佐賀大学医学部・木村晋也教授が、「日本血液学会賞」を受賞!

 佐賀大学医学部内科学講座(血液・呼吸器・腫瘍内科)の木村晋也教授(63歳)が、2025年度「日本血液学会賞」を受賞しました。日本血液学会は1937年創設、日本の血液研究を統括する唯一の学会で、本賞は日本血液学会で最も権威ある賞です。毎年、血液学の進歩に顕著な功績を残した研究者1名のみに贈られます。授賞式は2025年10月10日に神戸市での学術集会で行われ、12日には受賞講演、23日には同受賞に関し佐賀県庁で山口知事を表敬訪問しました。
 木村教授は、長年にわたり慢性骨髄性白血病(CML)を中心に血液がんの研究を続け、基礎から臨床まで幅広い成果を挙げてきました。研究の初期には、血液のすべての細胞をつくり出す「造血幹細胞」に関する重要な発見を行い、その後はCML治療薬である「チロシンキナーゼ阻害薬」の効果が限界に達する問題を乗り越えるため、新たな治療法や薬剤の開発を推進しました。
 さらに、経口投与が可能な新薬デシタビン誘導体「OR-2100」の開発、自動で遺伝子変異を解析する装置の実用化などにも尽力し、診断と治療技術の進展に大きく貢献しました。
 また、CML患者の半数では原因遺伝子が消失すれば第2世代のチロシンキナーゼ阻害薬をやめても再発しないことを世界に先駆けて実証し、さらに薬を5分の1に減量しても十分効果があることを明らかにしました。これらの成果は欧米の一流誌に掲載され、国際的な診療ガイドラインにも採用されるなど、世界の治療方針に直結するものとなっています。
 こうした研究は、新薬を生み出す「創薬」と、既存薬をより効果的に使う「育薬」の両面で血液学を前進させ、患者の生活の質向上に大きく寄与しました。その独創的で実践的な姿勢が高く評価され、今回の受賞につながりました。

 

【本件に関するお問い合わせ先】
 佐賀大学医学部内科学講座 血液・呼吸器・腫瘍内科
 木村晋也
 〒849-8501 佐賀市鍋島5-1-1
 TEL: 0952-34-2366、FAX: 0952-34-2017、E-mail: shkimu@cc.saga-u.ac.jp

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