先進健康科学研究科の学生が 第24回XAFS討論会学生奨励賞を受賞
先進健康科学研究科学生が以下のとおり受賞しましたのでお知らせいたします。
【受賞者】
佐賀大学大学院先進健康科学研究科 修士課程1年 丸岡 早紀(まるおか さき)
【受賞した賞の名称】
学生奨励賞
【受賞先】
第24回XAFS討論会
*XAFS 討論会
X線吸収微細構造(XAFS)及び関連現象に関する理論、解析方法、実験技術、基礎及び応用研究を討論主題としたXAFS討論会を毎年開催しています。
【受賞した日】
2021年9月2日
【受賞した研究の題目】
急速凍結XAFS法による低温適応無機ピロホスファターゼの温度特性機構の解明
著者:丸岡早紀1、馬込栄輔2、瀬戸山寛之2、河本正秀2、堀谷正樹3、渡邉啓一3
1佐賀大学大学院先進健康科学研究科、2佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター、3佐賀大学農学部
【受賞につながった研究内容】
低温適応酵素である低温適応無機ピロホスファターゼは活性中心に遷移金属を持ちます。この遷移金属の種類を変換させると酵素自身の熱安定性や酵素活性の強さが変化します。受賞者はX線吸収微細構造(XAFS)法、急速凍結法によって亜鉛、コバルト
結合時の活性中心の微細構造変化を検出することに成功し、活性中心の金属イオンが酵素全体の性質を変化させる仕組みの一端を解き明かしました。
【その他PRしたい特記事項】
活性中心の金属イオンを変化させることで酵素全体の性質が変化する例はあまり報告されておらず、そのメカニズムは不明でした。XAFS法で酵素を測定することは一般的に困難だと考えられていましたが、今回の成果でそれが可能になり、金属イオンが酵素全体に与える影響を解析することに成功しました。佐賀LS*を利用した本手法は様々な生体高分子への応用も可能であることから、地元産業や幅広い分野への貢献も期待されます。今後は受賞研究をより発展させ、酵素の性質の変換について精密に解析していきます。
*佐賀LS:佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター
【教員活動DBのリンク先】
指導教員 農学部 助教 堀谷 正樹
https://researcher.admin.saga-u.ac.jp/details/166
【お問い合わせ先】
農学部 助教 堀谷 正樹
horitani@cc.saga-u.ac.jp