佐賀大学プロジェクト研究所(SUPLA)
Saga University Project Laboratories

■災害関連死をゼロにする地域連携プロジェクト

プロジェクト名称 災害関連死をゼロにする地域連携プロジェクト
(Institute of Zero Disaster related Death through Community Resilience Project Laboratory, Saga University)
 プロジェクト長  医学部  阪本 雄一郎
 構 成 員 小網 博之、木庭 真由子、鳴海翔悟、原めぐみ、鈴木、智恵子、古川 祐太朗
 研究テーマ 災害関連死を防ぎ地域防災力の向上をはかる。
 研究概要

 日本の避難所はプライバシーもなく、環境も劣悪であり、海外では難民キャンプよりも酷な環境であると揶揄され、 避難所生活による災害関連死が後は絶たない。人々の健康への悪影響も考慮すると、速やかな改善をしなければならない。 しかしながら実際に避難所を運営するのは自治会や消防団、住民達である。統制された自治会や町内会は日本特有であり、 彼らにグローバルスタンダードの防災と災害対応を周知することで佐賀の地方自治体から世界中へ「住民による自主防災の ロールモデル」を発信することができるかもしれない。
 行政により小学校区単位の自治組織に災害の実践本部が置かれた際に地域住民による自助・共助・互助ができるような体制作りを 整える。日本全国の自治体のロールモデルとなるような福祉と安全、そして深部静脈血栓症による災害関連死をゼロにするために 配慮した避難所運営力と衛星通信などの新しい技術を取り入れた汎用性の高い地域防災力を備えることを目的とした研究を行う。
 佐賀市と自主防災組織協定を結んでいる赤松校区の街づくり協議体に研究協力を依頼している。佐賀市に赤松校区を始めとし佐賀市内の 小学校区自治体全体に佐賀大学として地域防災力向上のための研究プロジェクトで関わっていくことを提案する。プロジェクトテーマは ①深部静脈血栓症をゼロにする取り組み②避難所運営力向上③災害時につながる地域防災の輪の3つである。
 準備段階の最初の1年間は①の達成のために、佐賀県が2013年に結んだ全国段ボール協会との災害協定を頼りに段ボールベッドの配置訓練を 小学校区単位の地域で行う。佐賀大学病院高度救命救急センターは血液凝固・DICを専門にしているために、病院内でのDVTの有病率調査 からはじめ、地域での超音波機械や血液検査データを用いた巡回DVT健診のための実現可能性を検証する。まずは震災環境において深部静脈 血栓症、肺塞栓症が発生するメカニズムを究明するための研究を行う。TEG6sやClot Proなどの血液凝固検査機器を用いながら急性期血栓形成の 予測ができないかを検証する。②の達成のために防災力向上のための住民対象の災害講義を各災害専門家より行う。各自治体の避難訓練に大学、 NGOが参加する。また③の達成のために外部関係機関、市役所、公民館、避難所の顔合わせを行い、協議体ネットワークをオフラインで構築 する。同様にピカピカリンクを用いたネットワーク構築のための薬局・特別医療食品の提供企業と、災害対策NPO法人やSPF、CivicForce、 DMATと顔合わせをオフラインで行い、協議体を構築する。
 事業加速段階(2年目)では①の達成のために健常者やハイリスク集団(トラック・タクシー協会)の深部静脈血栓症の有病率調査を行う。 また避難所におけるDVT精査のための簡易検査技術の検証を行う(TEG6S、Clot Proを用いる)。佐賀大学本学や民間機関と共同で車中泊用 DVTリスク警告アプリを作成する。②の達成のために地域の避難訓練において外部機関、アドバイザーとして佐賀大学高度救命救急センター (他の専門家も)が参加する。NPOと大学が防災のための連携協定を締結する。③の達成のために公民館と外部機関のオンライン会議を平時から 運用していく。また公民館のDX化の必要性や可能性についての協議を行う。公民館への衛星通信設定を検討・開始する。佐賀市と佐賀大学が連携協定を締結する。
 社会実装段階(3年目)では①では避難所・車中泊者への巡回DVT健診の訓練を行う。②ではピカピカリンクを用いて薬局と医薬品供給システムが機能するかの実証訓練を行う。 自治体との佐賀大学の連携協定を締結する。③ではピカピカリンクと衛星通信ネットワークを<用いて避難訓練で患者情報を用いて包括的に機能するかを検証する。佐賀県と佐賀大学が連携協定を締結する。
詳細は各ポンチ絵の下記項目を参照。
① 深部静脈血栓症をゼロにする取り組み
・簡易段ボールベッド
・下肢静脈血栓症巡回健診プロジェクト
・車中泊者向けのDVTリスク警告システム
② 避難所運営力向上
・避難所運営
・北川副―赤松―高木瀬校区―佐賀大学 連携図
③ 災害時に繋がる地域防災の輪
・ピカピカリンクと繋ぐ医薬品供給システム
・災害時につながる地域防災の輪
・未来のDX地区防災の姿

■プロジェクトのホームページへリンク