ICCROM夏期セミナー「文化財の保存と科学のためのコミュニケーションと教育スキル 2019」を開催

 9月9日~9月20日,佐賀大学有田キャンパス等において,ICCROM夏期セミナー「文化財の保存と科学のためのコミュニケーションと教育スキル 2019」が開催された。

 このセミナーは,UNESCOにより設立された国際政府間機関ICCROM(国際文化財保存修復センター)が毎年,イタリア・ローマで開催していたもので,日本での開催は初めてのことである。

 今回は,エジプトやエチオピア等16ヵ国からの16名に加え,佐賀県から3名が参加し,「箱の外で考える」をテーマに文化遺産の保護と継承を教える教育スキルの向上をめざして研修を行った。

 参加したフィリピンのロンメル・アキノ氏は「フィリピンは日本と同じく海に囲まれており,台風が発生するベルト地帯に位置し,地震も多発する。2013年の地震では20の文化遺産が破壊され,そこを巨大台風が直撃した。特に情報を必要とする地方に配慮し,子供むけのeラーニング教材を開発したい」と述べた。

 有田町は歴史的建造物保存地区,史跡,自然環境,有形,無形の文化財と博物館,資料館,をそなえた文化遺産のコンパクトシティである。国際機関との連携は,小さな町を世界に近づけ,ゼロウエーストによる運営やコミュニティー参加による人材教育というこれからの教育の方向性を実践的に示すものとなった。

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