学長挨拶

「実践智で未来を拓く」
佐賀大学は、1949年の創立以来、地域に根ざし、世界に開かれた教育と研究を使命として歩んでまいりました。現在、教育学・理工学・農学・経済学・医学・芸術地域デザイン学の六学部を備え、幅広い学問領域を通じて人材育成と学術研究を推進しています。
「実践智で未来を拓く」。単なる知識の習得にとどまらず、社会に役立ち、課題解決に活かす力を育むことが佐賀大学の使命です。未曽有の変革に直面する時代にあって、柔軟な発想と協働の力をもつ人材の育成が求められており、佐賀大学は、学部から大学院に至るまで一貫した教育を通じ、実社会と直結した学びを提供してまいります。
研究においても、多彩な成果を挙げています。有明海の環境再生や農産物ブランド化を通じた農学研究、放射光(シンクロトロン)を活用した先端研究、海洋エネルギーをはじめとする再生可能エネルギーの開発、さらには経済・教育・芸術文化を基盤とした地域振興など、本学ならではの取り組みは、地域課題の解決に直結すると同時に、世界的にも重要な意義をもっています。今後も文理融合研究や異分野連携をさらに推進し、社会に新たな価値を創出してまいります。
佐賀大学はまた、「地域共創」を大切にしています。人口減少や高齢化といった地方の課題に向き合い、行政・産業界・市民と連携しながら教育・研究・医療・文化を通じて地域社会の持続的発展に貢献しています。附属病院は高度先進医療と地域医療を担い、農学や芸術教育活動は地域に新たな活力をもたらしています。
国際的な展開も重要な柱です。これまでアジアを中心とした多くの大学と交流協定を結び、留学生の受け入れや学生の海外派遣を積極的に進めてきました。今後は国際共同研究を拡充し、佐賀大学で学んだ学生が世界で活躍し、その成果を地域に還元できる基盤を築いてまいります。
佐賀大学は、これからも地域に根ざしつつ、世界に貢献する大学として挑戦を続けてまいります。学生の夢を育み、研究者の挑戦を支え、地域とともに未来を創る。その歩みを進めるにあたり、これまで佐賀大学を支えてくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げるとともに、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
佐賀大学学長 野出 孝一
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