アゲマキガイの遺伝的集団構造が明らかに! 〜有明海には遺伝的に異なる2つの集団が存在〜

 佐賀大学の「地域の農水圏生物生産・利用技術等の高度化プロジェクト」において、折田亮らの研究グループは、有明海佐賀県沿岸域に棲息するアゲマキガイを対象に、ゲノムレベルでの集団解析を世界で初めて実施しました。その結果、有明海に棲息するアゲマキガイには、遺伝的に異なる2つの集団が存在することが新たに明らかになりました。本研究の成果は、アゲマキガイの遺伝的多様性に配慮するという新たな知見を提供することで、本種の資源増殖に貢献する研究成果になると期待されます。本成果は、英国の科学雑誌「Scientific Reports」誌(ネイチャー・リサーチ社)に4月8日付けで掲載されました。

 

【研究成果の公表媒体】

 掲載誌名: Scientific Reports(ネイチャー・リサーチ社)

(2021年4月8日オンライン掲載)

 論文タイトル: Genetic diversity and population structure of razor clam Sinonovacula constricta in Ariake Bay, Japan, revealed using RAD-Seq SNP markers

 

【研究者】

 代表者:折田亮1

 分担者や協力者:永野幸生 2、川村嘉応1、木村圭1、小林元太1

 1: 佐賀大学農学部、2:佐賀大学総合分析実験センター

 

【今後の展開】

 本研究で明らかになったアゲマキガイの2集団を判別できるDNAマーカーの開発に、佐賀県有明水産振興センターと共同で取り組む予定です。集団の判別マーカーが開発されることで、野外の個体や生産する種苗の遺伝的集団を考慮した資源増殖ができるようになることが期待されます。

 

 なお本研究は、佐賀県有明水産振興センターよりサンプルや情報を提供頂きました。

 

 

【教員活動DBのリンク先】

 折田 亮

 https://research.dl.saga-u.ac.jp/profile/ja.3330822c1632a7af.html

 

【本件に関するお問い合わせ先】

 佐賀大学農学部 助教 折田 亮

 電話 0952(28)8763

 電子メール ss7427(at)cc.saga-u.ac.jp

戻る

TOP