医学部地域医療科学教育研究センター医学教育開発部門 山下駿特任准教授が、第120回日本内科学会総会・講演会において発表した演題「感染性心内膜炎予測モデルの精度向上研究：多施設後ろ向き症例対照研究」が第37回内科学会奨励賞を受賞しました。本演題は第120回日本内科学会総会・講演会において、プレナリーセッションにも選出されました。
　本研究では、山下特任准教授らが先行研究で開発した、発熱の原因が不明な症例の中から感染性心内膜炎の可能性を見積もる診断予測モデルを、佐賀大学医学部附属病院（佐賀県）、順天堂大学医学部附属順天堂医院（東京都）、東邦大学医療センター大森病院（東京都）、獨協医科大学病院（栃木県）で検証し、どのような症例に適応するとさらに精度が高まるかを調査しました。本予測モデルは、どのような病院でも容易に取得できる5項目で構成された非常に簡便なモデルであり、検証の結果、4大学病院でも高い精度を示しました。加えて、心臓弁膜症の手術を受けたことのない症例に適応することで、その精度がさらに向上することが明らかになりました。
　本研究の結果を受け、感染性心内膜炎の診断予測モデルの精度を更に向上させ、適応範囲を市中病院にも広げるべく、現在、日本全国の18病院（7大学病院、11市中病院）で多施設前向き研究を実施しています。（本研究はJSPS科研費23K14739（若手研究）の助成を受けたものです。）

関連論文のリンク

感染性心内膜炎の診断予測モデルの検証研究論文（受賞研究）
Yamashita S, Tago M, Tokushima Y, et al. Evaluation of a Previously Developed Predictive Model for Infective Endocarditis in 320 Patients Presenting with Fever at 4 Centers in Japan Between January 2018 and December 2020. Med Sci Monit. 2023; 29: e939640. doi: 10.12659/MSM.939640.

感染性心内膜炎の診断予測モデルの開発研究論文
Yamashita S, Tago M, Motomura S, et al. Development of a Clinical Prediction Model for Infective Endocarditis Among Patients with Undiagnosed Fever: A Pilot Case-Control Study. Int J Gen Med. 2021; 14: 4443-4451. doi: 10.2147/IJGM.S324166.

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