経済学部 浅川慎介 助教「学会誌『行動経済学』第6回アサヒビール最優秀論文賞」受賞

【内容】
 経済学部の浅川慎介 助教が、2023年12月9日(土)に行動経済学会 第17回大会(高知工科大学)において、「学会誌『行動経済学』第6回アサヒビール最優秀論文賞」を受賞しました。

【受賞論文】
Asakawa, S. (2021). Can Child Benefits Shape Parents’ Child-rearing Preferences in Japan? Effects of Child Benefit Policy Expansions. Journal of Behavioral Economics and Finance, 14, 26-46.

【論文の要旨】
 本研究では、2010年に導入された子ども手当政策(児童手当政策の拡充)が、子どもの保育・教育環境に対する親の選好に与えた政策効果を検証しました。分析の結果、低所得世帯で13歳未満の子どもを持つ親はより良い保育環境を選好した一方で、高所得世帯で小学生(7~12歳)の子どもを持つ親は、保育環境に対する優先順位を下げる代わりに、より良い子どもの教育環境を選好することが明らかになりました。これらの結果から、世帯所得や子どもの年齢によって、児童手当の拡充が親の保育・教育環境に対する選好に与える影響が異なることが示唆されます。本研究から得られる政策的な含意は、政府が補助金政策(例: 児童手当)を拡充する際には、政策目的に基づいて対象世帯を慎重に選択し、世帯間で保育・教育機会の格差が拡大しないように制度設計する必要があるということです。

参考:行動経済学会HP(http://www.abef.jp/prize/asahi/

 

【本件に関するお問い合わせ先】
 佐賀大学経済学部 助教 浅川慎介
 T E L:0952-28-8386(浅川研究室)

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