豊臣秀吉が築いた名護屋城に関する初めての学術専門書 『肥前名護屋城の研究-中近世移行期の築城技法-』の出版

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宮武正登全学教育機構教授が『肥前名護屋城の研究―中近世移行期の築城技法―』を出版(吉川弘文館、2020年3月31日)しました。

 

日本の城郭の歴史から見た名護屋城に関する、初めての学術書の刊行
安土桃山時代の終わり頃に、豊臣秀吉が起こした朝鮮出兵(1592~97)の大本営として、現在の佐賀県唐津市に築かれた名護屋城は、当時の国内では大坂城に次ぐ規模の巨大城郭であった。

その周囲には全国から参集した戦国大名150家の陣所が林立し、海岸線には軍需景気に沸き立つ一大城下町まで成立した。事実上、佐賀県へ「首都」機能が移動する事態が起きていたのである。

現在、国の特別史跡(※国宝と同格)「名護屋城跡並びに陣跡」として保護されているこの巨大遺跡を主題として、県・市町が過去に実施した発掘調査データや、莫大な数の古文書・古記録、古地図類の再分析を通じて、城郭研究の最先端の視点から、日本史上最大の軍事基地「名護屋」の総合的検証を行ったのが本書である。

あわせて、日本特有の歴史遺産である「城郭」の完成過程において、名護屋城と大名陣所が与えた建築・土木面での技術的影響の大きさを論じ、その歴史的意義の再評価を試みている。

これまで、名護屋城に関する調査報告や一般書、単発の論文は世に出ていたが、歴史学上の専門書としてはこれが初めての刊行となる。

 

本書の概要 (B5版・全278ページ)

序 章  研究の視点と目的  

  • 名護屋城の成立とその構造
  • 名護屋城下町の特徴と都市史上の意義
  • 大名陣所の実態と系譜

―中近世における臨時要塞の発展史―

  • 豊臣系城郭の普請技術と名護屋城

終 章  今後の研究課題

 

   

 

 

 

 

【本件に関する問い合わせ先】

佐賀大学全学教育機構 教授 宮武正登

T E L:0952-28-8919

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