パラオ共和国大臣を迎え、2027年の海洋温度差発電(OTEC) 稼働に向けた協力関係を強化

【概要】
佐賀大学海洋エネルギー研究所は、2026年3月26日から27日にかけて、沖縄県久米島にて「第1回国際島嶼GXモデルアカデミックサミット」を開催しました。本サミットに先立ち、野出孝一学長は、パラオ共和国のスティーブン・ビクトル農林水産環境大臣を賓客に迎え、ランチミーティングを開始しました。2024年より外務省及びJICA、そして佐賀大学の技術支援のもとで進められてきたパラオでの海洋温度差発電(OTEC)導入計画を背景に、意見交換が行われました。
野出学長は冒頭の挨拶において、ビクトル大臣を美しい久米島の地に迎えられたこと、パラオ関係者が海洋温度差発電(OTEC)によって得られるエネルギーと発電後の海洋深層水を多目的に活用する産業を組み合わせた「久米島モデル」を既に視察されたことに対し、深い謝意を表明しました。野出学長は午後のサミット準備のため中座となりましたが、この歩みがパラオと佐賀大学の新たな協力の礎となることへの強い期待を語り、ホスト役を池上康之海洋エネルギー研究所長へと託しました。
ランチミーティングでは、久米島産の食材を用いた地元料理を囲み、終始和やかな雰囲気の中で対話が進められました。ビクトル大臣は、パラオと久米島が非常によく似た景観を持つ点に触れ、人口規模や離島特有のエネルギーコスト、物流の制約といった共通の課題について深く共鳴されました。現在、パラオでは食料の約80%を輸入に頼っており、燃料価格の高騰や気候変動によるサンゴ礁への影響が死活問題となっています。これに対し大臣はOTECによるエネルギー確保と、発電後の深層水を利用した持続可能な食料生産を両立させるシステムの社会実装が、パラオを含む小島嶼開発途上国の課題を根本から解決する可能性を高く評価しました。
午後のサミットにおいてビクトル大臣が登壇し、「技術の導入は単なる利益追求に終わるのではなく、地元の小規模事業者を保護し、利益をコミュニティに還元する包括的な政策や環境・社会・ガバナンスが不可欠である」と力説されました。大臣はサミットでの発言を終えた後も島内の関連施設を精力的に視察され、当日のうちに久米島を離れました。
滞在時間はわずか一日という短いものでしたが、実地での確認とサミットでの議論を通じ、OTECを核とした社会変革に向けたビジョンを両者で共有する極めて充実した訪問となりました。

ビクトル大臣(写真左)と野出学長(写真右)

歓迎のあいさつを述べる野出学長 お礼を述べるビクトル大臣

施設見学の様子 久米島町内の施設案内をする中村副町長(写真左)らとの記念撮影
【本件に関する問い合わせ先】
佐賀大学 学術研究部 研究推進課国際企画室長(矢田)
TEL: 0952-28-8166 Email: kokusai@mail.admin.saga-u.ac.jp


