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各部局の取組


教育学部・学校教育学研究科


1.環境方針
◆基本理念
 佐賀大学教育学部・学校教育学研究科は、自然と調和のとれた営みを続けるた
 めの「知」の継承と創造を担い、教育と研究を通して地域及び社会に貢献す
 る。

◆行動指針
1) 地球環境の保全・改善のための教育を行い、環境に配慮できる人材を育成
  する。
2) 地球環境の保全・改善のための研究開発に努める。
3) 地域環境保全のため、グリーン購入の推進、エネルギー使用量、上水使用
  量及び廃棄物発生の削減、ゴミの分別や 資源リサイクルなどに努める。
4) 薬品管理及び緊急時対応のためのシステムやマニュアル、訓練の充実によ
  り、安全管理の徹底を図る。
5) 地域との連携のもとに自然環境保全に努める。
6) 教育研究などあらゆる活動において、環境に関連する法律、規制、協定及
  び学内規程等を遵守する。
7) 環境マネジメントシステムを確立し、すべての教職員、学生の参画のもと
  継続的に運用して改善を図る。
8) 環境の視点を予算編成方針に反映させる。
9) あらゆる人に環境報告書を公開し、地球環境の保全・改善に対する取組の
  協力と理解を求める。

2.学部の概要(2022年5月現在)
・教職員数:教育学部教員43 名/学校教育学研究科教員14 名、事務職員8 名
・学生数:教育学部506 名/学校教育学研究科40 名
・床面積:10,353 平方メートル
 
3.環境目標とその実績
1)環境目標
 ・エネルギー消費量(電気使用量・都市ガス使用量)、水使用量、廃棄物量と
 もに 2020 年度実績維持とした。理由は、新型コロナ感染症対策の緩和により
 対面授業に戻り、特に学生の学部内での滞在期間が長くなるため、である。
2)今年度(2022 年度)の実績と評価(取り組みに対する評価を含む)
 ・総電気使用量は424,648(kwh)、電気使用料は1,062 万円余となった。その
 結果、電気使用量は2021 年度比で4.2% 減となった。 最も多い上位月から、
 7 月 47,888、8 月 43,363、1 月43,484(kwh)、12 月41,076、6 月38,095
 (kWh)で年間の50% を占める。このことより、梅雨期の除湿、夏季の冷房、
 冬季の暖房が一因であることは読み取れるが、極端に偏って使用されているわ
 けではないことも合わせて確認できることから、日頃からの節電に対する意識
 が十分でないことも考えられる。例えば、「こまめに電気機器(エアコン、照
 明など)の電源を切る」という習慣化が不十分であるかもしれない。例年、
 この傾向は同じであり、夏季の高温化、また高湿度による不快感などが行動変
 容の支障となっていると考えられ、ほぼ毎回の教員会議において、「光熱水料
 金が高騰している」ことを周知し、「節電・節水等への協力」を依頼している
 が、対策が難しいと感じている。なお、電気使用量に相当する二酸化炭素排出
 量は155tであった。

 ・総都市ガス使用量は、7,550 ㎥であった(空調 = 7,414 ㎥、空調以外 =
 136 ㎥)。都市ガスはほぼ空調(暖房)で使用されている(使用量全体の
 98.2%)。空調以外では実験・実習での使用がある。都市ガス使用量が多い上
 位月は 11月 16、12月 18、1月 22、2月 12(㎥)であり、使用が冬季に
 集中していた(8月は4(㎥)で最小使用月になっている)。都市ガス使用量
 は2021 年度(8,000 ㎥)比で6% 減少した。都市ガスの使用によって排出され
 た二酸化炭素量は16 トンと計算された。

 ・学部・研究科では、LP ガス・重油・灯油は使用していない。

 ・総上水道(= 下水道)使用量は、3,471 ㎥であった。その結果、上水道使用
 量は、2021 年度比で32%増となった。推測される要因の一つとして、実験機
 器の冷却水の使用量の増加が考えられる。

 ・廃棄物処理については、2020 年度からゴミステーションに鍵をかけ事務職
 員の立会いのもと搬入するようにして以降、ゴミの分別が大幅に改善した。一
 方で、各棟におけるゴミの分別が不十分である。特に、燃えるゴミとプラスチ
 ックゴミの不分別(燃えるゴミにプラスチックが混入、レジ袋に昼食後のゴミ
 がびん・缶類を含め分別されずに入れてある)が目立つ。ライフスタイルとし
 て食事の後始末ができていないという状況である。オリエンテーションや授業
 などで周知しているものの、現時点で状況を大幅に改善できる対策を見出せて
 いない。

 ・化学物質管理については、本年度、理科・技術科・家庭科の該当教員を対象
 に薬品管理システム(CRIS)の講習を行い、運用を開始した。今後は、入力
 に関する労力を軽減するための工夫をする予定である。

 ・2022 年度も2021 年度と同様、実験排水槽(3 号館南側)でpH 異常警報が
 複数回発生した。直後に巡回して実験室の状況を確認した。警報が作動し
 たのに、その当時実験室が全て(施錠されたりして)使用されていないという
 状況も確認でき、現時点で原因(流入物質等)を特定できていない。

 ・2度の自治体による排水水質検査において、教育学部3号館において、硝酸
 態窒素の検出値が0.47mg/L(基準値は0.2mg/L 以下)となり不合格となった。
 複数の研究室の実験で硝酸塩を使用しているので、廃液や器具洗浄水は3 度
 までタンクに排出しており、排水槽に至る可能性は低いと判断しているが、教
 員間で本報告を共有する。

 ・薬品管理システムの運用については、常時適切に入力できている研究室があ
 る一方、全くアクセスできていない研究室もあり、対応の差が大きいことが
 改善点である。

4.環境教育
1)学生対象の教育・周知
 教育学部は新型コロナ感染症の影響が続きオンライン(新入生オリエンテーシ
 ョン・大学入門科目)で、学校教育学研究科は別途対面にて環境教育を行な
 った。主な指導内容は、エネルギー使用量節減、大学におけるゴミ分別(家
 庭との違い)、SDGs について、である。

2)教職員対象の啓発・訓練
 教職員に対して、毎月の教員会議資料(お知らせ欄)により省エネルギー対策
 を依頼している。2022 年3 月の教員会議において学部・大学院のエネルギー
 使用状況、ゴミの分別について情報を共有した。

5.次年度に予定する取組み
 ・電気・ガス使用量については、引き続き省エネルギーの呼びかけ、節電パト
  ロールを実施する。
 ・水使用量については、研究室等の節水を呼びかける。
 ・廃棄物については、分別方法の周知とさらなる徹底を促す。
 ・コピー用紙使用量については、両面印刷や資源物としての回収を推進する。
 ・薬品管理システムを適切に運用し、薬品管理を徹底する。

6.代表者による全体の評価と見直し
 2022 年度は、ほぼ新型コロナ感染症対策の緩和により対面授業が増えてきたので、環境指標は総じて高値となった。 コロナ感染防止対策は継続しながらも、依然として夏季の高温状態も予想される状況であり、エネルギー使用量につい ては前年度実績維持を目標に据えて取り組みを継続する。廃棄物については、年度ごとに大きく状況が異なることから、 急激な数値の変動を確認した場合にはその原因を確認する。また、以前よりゴミ分別不徹底の状況があったが、ゴミ集 積場に関しては施錠と立ち会いなどの対策により、状況は大幅に改善した。一方で、各棟のゴミ箱の状況については、 特に燃えるゴミへのプラスチックの混入やレジ袋に、分別されていない状態でびん・缶なども入れて、燃えるゴミの箱 に投入している、など、一部の学生と思われるが取り締まりが必要と思える状況がある。薬品管理システムの適切な運 用とリスクアセスメントの実施については、次年度までに軌道に乗せるよう指示した。
                     (学部長・研究科長 小野文慈)



芸術地域デザイン学部


1.環境方針
〈基本理念〉
 佐賀大学芸術地域デザイン学部は、芸術で地域と世界を拓くために、教育と研
 究を通して地域及び社会に貢献する。

〈行動指針〉
 1) 地球環境の保全と維持のために環境教育に関する教育研究活動を実施し
   て、意識を高める。
 2) 環境保全及び改善のために省資源、省エネルギー、水使用量、廃棄物の
   削減、リサイクル、グリーン購入を積極的にすすめる。
 3) 地域と連携した環境保全をアートの視点を取り入れて取り組むよう努め
   る。
 4) 実習、演習、制作、実験における安全の確保、環境保全に努める。
 5) 薬品管理や労働安全衛生教育を通じて安全な研究教育環境の整備に努め
   る。

2.学部の概要(2022年5月現在)
  本学部は、本庄キャンパスと有田キャンパスの2箇所に教育研究施設があ
 る。(建物延べ面積合計9,947 ㎡(本庄3,919㎡、有田6,028 ㎡))教職員
 39 名、学生数489 名(1~4年生)
 
3.データ(2022 年度実績、前年度比較)
〈本庄キャンパス〉



〈有田キャンパス〉




4.部局の2023年度の取組予定
 2022 年度、本庄キャンパスは昨年度よりもエネルギー消費量、CO2 排出量、電気使用量が減少した。有田キャンパ スにおいては増減なしの傾向だった。
 本年度より本学部の授業は対面を中心としたものが大半になったが、一部では遠隔授業やハイブリット授業も必要に応 じて実施されているため、エネルギー消費量、CO2 排出量、電気使用量、水使用量、廃棄物の排出量、複写機使用料は コロナ禍以前の状態にもどって昨年度より増加傾向に転ずる可能性もあるため、引き続き節約対策を行う。具体例として は、教授会などの会議では可能な限り対面とすることで各研究室の節電を行うことと、会議資料をデジタル化して参加者 は各自のnotePC で会議資料を確認することで、紙資源の節約と廃棄物の削減を進めていく。また本庄及び有田の両キャ ンパスにおける環境教育や環境保全活動に取り組むための仕組みづくりを両キャンパスのエコアクション委員を中心に計 画し、まだ終わっていないコロナの状況に油断せず、安全な研究教育環境づくりと環境保全に柔軟に取り組んでいく。
 環境教育として入学時オリエンテーションの時に本学部新入生に対してゴミの分別方法について指導し、5 月19 日 (金)2 限目の大学入門科目Ⅰエコアクション活動について PPT 資料を用いて本学部1 年生全員に対してゴミの分別・ 省エネ・節水活動の周知徹底を行った。

5.代表者による全体の評価と見直し
 本庄キャンパスにおいては、累計数で前年度と比較したところエネルギー消費量、CO2 排出量、電気使用量が減少した。 日々の地道な節電活動が目に見える形になったと考える。今後も水、電気、エネルギーの使用量が増加することも想定し、 学生を含めた構成員全員によびかけて、継続的に省エネルギーに努めていく。
 一方、有田キャンパスのエネルギー使用量、電気使用量は前年度並みの数値で収まっている。有田キャンパスの教室 数と在籍人数が少ないため、人数によるエネルギー使用の大きな差は生じにくいものと考える。しかしそのような状況 においても資源の節約の取り組みは必要である。
 廃棄物排出量が増加している要因は、11 月に本庄キャンパスから排出した金属くずと、1 月に有田キャンパスから排 出された陶磁器くずによるものである。
 今後も、両キャンパスにおいて、環境負荷データの推移を見守りつつ、環境保全活動への取り組みを進めていきたい。
                          芸術地域デザイン学部長 吉住 磨子



経済学部


1.環境方針
〈基本理念〉
 本学部は、教育および研究を通して、環境改善の啓発活動および環境保全活動を積極的に実施し、環境に配慮できる 人材を育成することを社会的使命として認識し、持続可能な社会の発展に貢献する。

〈行動指針〉
 1) 環境マネジメントシステムを構築し、環境マネジメントシステムの全容を全ての教職員、学生に周知し、これを継 続的に運用して改善を図る。
 2) 環境に関する教育研究活動を実施し、環境保全にかかわる意識を高め、環境保全活動を普及し、環境に配慮できる 人材を育成する。
 3) 環境保全および改善のために省資源、省エネルギー、水使用量・廃棄物の削減、リサイクル、グリーン購入を積極 的に実施し、環境負荷の低減に努める。
 4) 教育・研究・学内行政などあらゆる活動において、環境に関連する法令、条例、協定および学内規程等を遵守する。
 5) あらゆる人に環境活動レポートを公開し、環境保全および改善に対する、本学部の取り組みへの協力と理解を求める。

2.経済学部の概要(2022年5月1日現在)
①学部学生数

 学科・課程 1年次  2年次  3年次  4年次  計 
経済学科  110  113  120  117  460 
経営学科  83  80  87  97  347 
経済法学科  70  72  75  81  298 
計  263  265  282  295  1,105 
 
 ②大学院生数
 専攻 1年次  2年次  計 
経済学科  21  24  45 
③教職員数:41名
④延べ床面積:4,716㎡

3.環境目標と実績
☆ 環境目標
◇2022年度の環境目標・実績および2023年度~ 2025年度までの3年間の環境目標
2022年度 環境目標  目標値  実績値  評価 
エネルギー使用量(電気使用量)の削減 (2015年度比3%減)  164,537kwh  164,537kwh  164,537kwh 
水使用量の削減
(2015年度比3%減) 
819㎥  819㎥  819㎥ 
コピー用紙使用量の削減
(2015年度比3%減) 
783,869枚  783,869枚  783,869枚 
 
☆ 活動実績
① 二酸化炭素排出量(電気使用量)の削減   [ 評価 「○」 27.74% 減 ]
・2022 年度は、対面授業再開のため、2021 年度と比較す ると、9 月までの電気使用量は増加している。しかし、10 月以降は、経済学部4 号館が改修工事のために立ち入り禁 止となったことから、2015 年度比では27.74%減となっ ている。
・2023 年度の環境目標 ⇒ 2015 年度比3% 減


② 水使用量の削減 [ 評価 「○」 32.23%減 ]
・トイレの水使用量が大部分を占める。2022 年度は、対面 授業再開のため、2021 年度と比較して、水使用量は増加 した。しかし、例年と比較しての経済学部4 号館の使用率 の低下により、2015 年度比では32.23%減となっている。
・2023 年度の環境目標 ⇒ 2015 年度比3% 減


③ コピー用紙使用量の削減 [ 評価 「○」 57.64%減 ]
・使用量の計測は、コピー機・印刷機のカウンター枚数による。 2022 年度は、対面授業再開のため、コピー用紙使用量は 2021 年度と比較し増加した。しかし、講義資料のデジタ ル化が浸透し、2015 年度比では57.64%減となっている。
・2023 年度の環境目標 ⇒ 2015 年度比3% 減


4.環境教育
・1 年次:大学入門科目Ⅰ(15 クラス)
 [ 対面授業による環境教育。エコアクション活動PPT 資料の視聴および確認アンケートの実施 ]
・2 ~ 3 年次:4 月初旬「履修ガイダンス」
 [ 履修指導の一部の時間を取り、ゴミの分別・省エネ・節水活動の周知徹底を実施 ]

5.2023 年度の取り組み予定
・電気使用量:節電パトロール、室内温度を基準としたエアコンの温度設定
・水使用量:事務室・研究室の節水
・コピー用紙使用量:Web 資料、両面印刷、ゴミの分別

6.代表者による全体の評価と見直し
 2022 年度は電気・水・コピー用紙使用量の削減目標をすべて達成している。2022 年度は、対面授業がほぼ完全に 再開されたことから、2021 年度と比較すると、水使用量・コピー用紙使用量は増加した。その一方で、電気使用量は 微減であり、また2015 年度との比較では、すべて大幅減を維持できている。特にコピー用紙使用量の減少については、 従来紙媒体で配布していた講義資料をWeb からのダウンロード形式に変更する取り組みが奏効したと考えられる。こ れは教職員・学生の日常的なエコアクション活動の成果であり、今度も環境目標を達成できるよう活動を継続していく。  2023 年度は、2022 年度後期に実施された経済学部4 号館の改修工事が終了し、4 月から同館の使用が再開される。 また対面授業・対面会議は平常通りに実施されることが見込まれるため、電気・水・コピー用紙使用量もまた平時の水 準に回帰することが予想される。そこで2023 年度は、2015 年度比でそれぞれ- 3%・- 3%・- 3% の削減目標を 掲げた。新型コロナウィルス感染症の推移は予断を許さないものではあるが、外部環境の変化にかかわらず、これまで 継続的に行ってきた環境マネジメントシステムの改善、ならびに日常的なエコアクション活動を2023 年度においても 意識的に実施していく必要がある。
                                  学部長 樫澤 秀木


医学部


1.環境方針
〈基本理念〉
当学部(当病院)は、自然との共生のために教育、研究、診療を通して地域および社会に貢献します。

<行動指針>
1)医学・看護学教育に加えて、環境保全・改善のための教育を行い、環境に配慮できる医療人を育成する。
2)教育、研究、診療において、環境に関連する法律、条例、協定及び学内規程等を遵守する。
3)廃棄物発生およびエネルギーおよび水使用量の削減、グリーン購入の推進、資源リサイクル、化学物質の適正な管 理に努める。
4)医療廃棄物の発生抑制、無害化の研究を推進する。
5)環境マネジメントシステムを確立し、その内容を教職員、学生、地域に周知し、これを継続的に運用して改善を図る。

2.医学部の概要
医学部医学科(定員103 名、6 年過程)、看護学科(定員60 名、4 年過程)、大学院医学系研究科(博士課程25 名)、  先進健康科学研究科(修士課程)および附属病院。
 敷地面積235,424 ㎡、建物面積122,883 ㎡(2022 / 5)。
 職員数: 教員293 名、事務職技術職医療職等1,323 名、計1,616 名(2022/5)。
 学生数: 医学科634 名、看護学科241 名、大学院94 名、計969 名(2021/5)。
 附属病院入院患者数、1 日平均461 名(604 床)前年比2%増、外来患者数1 日平均977 名、前年比6%増(2021)。
 省エネ法により第1 種エネルギー管理指定工場に登録されており、年平均1%以上のエネルギー削減に努めなければ ならない。

3.環境目標とその実績
1)環境目標

1.エネルギー使用量の削減   (前年度実績から1% 削減する)
2.廃棄物排出量の削減   (前年度実績を維持する)
3.上水使用量の削減   (前年度実績から1% 削減する)
4.化学物質管理の強化   (薬品管理システム運用を強化する)

2)エネルギー使用量の削減 (図1)

 前年度比2.2%増であった。
 22 年度は、対面講義もほぼ再開し、診療実績の増加もあり、 エネルギー使用量が増えることは予想されるが省エネの取組 は実現したい。
 電気は、夏季の冷房使用量が増えており、気象条件も影響 していると思われる。病院では、第2・第5 電気室で増加し ているが、オペ室へ電気を供給している部署であり、手術件 数の増加が反映されている。学部では、対面講義が増え、学 生の共有スペースの利用も増えているため、冷暖房使用量が 増えている。昨年改修された図書館は、電気使用量の減少が 見られた。改修により省エネが推進された。
 ガスは、中央機械室のボイラー、冷温水発生機の使用割合 が大きく、電気と同様に夏季の冷房使用量が増えている。
 重油は、契約電力を100KW 引き上げたことにより、電力 量ピークカットに用いる自家発電機の稼働が減り、燃料の重 油使用量が減少した。


3)水使用量の削減(図2)

 前年度比14%増。18%増と病院での増加が目立つ。診療実績の増加が考えられる。


4)廃棄物排出量、紙使用量の削減(図3)

①廃棄物:前年度比、総廃棄物4% 増、医療系7%増、一般2% 減。医療系は診療実績の増加と考えられる。
②コピー紙購入量:前年度4%増、学部16%増、病院1%増。 学部で対面講義の再開が原因であり、病院も診療実績の増 加による。


5)化学物質の管理

①教育研修:例年、前期に行っている化学物質リスクアセス メント研修会を再開した。
②管理登録:安全衛生委員会の職場巡視は継続し薬品の保管 状況も確認した。年間の実験系薬品で使用量が多かったの は、10%中性緩衝ホルマリン1704 ㎏、ドライゾール(88% エタノール)1443 ㎏、アルコール1130 ㎏、キシレン 1077 ㎏であった。
③作業環境測定:ホルムアルデヒドが、解剖処置室で第3 管 理区分、解剖実習室、病理検査室で第2 管理区分となり改 善の余地がある。
④土壌地下水汚染:立体駐車場工事に伴う調査で土壌、地下水か ら環境基準を超える鉛、ヒ素が検出された。ヒ素化合物の学 内の過去の管理使用状況を調査した結果自然環境由来と考え られたが、改めて化学物質や実験廃液管理状況を再確認した。

6)経費(図4)

 エネルギー使用量、廃棄物量が、増加はわずかであるが、燃料価格高騰のため、前年比46%増、約2 億4 千万円増 加した。国からの補助金が交付された。


4.環境教育・研究
①広報:省エネメール、毎月、医学部全職員に対しエネルギー使用量の実績データを配信中。研究室向けの衛生管理担 当者説明会で経過を報告している。
②教育研修:4 月の医学部新入生オリエンテーションおよび2 年生以上のオリエンテーションでは、廃棄物分別の動画 視聴を行った。新入生向けの環境教育は、医療入門、看護学入門で対面講義により実施した。

5.2023 年度の取組み予定
 例年エネルギー削減目標は、例年通り、エネルギー、水使用量は22 年度比で1%減、廃棄物は、医療廃棄物の増加 を考慮し22 年度比増減なしとする。建物改修は病院外来棟で継続、院生棟改修が予定されているが、大規模改修はほ ぼ終わったので、今後、エネルギー使用量の定常的な数値が確定されてくると思われる。改修による断熱性能向上や省 エネ機器更新で、床面積が増加してもエネルギー量の増加は抑えられるはずである。引き続き経費削減のため無駄なエ ネルギー使用の削減を呼びかける。廃棄物分別は、プラスチック類の分別に加え資源物の分別の徹底が求められている。 省エネパトロールは、改修工事により冷暖房の集中管理できる建物が増えており、対象個所はこれまで問題のあった看 護学科棟、医学部会館に限定した形で、夏季・冬季に月1 回で実施したい。

6.代表者の評価と見直し
 医学部の総エネルギー消費量は前年度比約2.2%増、学部電気使用量の増加が継続しており電気代の高騰の影響はさ らに大きくなっている。消費電力の削減対策がさらに可能かどうかの検証も必要となると思われる。廃棄物としての燃 えるごみの割合は増えていないが、コピー用紙の購入量は増えている。対面授業の再開が要因とはいえ、使用内容の適 正化の取り組みも必要と思われる。電気代高騰の影響に対しての国からの補助金はあるものの補助対象は増額分の一部 にとどまっており、施設課と協力して継続的な電気使用量削減対策が必要と考えられる。
                                 学部長 末岡 榮三朗

 附属病院の2022 年度エネルギー使用量は、新型コロナ禍の中で入院患者数が減少している中においてもここ数年と 同様の使用量であった。これは、高度先進医療において、医療機器等の高度化に伴いエネルギー使用量が増えているこ とにあるものと思われる。さらに、エネルギー使用量はさほど変化がないものの、ロシア- ウクライナ戦争等の影響で 経費が2億円と著明に増大している。このことは、病院経営において、極めて重大なことで節電・節水策について実現 可能な見直し案を検討したい。
                                   病院長 野口 満



理工学部


1.環境方針
◆基本理念
当学部は、循環型社会の構築のために教育と研究を通して地域及び社会に貢献します。

◆行動指針
 当学部は、大学全体の循環(基本)方針を受けて、循環型社会構築のために教育と研究を通して 地域及び社会に貢献 します。
1)地球環境の保全・改善のための教育を行い、環境に配慮できる人材を育成する。
2)地球環境保全のため、グリーン購入の推進、エネルギー、水使用量及び廃棄物発生の削減、資源リサイクルなどに 努める。
3)地域との連携をもとに自然環境保全に努める。
4)実験・実習における安全の確保及び環境保全に努める。
5)化学物質の管理の学内での先導的活動を行う。
6)教育・研究などあらゆる活動において、環境に関連する法律、条例、協定及び学内規定などを遵守する。
7)環境マネジメントシステムの全容を全ての学生及び教職員に周知し、これを継続的に運用して改善を図る。
8)あらゆる人に環境活動レポートを公開し、地域環境の保全・改善に対する取組の協力と理解を求める。

2.理工学部の概要
教職員数(非常勤職員を含む) 167 人
 学部学生数 2,127 人
 大学院生数 403 人
(2022 年5 月)
  部門数 7 (数理・情報・化学・物理学・機械工学・電気電子工学・都市工学)

3.環境目標とその実績
◆環境目標
1)エネルギー使用量の削減(2021 年度実績をベースに1%削減)
2)廃棄物排出量の削減(2021 年度ベースに維持)
3)総排水量の削減(2021 年度実績をベースに1%削減)
4)環境教育の充実
5)化学物質の管理の強化

◆ 2022 年度環境改善に関する報告
 環境方針に従い、2022 年度も節電パトロールの実施やエアコンフィルターの清掃、毎月の光熱水料の周知による対 策など、省エネ活動に取り組んできた。基準年度である2021 度と2022 年度のエネルギー使用量、廃棄物、及び総排 水量を下表にまとめる。比較のためにコロナ前の2019 年度のデータも付記した。2019 年度、および2021 年度と比 較して、2022 年度ではエネルギー使用量はほぼ同一であり、コロナの状況から大学における生活が再開したためである。 廃棄物の量は2019 年度の量と比較してほぼ同一の値であり、2021 年度の値と比較すると1.5 倍の量となった。これは、 理工学部4号館の改築に伴う廃棄物量の増加が原因であると推察される。総排水量は2019 年度と比較しても減少して おり、学部で取り組んでいる節水が功を奏していると考えられ、目標を達成することができた。廃棄物の分別などをき ちんと行うために、学部全体に対して周知をして取り組む必要がある。

  2021年度使用量等  2022年度使用量等  2022 / 2021年度(%)  2019年度使用量(参考) 
エネルギー使用量(GJ)  26,978  27,104  100.4  26,655 
廃棄物(kg)  62,256  97,749  157.0  91,624 
総排水(㎥)  12,659  10,579  83.57  13,580 
 

◆化学物質の管理
 化学物質管理システムCRIS(Chemical Registration Information System)は全学32 の研究室で使用されており、 高圧ガスや廃液の管理も行っている。

4.環境教育
・1 年次:大学入門科目I による環境・安全教育
・2 年次〜:講義、実習、研究室等で環境教育

5.2023 年度の取組予定
 廃棄物の分別に関する周知と教育、省エネ・省資源の呼びかけや節電パトロール、安全パトロール、薬品管理

6.代表者による評価と見直し
理工学部では、循環型社会の構築のために教育と研究を通して地域及び社会に貢献するという基本理念の下、大学の 環境方針・行動指針に加え、研究科・学部の特性・特色に応じた環境活動を行っている。これまで取り組んできた実験・ 実習における安全確保・環境保全や薬品の管理システムの活用については、学内での先導的役割を果たしている。
 環境目標の各項目に関しては、廃棄物量に関しては増加したが、総排水量については2021 年度に比べて削減するこ とができ目標を達成した。廃棄物量について、建物の改修が関わっていると考えられるが、引き続き省エネなどの環境 活動を継続していく必要がある。廃棄物の分別については、理工学部全体で取り組むべき案件であると考えている。また、 コロナ禍の影響により、大学での生活も変化しているために、状況については今後注視する必要がある。
 そして、これらの目標を達成するために、学生に対しては大学入門科目やオリエンテーションなどを通して環境・安 全教育を実施し、教員に対しては省エネ活動、安全パトロールおよび化学薬品のリスクアセスメントなどを実施して関 係者の意識向上を図っている。さらに、理工学部の建物全てにAED を設置するなど、学生や教職員の安全確保に努め ている。これらの活動を通じて学生及び教職員の環境保全・危機管理に対する意識向上を図ることが、日々の安全・安 心な諸活動のために重要だと考えている。
                                 理工学部長 豊田 一彦



農学部


1.環境方針
◆基本理念
本学部は、循環型社会の構築のために教育と研究を通して地域及び社会に貢献する。

◆行動指針
本学部は、循環型社会の構築のために教育と研究を通して地域及び社会に貢献する。
1)循環型社会へ向けた食料生産・加工・消費システムの教育研究に取り組む。
2)地域との連携のもとに自然環境及び農業生態系保全に努める。
3)循環型社会の構築のため、エネルギー、水使用量及び廃棄物発生の抑制、化学物質管理などに努める。

2.農学部の概要(2023 年 7 月 1 日現在)
農学部は、生物資源科学科の 1 学科 4 コース(生物科学、食資源環境科学、生命機能科学および国際・地域マネジ メント)から構成されており、教職員数 76 名、学部学生数 611 名、大学院生(修士)数 75 名を擁する。建物延べ 面積は 19,542 ㎡である。

3.環境目標とその実績
2022 年度については次のような環境目標を設定した。エネルギー使用量は2021 年度比1%減、廃棄物排出量は 2021 年度実績維持、総排水量は2021 年度比1%減とした。さらに、化学物質管理の一環として環境リスクアセスメ ントを実施するとともに、毒劇物の農薬についてはCRIS 入力による管理、農学部安全委員会衛生委員による保管状況 の巡視を継続して実施することとした。

1)環境目標(2022 年度)

項目(単位)  環境目標  数値 
エネルギー使用量 (GJ)  2021 年度ベースの1% 減  23,331 
廃棄物排出量(一般)(t)
同上(産廃)(t) 
2021 年度ベースの現状維持  9.95
64.84 
総排水(㎥)  2021 年度ベースの1% 減  6,623 
 
2)環境負荷実績(2015 〜 2022 年度)
項目(単位)  2015年度  2016年度  2017年度  2018年度  2019年度  2020年度  2021年度  2022年度 
二酸化炭素排出量 (t-CO2)  1,323  1,373  1,151  975  744  737  892  823 
エネルギー使用量 (GJ)  27,527  27,751  25,768  22,179  21,775  20,534  23,567  21,839 
電気 (kWh)  2,322,792  2,351,307  2,234,849  2,114,631  2,152,945  2,027,727  2,325,719  2,098,500 
都市ガス (m3)  84,033  88,690  64,949  19,121  2,130  1,245  2,023  2,215 
廃棄物排出量(一般)(t)
同上(産廃)(t) 
19.66
11.17 
16.09
11.40 
17.15
35.51 
41.71
33.54 
55.96
16.67 
32.98
12.95 
9.95
64.84 
11.95
87.95 
総排水量 (m3)  8,885  8,643  7,289  7,583  7,079  5,721  6,690  6,468 
コピー用紙使用量 (枚)(kg)  410,000  395,500  342,125  435,000  397,500  295,000  330,500  239,000
(990.6) 
 
3)活動実績
3ー1)エネルギー使用量
 エネルギー使用量(GJ)は、2021 年度比で約7.33% 減であり、目標を達成することができた。内訳は都市ガスが9.49% 増だったものの電気は9.77% 減となった。農学部のガス使用量のうち約2/3 を空調での消費が占めている。近年、電 気式の空調に置き換えが進みつつあるが、講義室についてはガス式の部屋が多く残っている。2021 年度に比べてガス 使用量が増加したのは、対面型講義が増加したことで講義室でのエアコン使用が増えたためだと考えられる。なお、 2021 年度まで行っていた夏季・冬季の節電パトロールについては、コロナウイルスの流行を鑑みて2022 年度は実施 せず、節電及び省エネルギー対策のお願いを学部教職員全員にメールで周知することとした。
3ー2)廃棄物排出量
 廃棄物排出量は、2021 年度比で一般廃棄物が20.1% 増、産業廃棄物が35.6%増加しており、両者をあわせた総廃 棄物排出量では2021 年度比で33.57% 増であった。廃棄物の増加については、農学部2・3 号館改修による引っ越し に伴って多くの廃棄物が出た可能性がある。
3ー3)総排水量およびコピー用紙使用量
 総排水量は、2021 年度比で3.32% 減となり、目標を達成できた。コピー用紙使用量は、2021 年度比で27.7% 減 少した。なお、今年度からは全学共通のデータ資料を使うこととしたため、コピー用紙については全学の集計単位であ るkg 単位の数値を併記した。
3ー4)化学物質管理
 農学部およびアグリセンターのCRIS クライアント数は合計38 であり、CRIS システムを用いた化学物質管理(入庫・ 出庫の度の記録と年度末の化学薬品の在庫確認)が実施されている。さらに、毒劇物に属する農薬をCRIS システムに 登録するよう指導している。
3ー5)その他目標
 EA への取り組み体制の確立、および学生に対する環境教育の促進を目的として、2022 年度は前年度に引き続き以下 の目標にも取り組んだ。1)PDCA サイクルにより、継続的な改善・効率化を図る、2)EA 学生委員会の活動を支援 する、3)省エネ型への機器更新等の予算措置・獲得する、4)佐賀大学生協との連携を図り、ゴミの分別や資源化に 取り組む。なお、環境負荷実績について、昨年度報告書までは農学部独自に抽出したデータを記していたが、今年度か らは全学共通のデータ資料を使うこととした。それに伴って多少のデータの変化があると思われる(例えば2022 年度 の二酸化炭素排出量の場合、全学共通データ資料に基づくと823t であるが、農学部独自の抽出では862t となっている)。

4.教育・研究から環境への取り組み
4ー1)環境に関する教育
 農学部と農学研究科では、多くの講義・演習・実験を通じて環境について学んでいる。また、教養教育科目も提供し ている。環境に関わる講義は31 科目あり、それらの履修者数および参加者の合計は660 名であった。
4ー2)環境に関する講演会・シンポジウム等
 折田亮 助教による2022 年(第14 回)汽水域研究会 佐賀大会のシンポジウム招待公演(1 件、参加者約47 名) が佐賀大学で11 月13 日に実施された。

5. 2023 年度の取り組み
 2023 年度については、2022 年度を基準として次のような環境目標を設定した。エネルギー消費量は1%減、廃棄 物排出量は2022 年度実績を維持、上水使用量は1%減とした。環境リスクアセスメントやCRIS による毒劇物等の管 理を行うとともに、農学部安全衛生委員会委員による農薬保管状況の巡視を継続して実施する。

6. 代表者による評価と見直し
 2022 年度は、基準年の2021 年度実績と比較してエネルギー消費量、電気使用量、総排水量およびコピー用紙使用 量が削減されたが、ガス使用量、廃棄物排出量は増加した。廃棄物については農学部2・3 号館改修による引っ越しに伴っ て多くの廃棄物が出た可能性がある。今後も継続して省エネの呼びかけ活動や化学物質の適切な管理等に取り組む予定 である。
                                       農学部長 鈴木 章弘



附属小学校


1.環境方針
◆基本理念
佐賀大学教育学部附属小学校は、教育と研究を通して地球環境の保全に貢献します。

◆行動指針
◇附属小学校における教育活動
(1)地球環境の保全に資する教育を行い、環境に配慮できる児童を育成します。
(2)学習活動・大学との共同研究など様々な活動において、環境に関連する法律、条例、協定及び規程等を遵守し ます。
(3)地球環境の保全のため、グリーン購入の推進、エネルギー使用量及び廃棄物発生の削減、資源リサイクルなど に努めます。
(4)地球環境の保全のため、地域、保護者との連携を強めます。
(5)環境マネジメントシステムの内容を全ての教職員に周知し、これを継続的に運用して改善を図ります。
(6)児童と大学や附属学校園の環境活動を共有し、地球環境の保全・改善に対する取組への協力と理解を求めます。
(7)総合的な学習、特別活動に環境教育を関連させた活動を仕組み、実践力の向上に努めます。

2.附属小学校の概要
 明治18(1885)年4 月勧興尋常高等小学校を佐賀県師範学校附属小学校に代用後、2020 年に135 周年を迎えて いる。
 教員養成学部の附属小学校として、教育実習の受入や教育研究実践発表など、佐賀県初等教育のリーダー的存在とし て歴史を刻んでいる。
 環境においても、県庁、県立博物館や美術館、県立図書館、佐賀城歴史本丸資料館など文教地区に位置しており、学 校周辺はお堀と四季を彩る美しい自然に囲まれている。
 教職員数:46 名  児童数:児童616 名(各学年3 学級 計18 学級)(2023 年5 月1 日現在)
 1 年:103 名 2 年:101 名 3 年:102 名 4 年:105 名 5 年:101 名 6 年:104 名
 先進的な教育活動はもちろんのこと、環境教育においても、児童会の組織にエコ・クリーン委員会を設置したり、ク ラスの係活動として、電灯のスイッチ係やエコ係などを作ったりして、子どもたちの主体的な環境教育を推進している。 また、保護者も校内明るくします隊(掲示物の作成)、校内きれいにします隊(子どもと一緒に掃除をする)、挨拶運動 協力隊(朝の挨拶運動)、下校時の巡回交通指導など、環境教育や安全教育に取り組んでいる。

3.附属小学校における環境教育
◇児童の自主的な活動
  ① エコ・クリーン委員会
    ・常時活動内容…電気やエアコンの見回り、靴箱や傘棚のチェック、玄関の掃除、掃除の放送             トイレのスリッパ並べ
    ・行事活動内容…エコフェスタ(6月)
            手洗い週間(毎月)
            エコビンゴ(10 月)
  ② 飼育・栽培委員会
    ・常時活動内容 … 飼育小屋の掃除、ウサギのえさやり、花の植栽・水やり
    ・行事活動内容 … 自然愛護的企画(水やり体験、花植体験、えさやり体験)

4.代表者による評価
 年度当初から職員、児童へ啓発し、環境教育に関する組織体制や取組の確認ができたことはよい。
 評価できる点としては、
① 教員の研修:大学のみならず、地域住民から環境教育の機会を積極的に得て児童への教育に活かしている。
② 附属学校の使命として、質の高い教員養成があるが、教育の根幹である「人間性を育む」ことにおいては、掃除 の時間に、職員や教育実習生と児童が一緒に掃除に汗を流している。年長者が自ら率先して清掃活動を行い、その 姿を通して児童に指導を行うことは、心温まる伝統的な本校の姿である。
③ 全校児童の組織(児童会)にエコ・クリーン委員会、各学級にエコ関係の係活動など役割分担するとともに、日 常の清掃活動や全校児童のエコフェスタ等の具体的な活動を通して、環境保全への基礎を培っている。また、環境 をテーマにした作品応募にも積極的に出品し、数多く表彰されている。
④ 保護者には、毎日の下校時に交通安全巡回指導を依頼しているが、校内、校区内の環境教育について、読み聞か せ活動、清掃活動、校内掲示物整備活動、育友会研修会など多様な活動で研鑽を行っている。 ⑤ 新型コロナウイルス感染症予防について考えることを契機に、日頃の自分の生活習慣や生活環境を見つめ直すこ とや、衛生面や環境面に意識が向くような指導に取り組んでいる。
                                      附属小学校長 岩﨑 稔敦

5.参考データ
環境負荷実績(2015、2021 ~ 2022 年度実績)

年度  電気使用量  電気使用量  ガス使用量  ガス使用量  灯油使用量  灯油使用量  エネルギー消費量・
CO2 排出量合計 
エネルギー消費量・
CO2 排出量合計 
上水道
使用量
 
廃棄物
排出量
 
PPC 用紙
使用量
 
2015  126,432kWh  73.84t-CO2  6,193㎥  13.72t-CO2  0L  0.0t-CO2  1,521,512MJ  87.56t-CO2  5,871㎥  12.0t  1.27t 
2021  118,097kWh  43.73t-CO2  10,668㎥  23.64t-CO2  80L  0.20t-CO2  1,644,956MJ  67.57t-CO2  4,604㎥  11.3t  0.74t 
2022  110,787kWh  43.11t-CO2  8,756㎥  19.40t-CO2  240L  0.60t-CO2  1,492,735MJ  63.11t-CO2  4,022㎥  14.8t  0.96t 
 


附属中学校


1.環境方針
 ◆基本理念
 佐賀大学教育学部附属中学校は、教育と研究を通して地球環境の保全に貢献します。

◆行動指針
 ◇附属中学校における教育活動
(1)地球環境の保全に資する教育を行い、環境に配慮できる生徒を育成します。
(2)学習活動・大学との共同研究など様々な活動において、環境に関連する法律、条例、協定及び規程等を遵守し ます。
(3)地球環境の保全のため、グリーン購入の推進、エネルギー使用量及び廃棄物発生の削減、資源リサイクルなど に努めます。
(4)地球環境の保全のため、地域、保護者との連携を強めます。
(5)環境マネジメントシステムの内容を全ての教職員に周知し、これを継続的に運用して改善を図ります。
(6)生徒と大学や附属学校園の環境活動を共有し、地球環境の保全・改善に対する取り組みへの協力と理解を求め ます。
(7)総合的な学習、特別活動に環境教育を関連させた活動を仕組み、実践力の向上に努めます。
(8)地域や保護者との連携を図り、環境教育の推進に努めます。

2.附属中学校の概要
昭和22(1947)年4 月、学校教育法制定により「6・3制」実施の先駆けとして誕生し、2023 年に76 周年を迎 えている。
 教育実習、教育研究実践発表など附属学校として、佐賀県中等教育のリーダー的存在として歴史を刻んでいる。
 環境においても、県庁、県立博物館や美術館、県立図書館、佐賀城本丸歴史館など文教地区に位置しており、学校周 辺はお堀と四季を彩る美しい自然に囲まれている。
 教職員数:29 名   生徒数:429 名(各学年4 学級 計12 学級)(2022 年5 月1 日現在)
 1 年:144 名 2 年:144 名 3 年:141 名
 先進的な教育活動はもちろんのこと、環境教育においても、生徒会の各部が主体となって様々な環境保全活動に取り 組んでいる。

3.環境教育及び環境活動について
(1)本校は、附属中学校環境方針(基本理念と行動指針)のもとに環境教育活動を行っている。

(2)生徒による主体的な環境活動
生徒会名  環境保全に関連する年間活動計画 
環境美化部  「佐賀城公園清掃活動」(12 月)
「緑のカーテン」(6月)、花の苗植え(5月、10 月、3月) 

(3)教職員と生徒のボランティアによる河川清掃(社会貢献)
 佐賀城公園内にある附属中学校には歴史ある小川が流れ、城内公園のお堀に流れ込んでいる。例年、春と秋の年2回、 教職員とボランティアの生徒によって川の清掃活動を行っているが、2020 年度以降はコロナウイルス感染症の影響に より、中止している。

(4)各学年の環境学習及び環境活動
学年  領域  環境学習内容 
1年  社会科

技術科
家庭科(12 月)
 
【アジア・南アメリカ】「地域開発と環境保全、どちらを優先させるべきか」
【世界の様々な地域の調査】「地球温暖化問題に対し、私たちが取り組むべき実践とは」
「社会・環境とのかかわり」(循環型社会、持続可能な社会、3R、5R)
「着なくなった衣服の活用」 
2年  社会科
英語科
保健体育科
技術科
家庭科 
【九州地方】「自然災害への対策を考える」
「Cooking with the sun」(環境問題(エネルギー)に関する読み物資料)
「健康と環境」(水と生活、ごみの処理、環境の汚染と保全など)
「エネルギー資源」(再生可能エネルギー、エネルギー変換効率)
「持続可能な社会の構築(消費生活)」 
3年  理科
技術科
 
「地球の明るい未来のために」(自然・環境と人間の関わり、大切なエネルギーなど)
「生物育成」(残留農薬、合鴨農法) 
 


(5)教職員、教育実習生の環境活動
 教職員は、資源物のリサイクルや節紙、節電、節水、整理整頓を心がけて業務に携わっている。質の高い教員養成学 部の附属中学校として、教職員自ら生徒たちの手本となるよう環境教育活動を推進している。

                   〈佐賀城公園清掃活動〉


         〈緑のカーテン〉

4.代表者による評価と見直し
 本校では、生徒会活動を中心に以下の2 点に取り組んでいる。
①各委員会での佐賀城公園や桜マラソンのコース周辺の清掃活動など評価できる。
②環境問題等の啓発として、生徒の作文やポスターの制作・応募があり、本校の生徒の作品が数多く入賞しているの は評価できる。卒業研究にも環境問題に取り組む生徒も多く見られることは評価できる。
 今後の課題としては、環境教育の内容のさらなる充実と職員と生徒、保護者の環境に対する意識改革・行動化が課 題である。
                                        附属中学校長 真子靖弘

5.参考データ
環境負荷実績(2015、2020 ~ 2022 年度実績)
年度  電気使用量  電気使用量  ガス使用量  ガス使用量  灯油使用量  灯油使用量  エネルギー消費量・
CO2 排出量合計 
エネルギー消費量・
CO2 排出量合計 
上水道
使用量
 
廃棄物
排出量
 
PPC 用紙
使用量
 
2015  106,134kWh  61.98t-CO2  7,434㎥  16.47t-CO2  77L  0.19t-CO2  1,380,653MJ  78.65t-CO2  2,705㎥  12.16t  3.29t 
2020  95,019kWh  29.00t-CO2  11,616㎥  26.00t-CO2  40L  0t-CO2  1,459,386MJ  55.00t-CO2  1,576㎥  5.64t  4.50t 
2021  93,962kWh  35.00t-CO2  13,612㎥  30.00t-CO2  40L  0t-CO2  1,539,016MJ  65.00t-CO2  2,040㎥  12.34t  4.12t 
2022  89,177kWh  35.00t-CO2  12,758㎥  28.00t-CO2  80L  0t-CO2  1,454,932MJ  63.48t-CO2  1,980㎥  107.67t  2.90t 
 


附属特別支援学校


1.環境方針
◆基本理念
 附属特別支援学校は、日々の積み重ねによる具体的な教育実践を通して、「自然を大切にし、環境の保全に寄与する態 度」を(教育基本法第2条第4項)を養い、学校環境の保全に貢献することを目指している。
◆行動指針
附属特別支援学校における教育活動
1)小学部の遊び場・中庭等は、緑化することで心地よい生活空間を作り、四季折々の自然に触れるようにする。
  また、土に触れ、身体を使って思い切り遊べるような環境を整備する。
2)校内に植樹されているモミジバフー、コナラ、クヌギ、桜等の木々を大切にし、その落ち葉を作業学習で活用して いる畑に堆肥として再利用する。また、収穫した野菜等は販売して、ものをつくる喜び、働く喜びを体得する。
3)高等部の作業学習(木工作業、農耕・紙工作業、縫製作業)の授業では、それぞれの授業の特色を出し、生産・販売・ 消費の学習過程において無駄なく環境資源を活用するようにし、職員は企画段階から資源の有効活用を意識する。
4)職員や児童・生徒は、使用していない教室等の電灯、エアコン、パソコンの電源はこまめに切り、不要な電力消費 をしないよう心掛ける。
5)児童・生徒には、日頃から使用後は水道栓を閉めるよう注意を促す。また職員は、花壇や作業学習園(畑)等に散 水するときには予め天気予報を確認し雨天を利用するなど、節水を心がける。
6)紙媒体の印刷に関しては、両面印刷や裏面再利用を行い、紙資源の有効活用を意識する。また、会議資料は、電子 媒体化を進め、更にカラー印刷は必要最小限とする。

2.教育学部附属特別支援学校の概要(2022 年5 月1 日現在)
 教職員数:40 名、児童・生徒数:55 名(小学部児童:18 名、中学部生徒:17 名、高等部生徒:20 名)
 知的障害特別支援学校として、児童・生徒の現在並びに将来の身辺生活・社会生活及び職業生活における適応能力を 育成している。
 
3.環境目標とその実績
 1)環境目標  本校は、特別支援学校環境方針(基本理念と行勤指針)と本校独自の環境目標のもと、特徴的・具体的に下記環境教 育活動を推進する。
◆活動計画
 ①二酸化炭素排出量の削減
○教室内の照明器具や電子黒板、エアコン、職員室のパソコン等は、不在時には必ず電源を切る。(エアコン使用に ついては、2016 年度に設定した使用条件を遵守する。)
 ②総排水量の削減
○手洗いや散水の際は節水を心掛ける。
 ③廃棄物排出量の削減
○資源物の再利用に一層努めるとともに、廃棄物の分別を促進する。
 ④学校環境の保全に資する教育の推進と環境に配慮できる児童生徒の育成
○授業ではもちろんのこと、授業以外の様々な場面で、児童生徒に学校環境の保全に資する教育を行う。

2)活動実績
◆環境負荷実績(2019 ~ 2022 年度実績)
年度  電気使用量  電気使用量  ガス使用量  ガス使用量  灯油使用量  灯油使用量  エネルギー消費量・
CO2 排出量合計 
エネルギー消費量・
CO2 排出量合計 
上水道
使用量
 
廃棄物
排出量
 
PPC 用紙
使用量
 
2019  49,956kWh  18.78t-CO2  1,199㎥  2.66t-CO2  0L  0.00t-CO2  545,142MJ  21.49t-CO2  1,098㎥  77.35t  1.02t 
2020  69,974kWh  22.43t-CO2  395㎥  0.88t-CO2  0L  0.00t-CO2  705,659MJ  22.43t-CO2  2,277㎥  62.38t  1.12t 
2021  91,449kWh  34.20t-CO2  359㎥  0.84t-CO2  40L  0.10t-CO2  916,603MJ  35.04t-CO2  2,045㎥  10.35t  0.95t 
2022  88,365kWh  34.77t-CO2  470㎥  1.04t-CO2  20L  0.05t-CO2  890,559MJ  35.87t-CO2  2,052㎥  10.98t  0.96t 

* 2019 年度の校舎全面改修で浄化槽が撤去されたので、2020 年度から下水道を使用している。

◆小学部環境活動
 ①種をまいて育てたひまわりの苗を近隣の小学校や施設に配布する(毎年)。
 ②花の苗をプランタ-に植え、校内に飾る。
 ③農作物を育てる(ピーマン・トマト・ナス・サツマイモ・キュウリ)。



◆中学部環境活動
 ①紙袋解体作業とビニール袋作成(校内作業の一環で紙袋を解体し、種類ごとに仕分け、入っていたビニールを袋に して再利用する)
 ②学級畑での農作物栽培(畑にたい肥を入れ、土作りを行い、夏野菜、サツマイモ、大根等の野菜を栽培する)
 ③縫製作業(端切れを再利用した裂き織り、手作りマスクやハンカチの制作)
 ④紙工作業(牛乳パックを再利用した和紙づくり)



◆高等部環境活動
 ①紙袋解体作業(紙を再利用するため、紙と油紙、ビニールなどに分ける)
 ②ビニール袋作成(道具を使って、ビニールを袋に加工し再利用する)
 ③紙袋作成(油紙を加工して紙袋として再利用する)
 ④農作業(校内の畑にたい肥を入れ、土を作り、農作物を作る)
 ・ナス、キュウリ、玉ねぎ、ジャガイモ、豆類、大根、ピーマン、とうがらしなどの栽培
 ⑤和紙づくり(牛乳パックを再利用する)
 ⑥さきおりコースターづくり(端切れを再利用する)



4. 代表者による評価と見直し
 本校は知的障害をもつ児童生徒が通う学校であり、一人ひとりの心身の特性に応じた個別の指導を行いながら、学校 全体でも「健康・安全」や「環境保全」に関する取組を実践している。
 改修でも環境保全に効果的な設備が取り入れられ、児童生徒や教職員の環境配慮への意識や数値が向上した。
 2023 年度も次のような取り組みを継続する。
 ○「節水」
・水道水を出しっぱなしにしない(水を大切に使う)など、常時節水を心がけ行動する。
 ○「エアコンの作動時間の短縮」
・体温調節が苦手な児童生徒も多く、エアコンはすべての教室に設置されている。2016 年に校内で策定した「エアコン利用条件(設定温度、使用時間など)」を遵守し、節電に努める。
 ○「紙資源の有効活用」
・両面印刷や裏面の再利用、および会議資料の電子媒体化はほぼ実践できている。
 ○「廃棄物排出量の削減」
・校舎改修により不要物の廃棄処理は一気に進んだ。今後は物品を安易に増やさず、まず再利用を意識する。
                                       附属特別支援学校長 前田修之


附属幼稚園

1.環境方針
◆基本理念
 佐賀大学教育学部附属幼稚園は、園児が将来、自然を大切にできる人に成長できるように、五感を通して自然に触れ、 自然の心地よさ・不思議さ・たくましさ・はかなさを感じることができる環境を整え、職員は環境を大切にし、その姿 を見せる。
◆行動指針
・園における教育活動
1)くすのき・藤・いちょう・ざくろ・さくらんぼなどの園庭のたくさんの樹木や花壇の花を大切にし、木に登ったり、 葉・実・花で遊んだりできる環境を作る。
2)ある程度雑草も残し、虫が住めるようにし、園児が虫と遊べるようにする。
3)メダカ池を存続させ、メダカやタニシと遊んだり、張った氷で遊んだりできるようにし、職員が池を大切にしてい る姿を見せる。
4)うさぎを飼ってかわいがり、園児がえさをやったり抱っこしたりできるようにする。
5)砂場をはじめ園庭で、砂・土・泥・水で思い切り遊び、心地よさを感じられるようにする。
6)クリークで網やしかけで魚やえびを捕まえて遊べるようにする。職員はクリークや周りを清掃する。
7)死んでしまったり、死なせてしまったりした虫や魚や動物たちを見て触り、生命の死を知って心を痛める体験をし、 どうしたら死なせなくてすむか一緒に考える。
8)職員が電気をこまめに消したりしてエコに努め、園児が水道を出しっぱなしにしていたり、色紙や画用紙などを無 駄に使っていたりしたら、「もったいないよね」と声をかけ、「もったいない」という言葉になじみを持たせる。
9)保護者を巻き込んでのエコ活動を考える。
・環境管理活動
1)二酸化炭素排出量・廃棄物排出量・水使用量をできるかぎり削減する。

2.附属幼稚園の概要
 2022 年度、附属幼稚園は、年少(3歳児)組1クラス18 人・年中(4歳児)組1クラス24 人・年長(5歳児)組 1クラス23 人、計3クラス65 人の園児がおり、職員数は非常勤も含めて15 人である。
 本園は、大人から指示されて動くのではなく、子どもが自ら遊びを見つけて遊ぶ、主体的な遊びを中心とした保育を行っ ている。「水」「砂」「土」「泥」「火」「植物」「生き物」などとのかかわりを大切にしている。子どもたちは、日々の遊び の中で、それらの「不思議」にたくさん出会っている。

メラメラ燃える「火の不思議」。水がお湯になり、おいもが蒸し上がる。落ち葉が煙になり、 ほくほくの焼き芋ができる。


さなぎからアゲハチョウに羽化。「命の不思議」に触れる。

3.その実績
◆環境目標
・二酸化炭素排出量(2016 年度実績を維持)
・廃棄物排出量(2016 年度実績を維持)
・総排水量(水使用量)(2016 年度実績を維持)
・環境教育の充実(自然に親しみ、いのちや地球を大切にできる人を育てる。また、保護者も巻き込んで、自然を大切 にする取組を行う)

(職員)
 こまめに部屋の電気を切る。水の出しっぱなしを見つけたら止める。書類はできるものは両面印刷し、園内の文書は 裏紙を使う。段ボール・空き箱など、子ども達が遊んだものも分解して分別ごみに出してリサイクルを心がける。

(保護者)
 子どもの持ち物に記名し、物を大切にする姿を子どもに見せるように呼びかける。
 保護者に園で取り組めるエコ活動のアイディアを呼びかける。
 育友会活動(環境部)で、年長クラス窓側にフウセンカズラの苗を植え、グリーンカーテンをつくっていただいた。
また、おじぎ草やラベンダーなど、五感を使って楽しめる花壇をつくっていただいた。

(園児)
 大人は、紙・水などの節約を推し進めるが、園児に対してはあまり制限を与えない。思い切り活動ができなくなるか らだ。むしろ、水や砂や泥で思い切り遊んで、幼児期にその心地よさを身体で味わっておくことが、将来、水や土を大 切にできる人に成長できると考えられる。もちろん、水道の栓があけっぱなしになっていたり、あまりにも無駄遣いだ と思われる時には、栓を止めたり、出る量を減らしたりして、「もったいないよね」と声をかけている。
 子ども達に、「まだ使える紙入れ」の紙や、空き箱や廃材を使っていろいろな物を作って遊ぶことを提案する。子ども 達は、片付けの際、自分達で「まだ使える紙入れ棚」に入れる姿も見られ、分別する意識も見えてきた。
 うさぎを飼っている。メダカ池にいるヤゴやカエルなどを小さな網ですくったり、チョウやトンボを虫取り網で捕ま えたりもした。
 芋掘り遠足として、農学部のアグリセンターへ行った。子ども達は、固い土に苦戦しながらも芋を折ってしまわない ように、大事そうに土を掘っていた。丁寧に掘って、芋を無事に収穫できたときのとびきりの笑顔が印象的だった。ア グリセンターで掘った芋は家へ持ち帰り天ぷらやふかし芋、芋ご飯などに調理してもらいおいしく食べた。また、園で も芋を育てた。育てた芋を焼き芋にするために、市村記念体育館周辺へ落ち葉を拾いに行った。公園では、つむじ風に 舞う落ち葉を見て、「葉っぱが追いかけっこしている」などと、かわいいつぶやきが聞かれた。集めた落ち葉を園に持ち 帰り、焼き芋を作った。今年度は、コロナウイルス感染症予防として間隔をとり、焼いた芋をおいしくいただいた。  最近の幼児は、マンションに住み、テレビやビデオなどのバーチャルな世界しか知らない場合が多い。視覚だけでなく、 におい・音・手触り、そして食べるということ・五感を通して自然に触れることを、本園では、幼いこの時期にこそしっ かりと身体全体で感じて欲しいと考えている。子ども達が、将来、自然を大切にする大人へと成長してくれることを願っ ている。

(園庭)
 2018 年度までの研究テーマ『自然』に支えられた保育」にちなんで、引き続き園庭には雑草も生えている。様々な 草花があるので、園児が自ら遊びを見つけ出すことができる。また、チョウやバッタなどたくさんの虫が集まってくる 環境にもなっている。

4.代表者による評価と見直し
 自然に親しむ教育・食に関する取組はできている。職員の裏紙利用は定着した。職員の意識をより高め、保護者にも 協力を呼びかけて、電気・ガス・水道・廃棄物・PPC 量の削減に日々の教育活動で最大限努力している。しかし、 2016 年と比べると電気使用量とエネルギー消費量CO2 排出量合計、上水道使用料等の数値が上がっている。これは、 2021 年度から預かり保育を実施していることと、コロナウイルス感染症対策として、空気清浄機の使用や窓を開けた まま冷暖房を使用したこと、コロナ禍のため制限をかけていたプール遊びを再開した結果だと考える。園児が自然に親 しむことを大切にする方針や、園児の健康・安全面を考慮した環境づくりの点で、これ以上の数値の削減は困難な状況 であるが、小さなところから意識をもって取り組んでいきたい。
                                       附属幼稚園長 岩永 圭子

 砂場に水を流すと、まるで本物の川みたいに 山をけずってどんどん流れていく。「土や水の 不思議」


トランポリンカバーにできていた氷が太陽に あたってどんどん溶けていくよ。「氷の不思議」 を感じている。


ムクロジの皮をつぶして混ぜてみると真っ白 な泡ができた。「植物の不思議」に触れる。

5.参考データ
環境負荷実績(2016、2019 ~ 2022 年度実績)
年度  電気使用量  電気使用量  ガス使用量  ガス使用量  灯油使用量  灯油使用量  エネルギー消費量・
CO2 排出量合計 
エネルギー消費量・
CO2 排出量合計 
上水道
使用量
 
廃棄物
排出量
 
PPC 用紙
使用量
 
2016  12,695kWh  6.5t-CO2  74㎥  0.16t-CO2  0L  0t-CO2  128,129MJ  6.6t-CO2  650㎥  2,660t  406t 
2019  17,580kWh  5.6t-CO2  163㎥  0.36t-CO2  0L  0t-CO2  180,163MJ  6.0t-CO2  783㎥  4,692t  227t 
2020  20,434kWh  7.0t-CO2  29㎥  0t-CO2  0L  0t-CO2  202,174MJ  7.0t-CO2  670㎥  2,887t  206t 
2021  31050kWh  11.6t-CO2  53㎥  0.12t-CO2  0L  0t-CO2  307.612MJ  11.0t-CO2  579㎥  3,380t  283t 
2022  30617kWh  10t-CO2  46㎥  0t-CO2  0L  0t-CO2  303.040MJ  10.5t-CO2  679㎥  4,556t  288t