令和4年度佐賀大学・小城市交流事業特別展 「佐賀藩と小城藩-本家と分家の複雑な関係-」開催について

 「藩」とは、大名が領地を支配する組織のこと、もしくはそれに領地・領民をあわせた意味があります。さらに「大名」は、おおよそ「将軍に直属し、1万石以上の領地を持つ」と説明されます。

 小城藩は、佐賀藩初代藩主鍋島勝茂の長男元茂が、祖父・直茂の隠居料(領地)や勝茂から分与された領地をもとに、一家(小城鍋島家)を立てたのが始まりです。3代元武から、幕府のさまざまな課役をつとめました。課役は幕府から小城藩が直接指名されて課せられたため、小城藩・小城鍋島家は「将軍に直属」していたことになります。

 一方で、将軍との主従関係をもっとも明快に示すのは、領地の宛行(あてがい)です。ふつう大名は将軍から領地を拝領し、その代わりに大名としてのつとめを果たします。ところが小城鍋島家の領地は佐賀藩主から拝領しており(小城藩の石高は、佐賀藩の石高に含まれた)、この点をみれば、小城鍋島家はあくまで佐賀藩主の家臣であり、小城「藩」と呼ぶのは適当ではないかもしれません。

 このように、幕府(将軍)―佐賀藩(鍋島本家)―小城藩(小城鍋島家)の関係は複雑で、それ故にさまざまな問題が起こりました。今回の展示では、こうした佐賀藩と小城藩の複雑な関係について、佐賀大学附属図書館所蔵小城鍋島文庫などの史料を用いて紹介します。

 

会 期:11月5日(土)~12月18日(日)(月曜日・11月23日休館)
    午前9時~午後5時

会 場:小城市立歴史資料館 企画展示室(小城市小城町158-4 桜城館2階)

入場料:無料

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学地域学歴史文化研究センター 教授 伊藤昭弘
 TEL・FAX:0952-28-8378
 E-mail:itouaki@cc.saga-u.ac.jp

戻る

TOP