佐賀県内の幼稚園・保育所等における発達障害の可能性のある子どもへの支援に関するアンケート調査の結果報告

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佐賀県内の幼稚園・保育所等における発達障害の可能性のある子どもへの支援に関するアンケート調査の結果報告について

 

 大学コンソーシアム佐賀の5つの連携校(代表校:佐賀大学)は、平成24年度から、佐賀県や佐賀県教育委員会をはじめとする県内7つのステークホルダーと協働し、「大学間発達障害支援ネットワークの構築と幼保専門職業人の養成」(文部科学省「大学間連携共同教育推進事業」採択)に取り組んでいる。

 平成25年度は、養成プログラムを修了した学生100名に対して、「子ども発達支援士(基礎)」(大学コンソーシアム佐賀認定)の資格を認定し、就職者の92%が、幼稚園・保育所・認定こども園・小学校・児童養護施設に入職した。養成プログラムと就職先の強い結びつきを示している。

 また、各校が有する支援・療育の専門性を連係させ、「大学間発達障害支援ネットワーク」を構築し、養成プログラム受講学生が支援・療育補助(支援実習Ⅰ)を行う場として活用すると共に、平成25年度 延べ550名、平成26年度 延べ560名(平成26年11月末時点)の幼児・児童等に対し、継続した支援・療育活動を実施している。

 今回の報告では、上記取組の一環として、佐賀県内の幼稚園・保育所等における「発達障害の可能性のある子ども」※1への支援の現状や、支援に必要とされる幼稚園教諭・保育士の資質や能力等を明らかにすることを目的に実施したアンケート調査(平成25年9~11月実施、回収率40.2%)の結果について公表する。

 担任の約70%が対人関係やこだわり、気持ちのコントロール、言葉などの面で気がかりな子どもを現在担当していると回答した。また、その子どもたちへの支援において、学生時代に身につけておくべきこととして「発達障害に関する知識」と「発達支援の実習等の実践」、現職としての研修ニーズとして、「発達障害の対応方法」と「保護者への対応や家庭との連携」という回答が多かった。

 本調査の結果を、ステークホルダーと共有しながら、養成教育・卒後指導・現職研修のあり方、更には、大学・療育機関等が連携した支援・療育のあり方について検討を進める上での指針として、広く活用していきたいと考える。

 最後に、本調査後、いくつかの幼稚園や保育所を対象に実施した聞き取り調査によって、「わが子に発達障害があるとわかり,大変勉強された親御さんもおられ、園と共に子どもさんを育てている」というような、保育者と保護者の間に「共に育てる関係」が築かれている例が見受けられた。本取組が波及し、発達障害に限らず、障害のある子どもたちへの社会的な理解が一層進み、保護者の不安が少しでも軽減されることを強く望む。

 

 ※1)本調査における「発達障害の可能性のある子ども」とは、すでに発達障害の診断のある子どもと、発達障害の疑いがあると思われ、保育者が言語・コミュニケーション・行動等で特に気になる点がある子どもを含んでいます。

 

 

 

 

 

【お問い合わせ先】 大学コンソーシアム佐賀事務局(佐賀大学教務課内)TEL:0952-28-8930

 E-mail: consojim@mail.admin.saga-u.ac.jp  取組HP: http://www.saga-cu.jp/khs/

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