駐日欧州連合(EU)代表部 ジャン=エリック・パケ大使が佐賀大学を訪問し、「世界におけるEUの役割」について特別講演

【概要】
国立大学法人佐賀大学(学長:野出 孝一、以下「本学」)は、2025年12月9日(火)、駐日欧州連合(EU)特命全権大使であるジャン=エリック・パケ閣下をお迎えしました。本訪問は、日欧間の学術・研究交流の深化および学生のグローバルな視野の涵養を目的として行われました。
パケ大使、カトリーヌ=ティロー・パケ大使夫人ら一行は、本学の野出 孝一学長を表敬訪問しました。懇談において野出学長は、本学が掲げるビジョン「実践智で未来を拓く」を紹介するとともに、スペインのアルメリア大学やオーストリアのウィーン工科大学など、EU域内の大学とのこれまでの教育・研究交流の実績について言及しました。また、有田キャンパスにおける交換留学プログラム「SPACE-ARITA」を通じた芸術分野での交流にも触れ、今後の更なる連携強化への期待を伝えました。パケ大使からは、EUが実施しているHorizon Europe*の紹介があり、日欧間で研究者及び学生の交流が活発になることが期待されると述べられました。
続いて、学生を対象としたパケ大使による特別講演会を開催し、「The EU in the world and EU-Japan Relations(世界におけるEUの位置付けと日欧関係)」と題された講演では、EUの概要と価値観や国際社会におけるEUの役割、日欧関係の深化について講演され、学生に対して、留学プログラム等の紹介による欧州への留学メッセージをいただきました。会場に集まった学生たちは熱心に耳を傾け、講演後には活発な質疑応答が行われました。
訪問の締めくくりとして、国際展示ルームにて本学が誇る独自の研究活動の紹介が行われました。2025年4月に設置された生物資源教育研究センターの後藤 文之 センター長より、有明海や佐賀平野の地域資源を活かした「山から海まで一気通貫」の農水産研究について説明しました。また海洋エネルギー研究所の池上 康之 所長が、OTEC(海洋温度差発電)教育装置を用いて、その発電の仕組みやエネルギーの複合的利用について、実演を交えて解説しました。また、池上所長が直近のCOP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)において基調講演を行った実績など、本学の研究が国際的な気候変動対策・脱炭素社会の実現に向けて積極的に関係している現状についても紹介がありました。
本学は、今回のパケ大使のご来訪を契機として、EU諸国の大学・研究機関との連携を一層深め、地域課題の解決と地球規模の持続可能性(SDGs)に貢献する教育研究活動を推進してまいります。
* 研究とイノベーションのためのEUの主要プログラム

パケ大使(左)と野出学長(右)

パケ大使ご一行と野出学長ら出席者

パケ大使による講演
パケ大使と本学学生

生物資源教育研究センターについて説明を行う後藤生物資源教育研究センター長(右奥)

海洋温度差発電について説明を行う池上海洋エネルギー研究所長(左)
【本件に関する問い合わせ先】
学術研究部 研究推進課 国際企画室
TEL: 0952-28-8166 mail: kokusai@mail.admin.saga-u.ac.jp


