理工学部数理・情報部門の掛下 哲郎 准教授が 「大学におけるデータサイエンス専門教育の現状」および「IFIP IP3での資格制度を対象とする国際認定」と題した2件の招待講演を情報処理学会・第86回全国大会で行います
【概要】
理工学部数理・情報部門の掛下 哲郎 准教授が、2024年3月15日(金)に神奈川大学にて開催される情報処理学会 第86回全国大会にて「大学におけるデータサイエンス専門教育の現状」および「IFIP IP3での資格制度を対象とする国際認定」と題した2件の招待講演を行います。
【本文】
数理・情報部門の掛下 哲郎 准教授が、2024年3月15日(金)~17日(日)に神奈川大学・横浜にて開催される情報処理学会 第86回全国大会にて2件の招待講演を行います。
1件目は、企画イベント「これからの大学における一般情報教育とデータサイエンス教育」での「大学におけるデータサイエンス専門教育の現状」と題した招待講演です。掛下准教授は情報処理学会データサイエンス教育委員会の委員長として、データサイエンス・カリキュラム標準(専門教育レベル)の策定に取り組むとともに、データサイエンス専門教育を行っている学部・学科の調査を行っています。本講演では、これらに関する現状を報告します。また、本イベントでは、一般情報教育やデータサイエンス教育に関する最新の調査報告の他に、パネル討論「2025年以降の大学における一般情報教育とデータサイエンス教育の将来像」も予定されています。
2件目は、企画イベント「高度IT技術者の国際標準が間もなく定まる:新ISO/IEC 24773のIS化とIFIP IP3での国際認定制度」での「IFIP IP3での資格制度を対象とする国際認定」と題した招待講演です。掛下准教授は、国際標準化機構(ISO, International Organization for Standardization)と国際電気標準会議(IEC, International Electrotechnical Commission)の合同によりIT全般の国際標準化を扱う第1合同技術委員会(JTC1, Joint Technical Committee 1)のもと、ソフトウェア技術およびシステム技術を扱う第7副委員会(SC7, Subcommittee 7)に設けられたワーキンググループの1つであるWG20委員として、ソフトウェア技術者資格に関する国際標準ISO/IEC 24773の策定を主導してきました。また、掛下准教授は、情報系専門学会の国際連合IFIP IP3 (International Federation for Information Processing, International Professional Practice Partnership)のStandards and Accreditation Council co-chairとして、IFIP IP3での資格制度を対象とする国際認定についての取組みや、情報処理学会でのCITP制度(認定情報技術者)の取り組みを推進しています。
本講演では、ISO/IEC 24773の国際規格(IS)化とIFIP IP3での資格制度を対象とする国際認定について紹介します。また、本イベントでは、 ISO/IEC 24773と関連の深い取り組みに関する最新情報の他に、パネル討論「ISO/IEC 24773に基づく国際的相互承認とその意義」も予定されています。
日時、会場、講演概要等の詳細は下記のとおりです。奮ってご参加ください。
記
イベント名 :これからの大学における一般情報教育とデータサイエンス教育
講演題目 :「大学におけるデータサイエンス専門教育の現状」
講 演 者 :理工学部 数理・情報部門 掛下 哲郎 准教授
((一社)情報処理学会 データサイエンス教育委員会 委員長)
日 時 :2024年3月15日(金)9:30~11:30(講演は10:00~10:30)
場 所 :神奈川大学・横浜 第1イベント会場
ホームページ:https://www.gakkai-web.net/ipsj/86/event/html/event/B-5.html
講演要旨 :
データサイエンス教育委員会では、日本国内のデータサイエンス学部や学科などを調査し、専門教育の内容を分析しました。本講演では、その結果について報告します。文部科学省による数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度の認定を受けた教育プログラムは、リテラシーレベルで382件、応用基礎レベルで147件あります(令和5年8月時点)。これらは共通教育として2~4単位程度の規模でデータサイエンス教育を提供しています。
一方、我々の調査では、データサイエンス分野の専門教育を行っている大学の22の学部や学科などを対象とします。これらの学部や学科の卒業要件に基づいて履修計画を立案し、それに合わせてシラバス(授業計画)を収集しました。その後、生成AIを活用して、情報処理学会データサイエンス・カリキュラム標準とシラバスに記載された教育内容を比較しました。
イベント名 :高度IT技術者の国際標準が間もなく定まる:新ISO/IEC 24773のIS化とIFIP IP3での国際認定制度
講演題目 :「IFIP IP3での資格制度を対象とする国際認定」
講 演 者 :理工学部 数理・情報部門 掛下 哲郎 准教授
(IFIP IP3 Standards and Accreditation Council co-chair)
日 時 :2024年3月17日(日)13:20~15:20(講演は13:45~14:05)
場 所 :神奈川大学・横浜 第4イベント会場
ホームページ:https://www.gakkai-web.net/ipsj/86/event/html/event/B-3.html
講演要旨 :
IFIP IP3(International Federation for Information Processing, International Professional Practice Partnership)は、15年間にわたり、IFIPのメンバー学会が運営する情報分野の資格制度に対する認定を行い、その国際的な信頼性を確保する取り組みを行っています。現在、ISO/IEC 24773シリーズの改訂作業が大詰めを迎えており、IFIP IP3では、メンバー学会などが新しいISO/IEC 24773に適合していることを認証する仕組みについて検討しています。デジタル社会の進展が進み、生成AIなどの新技術も続々と生まれている状況において、ISO標準に資格を保有することで国際的にも通用する能力を持ったデジタル技術者の重要性はますます高くなることが期待されます。そのため、IFIPメンバー学会以外も認定対象に含め、従来のボランティアベースの運営を改める計画です。本講演では、IP3における取り組みの状況を解説し、オンライン技術やLLMを積極的に活用することで、審査に要する活動の自動化を進める取り組みについても報告します。
【本件に関する問い合わせ先】
佐賀大学理工学部総務
電話 0952-28-8513