佐賀大学エコアクション
 
代表者メッセージ

 佐賀大学は、6学部(教育、芸術地域デザイン、経済、医、理工、農)の他、海洋エネルギー研究所をはじめとする先端的研究施設、附属病院、附属図書館、附属小・中・特別支援学校、幼稚園さらに美術館を有する国立総合大学です。学生・生徒・教職員を合わせると1万人を超える県内有数の規模となることから、日常的に環境に与える影響も大きく、継続的な環境配慮と改善が求められています。

 本学では、2012年に「佐賀大学環境方針」を策定し、自然との調和および循環型社会への対応を基本理念に掲げ、全学的な環境保全活動を展開してきました。2016年からは独自の環境マネジメントシステム「佐賀大学エコアクション」を運用し、省エネルギー、廃棄物の削減、化学物質管理などを計画的に推進しています。
 
 2024年度の注目すべき取組の一つに、佐賀市および複数企業との連携による「CO₂を活用した大豆育成研究プロジェクト」があります。この研究は、2022年5月より始動したもので、佐賀市清掃工場で排出されるCO₂を回収し、本学構内に設置された植物工場での大豆栽培に活用するものです。この研究の特長は、通常であれば大気中に放出されるCO₂を植物の成長を促す資源として有効活用する点にあり、環境負荷の低減と作物の安定的な生産性向上の両立が期待されています。さらに、2024年度には九州電力株式会社の研究施設を活用し、より大規模で高度な環境制御のもと、実証研究が進められており、今後の成果が期待されます。
 
 本学では引き続き、再生可能エネルギーの研究や大学運営の省エネ化に取り組むとともに、SDGsを踏まえた環境教育や人材育成にも注力し、地域社会とともに持続可能な未来の実現を目指してまいります。
 
 本報告書は、佐賀大学環境方針の行動指針に示すとおり、本学を取り巻く様々な方に本学の取組を知っていただき、循環型社会の実現への取組の協力と理解を求めるものです。何卒ご一読いただき、本学の活動に対するご要望やご提言などをお寄せいただければ幸いです。
国立大学法人佐賀大学長 兒玉 浩明
(令和7年9月現在)