佐賀大学プロジェクト研究所(SUPLA)
Saga University Project Laboratories

■医療教育デジタルトランスフォーメーション開発プロジェクト

プロジェクト名称 医療教育デジタルトランスフォーメーション開発プロジェクト
(Medical Education Digital Transformation Project Laboratory, Saga University)
 プロジェクト長 医学部 小田 康友
 構 成 員 小田康友、末岡榮三朗、福森則男、森本忠嗣、上野雅也、鈴木智惠子、河野史、佐藤珠美、米満潔、島ノ江千里
外部:鮫島輝美、合田友美
 研究テーマ 医・看護・薬学部生および地域医療に従事する医療者の臨床技能を向上させるためのxR技術を活用した医療教育DXの開発
 研究概要
【研究内容】
 良質な医療人を育成するためには医学・看護学・薬学の知識とともに、実践に即した臨床技能の教育も必須である。臨床技能を教育するために、 模擬患者やシミュレーターを活用した教育の有効性が証明されている。デジタル技術の進歩により、xR (xReality) 技術を用いて臨床技能を擬似体験することで実践的な臨床技能を学習して、 医・看護・薬学生の臨床技能の向上や地域医療に従事している医療者の再教育への活用が期待できる。さらには、今般の感染症のパンデミック等の理由により、実際の医療現場で十分なトレーニングが できない状況においても活用できる可能性がある。
本プロジェクトは、医・看護・薬学生の臨床技能の向上や地域医療に従事する医療者を対象とした医療業務の再教育に活用できるxR技術を用いた 医療教育機器の開発および教育コンテンツの開発による医療教育のDX (Digital Transformation) 化を目的とする。さらに、医療教育DX開発の基盤構築により、他学部や他校での応用が期待できる。

【研究計画・方法】
PJ-1 3Dバーチャル解剖台アナトマージ®を活用した基本的診療診察手技の向上
バーチャル解剖台を活用して、身体診察に必要な人体の解剖学を誰でも簡便に持続的に学習する環境をつくることで、診療技術を向上する教育コンテンツを開発する。

PJ-2 PJ-2 XR(VR/AR)を利用した医学教育と手術支援
• 3Dホログラムで作成した患者個別の疾患像をもとに、手術シミュレーションを行い、手術解剖および術式の理解向上や技術の改善の程度について検討
• 高精度アクションカメラ(360度カメラ、術者目線の記録)で撮影した手術を、没入感・臨場感の高いVRゴーグルで視聴した場合の学習効果の評価
• ARによるホログラムベースの手術ナビゲーション

PJ-3 AR (Augmented Reality) による看護実践能力育成のための看護技術コンテンツの開発
• ARによる人体の3D構造アプリで人体の構造を立体的に理解できる教育方法・評価方法を検討する
• 臨床看護学(小児看護学演習)に関連したアプリソフトを導入し、Oculus Quest2などのVRとARを用いて個人ワークでの看護技術演習を実施する。
• 他大学チームと看護アセスメント能力や実践能力育成のための教育方法・教育効果測定を検討する。

PJ-4 VR (Virtual Reality) 活用による地域薬剤師、薬学実習生に対するリカレント教育及び臨床研修への取り組み
VR導入により薬剤師の臨床研修(特に抗がん剤調製)の質を向上させる。Holoeyes XRでVRアプリを作成し、抗がん剤調整前に頭部搭載型ディスプレイを用いて仮想空間内で調整前準備を観察し、薬剤の調整手技を教育する。

【今後の発展性】
 今後は、xRを用いた気管内挿管や手術手技などの侵襲性の高い医療行為や看護技術(助産学・小児看護学など)、医療事故対応学習などのコンテンツやソフトを作成する。また、学部生教育にとどまらず、地域医療や介護領域の現場で 活躍している医師、看護師、薬剤師のリカレント教育に活用することで、各専門職としての実践能力の向上に向けた活用が期待できる。

■プロジェクトのホームページへリンク