部会などで意見交換を行いながら,第1期で構築したデータベースの情報を加工してWeb上で可視化し,この二次データを市民教育に活用することを検討する。

(4) 防災や減災に関連する講演会や意見交換会の開催
上記のデータベース情報を利用し,住民やNPOと連携した防災教育や訓練・研修等の人材育成を行う。講演会や意見交換会等を開催することで災害・防災に関する情報共有の場を提供する。
上記4点について,外部資金の獲得に努めながら,佐賀県の防災力向上に資する技術と対策を検討する。


■研究所のホームページへリンク