佐賀県と佐賀大学、及び佐賀県酒造組合の共同研究について

 佐賀県と佐賀大学、及び佐賀県酒造組合は、「佐賀県独自の醸造微生物及びそれらの分離育種に関する研究」に関する共同研究の実施及び成果の取扱いについて、共同研究契約を締結しました。

 清酒、焼酎、味噌、醤油といった我が国独自の発酵食品は、麹菌(Aspergillus oryzae等)、酵母菌(Saccharomyces cerevisiae等)や乳酸菌(Lactobacillus sakei等)といった微生物の代謝を利活用して製造されています。これらの発酵食品は全国的にほとんど同じような原料・製法で製造されていますが、地方ごとに香味の特色があります。そのため、各地の産学官の研究機関では、地域の特色を活かした発酵醸造微生物の育種に取り組んでいます。特に清酒は各県で独自の酵母として『県酵母』の開発が行われており、佐賀県では佐賀県工業技術センターが開発した酵母を『佐賀酵母』として頒布し、県内蔵元で使用されています。また、佐賀大学農学部では悠々知酔酵母を用いており、佐賀大学オリジナル清酒『悠々知酔』が県内蔵元にて製造されています。

 佐賀県では、佐賀県酒造組合を中心として、県産酒の高品質化,ブランド化が取り組まれており、製造に関与する醸造微生物に関する知見は、県産酒に含まれる特徴的な成分に大きく関与するため、他県産酒との差別化に非常に重要です。また、佐賀県工業技術センターはさがほのかから、佐賀大学農学部は有明海からそれぞれアルコール発酵能を有する酵母を分離しており、それらの酵母を用いた酒類が商品化されています。酒造業界には、特徴ある佐賀酵母の育種に加え、佐賀県と関連深い分離源、例えば蔵付酵母などを分離し、佐賀県にしかない酵母の分離のニーズがあります。

 そこで、本研究では佐賀酵母,悠々知酔酵母及びこれから分離育種開発する酵母等の醸造微生物の分子遺伝学的特徴と代謝工学的特徴を明らかにすることを目的としています。

 

【本件に関するお問い合わせ先】

  佐賀大学農学部 教授 小林元太 電話 0952-28-8779

 

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