第23回日本ワクチン学会において若手奨励賞を受賞

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 ロタウイルス胃腸炎は,乳幼児の嘔吐下痢症の代表格の疾患です。ロタウイルスに感染すると,下痢や嘔吐を認め重症になると脱水症状などで入院が必要になる場合もあります。日本では2011年にロタウイルス胃腸炎の重症化を予防するためのワクチンで赤ちゃん専用の内服するワクチンが発売されました。しかしながら,日本の他の多くのワクチンと異なり「任意接種」という位置付けであり,接種するかの判断は,各家庭の判断となっていました。

 

 本学の 荒木 薫 助教は,ワクチンが発売された2011年,小児科医として実際に医療現場で勤務しており,適切な情報を赤ちゃんの保護者や医療者に届けたいとの思いで,2014年から「ロタウイルスワクチンの有効性評価、すなわち,このワクチンを打つことで実際どのくらいの効果があるのかを評価する研究を始めました。海外では,個人が接種したワクチンの情報は公的に登録されますが,日本のロタウイルスワクチンは「任意接種」であるため,各個人の接種情報を包括的に把握することは不可能です。よって,日本でロタウイルスワクチンの有効性を評価する疫学研究を行うことは困難を伴いましたが,佐賀県や福岡県の医療機関と協力し、病院を受診した患者さんの情報や便を集め,「症例対照研究」という疫学的な手法をとり,このワクチンが特に入院や点滴を必要とする重症なロタウイルス胃腸炎には著しく高い効果を認めることを発表しました。

 

 先日,2020年10月1日よりロタウイルスワクチンが「定期接種」(無料)となることが厚生労働省より発表されました。これにより,本ワクチンについては、より多くの方が関心を持つことになります。本報告は,日本におけるロタウイルスワクチンの有効性として貴重なものであると判断され,2019年11月30日,12月1日に東京で開催された「第23回日本ワクチン学会」において若手奨励賞を授与しました。

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【本件に関するお問い合わせ先】

  佐賀大学保健管理センター

  佐賀大学ダイバーシティ推進室 電話 0952-28-8393

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