2014/ 9/30会見 ニーマンピック病C型に対する新しい治療について
ニーマンピック病C型に対する新しい治療について
ニーマンピック病C型(NPC)は細胞内のコレステロール転送障害により、失調やけいれん、知能障害、嚥下障害
などの進行性の中枢神経障害と肝臓・脾臓の腫大などを呈する難病です。いまのところ症状の進行を止める治療法が
ありませんでしたが、私たちは熊本大学薬学部の入江徹美教授らとの共同研究で5年前から同疾患の4歳女児に対し
てシクロデキストリンという環状のオリゴ糖を用いた治療に取り組んできました。
当初、点滴静注での治療を行いましたが、病気の進行を止めることはできなかったため、3年前から脳室内投与に
切り替えたところ、有効性が確認され、今回専門医学雑誌「Molecular Genetics and Metabolism Reports 1(2014)
391-400」に9月20日付けで掲載(電子版)されました。
シクロデキストリンのヒトでの有効性を証明した世界初の報告です。