生理学的血管不全診断基準の策定

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【研究の背景】

 我々は2006年に世界に先駆けて,血管障害の包括的な概念である『血管不全』という概念を提唱しました。

 『血管不全』には,血管内皮,血管平滑筋,および血管代謝における機能不全が含まれており,それらの異常を早期に発見し,適切に治療介入することにより,血管を健やかに保ち,ひいては心血管病の予防につながると期待されます。

 しかし従来,『血管不全』を臨床の場において適切に診断するための診断基準が設定されなかったため,『血管不全』の社会への普及が十分ではありませんでした。

 そこで,今回,日本血管不全学会が,臨床の場で広く普及している血管内皮および血管平滑筋の機能を簡便に測定するための生理学的検査(FMD,RH-PAT,PWV,CAVI)において,『血管不全』を診断するための基準値を策定し,本年10月にHypertension誌に発表しました。

 

【今後の展開】

 今後,この診断基準を社会へ普及させると同時に,それを用いた臨床研究などを通じて,心血管病の先制医療へ広く活用していきます。

 

【本件に関するお問い合わせ先】

佐賀大学医学部循環器内科

教授 野出 孝一

電話 0952-34-2364

 

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