医学系研究科博士課程3年生が日本計算機統計学会「学生研究発表賞」を受賞
この度,佐賀大学大学院医学系研究科博士課程3年 田尻 涼 さんが日本計算機統計学会第35回大会において「学生研究発表賞」を受賞しましたのでお知らせします。
【受賞者】
医学系研究科博士課程3年 田尻 涼(たじり りょう)
【受賞した賞の名称】
学生研究発表賞
【受賞先】
日本計算機統計学会
【賞の概要】
日本計算機統計学会では2006年度に,統計に関わる研究者・専門家を志す学生の育成・奨励を目的として「学生研究発表賞」(Student Presentation Award) を創設しました。
これは,大会・シンポジウムで優れた論文発表を行った学生会員を,審査により表彰するものです。
【受賞した日】
2021年6月3日
【受賞した研究の題目】
異種脳画像統合解析のためのネスト成分法
【発表の概要】
医療において,CTやMRIなどで撮像される脳画像を用いた脳疾患の診断が行われています。この診断とは,脳画像における白黒の濃淡変化を疾患特有か否か判別することですが,疾患によってはわずかな変化しか現れず,単一画像では診断が困難なことがあります。これの解決のために多機種脳画像の統合解析が行われます。私たちは,画像を数値データとして扱い,統計学的なアプローチによる解析技術の研究を行いました。
今回提案したネスト成分法は,多機種脳画像の加重平均を計算し被験者毎に得点化し,この得点が高ければ正常,低ければ疾患,として個々人の疾患判別を行う方法です。特に機種間の相関構造を入れ子的(ネスト)に新たに利用することで,より精度の良い疾患の診断ができるような得点の計算に成功しました。提案法が疾患によるわずかな変化を捉えることで,脳画像を用いた診断精度の向上や疾患の早期発見につながると期待されます。
【本件に関する問い合わせ先】
佐賀大学 医学部 生物統計学・生物情報学分野
教授 川口 淳
TEL 0952-34-2202
E-mail akawa@cc.saga-u.ac.jp