佐賀大学理工学部における女子枠の新設について

これまでの経緯

 佐賀大学は、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が公募した「令和5年度大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)」の選定、及び大学の収容定員の増化に係る設置計画の認可により、理工学部の入学定員を2024年度(令和6年度)に30人(前期日程22人、後期日程8人)増員しました。同事業では、多様な学生の確保に向けた取組を行うことが求められており、本学では申請書に「理工学部で5人程度の女子枠入試を検討し、2025年度(令和7年度)入学者選抜から実施する」と記載し、これまで検討を進めてまいりました。

 

女子枠を新設する理由

 Society 5.0、超スマート化社会の実現など、今後ますます理工系の人材が社会で活躍する機会が増えることが予想されています。日本は科学技術立国として国際社会において、今後も重要な役割を果たす必要があり、イノベーションや変革を推進する優秀、かつ多様な人材を育成する役割が理工系に期待されています。これからさらに技術革新を進めていくためには、多様な考え方を取り入れつつ、従来の枠にとらわれない柔軟な発想が求められます。一方、日本の理工系人材においては、男子が多いのが一般的であり、女子比率は国際的水準に比べても低いため、多様性に欠ける状況であることは否めません。すなわち、これからの理工系人材育成においては理工系女性を増やし、イノベーション共創においてさらに女性の活躍が必要不可欠となります。
 佐賀大学理工学部は、最先端の知識と技術を持つ研究者・技術者の育成を目的としており、さらに上述の観点から、女子学生の積極的な受け入れを目指しています。理工学部はこれまでに、内閣府男女参画局や佐賀大学ダイバーシティ推進室が開催するイベントやセミナーに関わり、女子学生の理工系進学を促す活動を行ってきましたが、女子学生がさらに理工学部に進学しやすい環境を整える必然性があるとの結論に至りました。そこで新たに15名の女子枠を設けて、女性の入学を推進します。これにより入学者の2割が女性となり多様性を向上させ、さらに大学院博士前期・後期課程への進学を促して高度人材を育成し、科学技術の発展に寄与できる人材の育成を目指します。
 この女子枠の設け方については、適切な評価基準を設けることで公平性を保つとともに、高度な理工系専門人材を育成するための機会均等を提供することを目指します。なお、この枠組みは、女性の理工学分野への参加を奨励するためのものであり、男子学生の機会を制限するものではありません。
 私たちの目指す方向性は、ジェンダーに関係なく、それぞれの学生が自身の能力と関心に応じて学べる環境を提供することです。この選択は、多様性の確保という観点からも重要であり、それぞれの視点や経験が混ざり合うことで、より革新的で包括的な解決策を見つけ出すことが可能となります。
 選抜方法等の詳細については、2024年(令和6年)6月中に公表予定の入学者選抜要項にて公表します。

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学学務部入試課
 電話 0952-28-8178
 E-mail contact@mail.admin.saga-u.ac.jp

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