ムササビ(佐賀県・情報不足種)の生体を県内で初めて確認しました
ムササビ(佐賀県・情報不足種)の生体を県内初確認 九州北西部(福岡県西部、佐賀県、長崎県)での生息確認は47年ぶり
ムササビ(齧歯目リス科)は,本州・四国・九州の低地から亜高山帯に分布する日本固有種です。樹上性リス類の中では比較的
絶滅のおそれは低いとされており,環境省のレッドリストには記載されていませんが,九州北西部では過去の記録が極めて少なく,
佐賀県では情報不足種,長崎県では絶滅危惧ⅠA類に指定されています。福岡県でも背振山地における確実な生息記録は知られて
いません。
今回,佐賀大学のCOC事業(地(知)の拠点整備事業コミュニティ・キャンパス佐賀アクティベーション・プロジェクト地域
志向教育研究「佐賀・有明地域における希少野生生物の生態に配慮した環境保全」)の一環として,佐賀大学農学部の学生と佐賀
自然史研究会のメンバーらが連携して県内で樹上性小型哺乳類を調査した結果, 八幡岳 (唐津市) の標高約450m付近に設置
したカメラで2015年8月14日にムササビが撮影されました。
これは,生息地が特定できる生体の確認情報としては佐賀県初の記録で,九州北西部では,長崎県における昭和43年
(1968年)確認以来47年ぶりの記録です。
本成果は,2017年12月31日発行の哺乳類科学(日本哺乳類学会)に掲載されます。
【本件に関するお問い合わせ先】
佐賀大学農学部 准教授 徳田 誠
電話 0952-28-8792