産学連携で開発 高齢者が自ら押すみまもりボタン「いろどり+ボタン」 2026年4月から佐賀県営城北団地の30世帯で実証試験開始

 

佐賀大学医学部の研究グループと株式会社永和システムマネジメント(福井県福井市)は、産学共同研究により一人暮らしの高齢者の方のみまもりデバイス「いろどり+ボタン」を開発しました。2026年4月5日より佐賀市高木瀬町の県営城北団地で30世帯を対象にした実証試験を開始します。実証試験の結果を踏まえ、年内に有用性の有無を判断し、問題がなければ2027年度のサービス開始を予定しています。

 

【研究グループ】
 研究代表者:佐賀大学医学部救急医学講座 阪本雄一郎 //同救急医学講座 古川祐太朗 /
       耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 山本大誠 / 佐賀大学医学部医学科3年生 森一真
 共同研究者:株式会社永和システムマネジメント さきのこと

【サービスの名称と特徴】
 いろどり+ボタン(商標出願準備中) (サービス提供元:株式会社永和システムマネジメント)

  
           ▲試作機画像です

■ どんな課題を解決するか
日本では一人暮らしの高齢者が急増し、2025年時点で約737万世帯に達しています。特に孤立死(内閣府高齢社会白書による定義:孤立死は誰にも看取られることなく息を引き取り、相当時間放置されるような悲惨な死)は地域の深刻な問題であり、警察庁の令和6年報告で死後4日以上経過して発見されたのが31,843件であり、そのうち約8割が65歳以上高齢者であり、人々の尊厳を守るための見守りサービスの必要性が年々増している。

■ どのようなサービスなのか
従来の見守りは「センサーが高齢者の異常を検知して自動的に通報する」受動型が主流でしたが、高齢者の方にとっては「常に監視されている」感覚や多機能化による高価格から導入を拒む高齢者も少なくありませんでした。

今回開発した「いろどり+ボタン」はこの発想を逆転させ、高齢者自身が毎朝起床したタイミングでボタンを押して、高齢者を見守る自治会長や担当民生委員、家族に「元気です!」を知らせる能動型の見守りサービスです。これまでの市販の呼び出しボタン(居酒屋等でテーブルに置かれているもの)を用いた1年間の実証研究では参加者の92.9%が「今後も続けたい」、71.4%が「負担でない」と回答し、継続しやすさが確認されており、このことからも社会の繋がりの再構築に寄与する画期的なシステムです。今回の共同研究では、市販の呼び出しボタンを使用した際に見出された課題を改善し、見守り活動に特化した機器を初めて開発しました。

 

■ 使い方と主な機能

【基となった研究成果の概要】
本開発は、佐賀大学が佐賀市内の同一県営団地で約10年にわたり積み重ねてきた実証研究と団地の皆様との信頼関係に基づいています。研究成果は第84回・第85回日本公衆衛生学会で研究グループにより発表されました。

これら2段階の研究成果をもとに、株式会社永和システムマネジメントとの産学連携で、従来の無線式からLTE通信内蔵のデバイスと、見守り情報をデータ化し、進化させた「いろどり+ボタン」を製品化しました。

 

【実証試験の概要】

開始日・期間

2026年4月5日(日)より約6か月間

場所・規模

佐賀市高木瀬町 県営城北団地 30台・30世帯

今後の予定

早ければ2027年度よりサービス開始

 

【社会的意義・PRしたい特記事項】
・孤独・孤立対策推進法(2024年4月施行)と方向性が合致し、「地域住民 × 大学 × 企業」の三者連携モデルとして、佐賀市の実証から全国の中山間地域・地方都市のあらゆる世帯への普及を目指します。
・見守り機能にとどまらず、緊急時の一斉通知機能(災害・避難指示)も備え、要配慮者への平時見守りから地域防災にも活用できる設計です。

 

【本件に関する問い合わせ先】
≪研究内容・みまもり事業についての問い合わせ≫
佐賀大学医学部附属病院 救急医学講座
担当者:古川祐太朗 連絡先:sakamoy@cc.saga-u.ac.jp
ホームページ:https://hope8pa9fs.wixsite.com/mysite

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