佐賀大などの最新のノリの研究を総まとめした解説を発表

研究者
  代表者:佐賀大学農学部 助教 吉田和広

〇 【研究成果の公表媒体(論文や学会など)】
    ・掲載雑誌名:藻類 74号 77–83頁
    ・発表論文題名:光合成の目で見る紅藻スサビノリとその機能性成分
    ・著者:吉田和広(佐賀大学農学部)

〇 活動の目的・背景
 佐賀県が誇る有明海は、海苔の一大産地です。ノリ研究はこれまで収量増加や食味向上や品種開発や養殖技術の高度化を中心に発展してきました。一方、最近の有明海では赤潮の頻発によって、「ノリの色落ち」が深刻な被害を引き起こしています。気候変動に伴う海水温の上昇や養殖期間の短縮も予測されており、色落ち問題は今後さらに深刻化することが懸念されています。私たち佐賀大学農学部では、様々なノリの研究を実施してきました。そこでノリ研究の最新知見をまとめ、ノリ養殖の現場へと還元したいと思っていました。

〇 活動の詳細
 そのような現状に佐賀大学農学部はノリの色やビタミンなどの有用成分の研究を進めてきました。今回発表した論文では、「ノリを光合成生物」としての視線から、佐賀大学農学部をはじめ、最新のノリ研究をまとめて、総説を論文として発表しました。光合成研究に従事してきた著者の視点から、スサビノリを産業的な海藻としてではなく、1種の紅藻としての生物学的な姿から見つめ直し、光合成とそれに関わる色素・機能性成分に着目することで、ノリの潜在的な可能性や色落ちノリを新規の高付加価値化についても述べています。提言もの含む今後の課題に新たな示唆を与えることを目的としています。

〇 期待される成果/今後の展望
 ノリ漁師さんは夜半から朝方まで大変なご苦労でノリを生産しています。一方、赤潮発生によるノリの色落ちにより生産額が十分でないこともあります。最新のノリ研究により、ノリの潜在的高付加価値な機能性成分を健康食品や化粧品などの製品化のポテンシャルもあるため、ノリに関する新たな産業創出にもつながる可能性もあります。本総説を広く読んでいただき、ノリ養殖の未来を見据えていきたいです。

 本研究は、科研費23K14008・23K11390および佐賀大学「地域みらい創生プロジェクト」の支援を受けて実施されました。

【本件に関する問い合わせ先】
佐賀大学農学部 吉田和広 sv8269@cc.saga-u.ac.jp

 

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