令和4年春の叙勲で荒牧軍治佐賀大学名誉教授が瑞宝中綬章受章

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 令和4年春の叙勲受章者が4月29日付けで発表され、本学名誉教授の荒牧軍治先生が教育研究功労により瑞宝中綬章を受章しました。同氏は昭和18年福岡県生まれの現在78歳。昭和41年3月に九州大学工学部土木工学科卒業後、同大学大学院工学研究科修士課程を昭和43年3月に修了、昭和46年3月に同大学大学院博士課程を単位取得退学しました。同年4月に佐賀大学理工学部に講師として着任し、昭和49年5月に同助教授、昭和62年4月に九州大学より工学博士の学位取得後、昭和63年7月に佐賀大学教授に昇任しました。佐賀大学着任後、平成21年3月末までの38年間という長きに亘り教育・研究に尽力し、平成21年4月に佐賀大学名誉教授となりました。

 荒牧先生は、専門の構造力学、地盤工学だけでなく、力学、数学といった専門基礎教育にも力を注ぎ、学生から高い評価を受けました。また、全学出動の教養教育や英語による修士課程教育にも率先して参加し、同氏の指導を受けた卒業生、修了生は自立した技術者として現場の第一線で指導的な役割を果たしています。博士の学位論文では、無限境界を有する波動問題・逆解析問題に大きな威力を発揮する解析法である境界要素法の発展期に、弾性問題と浸透問題の連成問題であるビオ型圧密理論の解析に関して大きな成果を挙げるとともに、阪神淡路大震災以降は佐賀平野の軟弱地盤などの軟弱地盤免震効果を考慮した耐震設計への有効性を明らかにし、佐賀低平地における耐震設計の在り方に一石を投じています。

 組織運営として、同氏は佐賀大学の学寮問題に他学部の委員とともに取り組み、大きな混乱もなく解決に導きました。そして、全学出動方式の教養教育システムの確立、情報処理センター運営、低平地防災研究センター・情報科学科・文化教育学部・生体機能システム制御工学独立専攻の新設や佐賀医科大学と佐賀大学との統合問題に積極的に取り組み大きな成果を挙げました。在任中は、情報処理センター長、学生部長、評議員、低平地研究センター長、副学長、有明海総合研究プロジェクト長などの要職を務め、本学の管理運営に貢献しました。

 また、同氏は社会活動、地域活動などにも積極的に参加し、有明海・八代海総合調査評価委員会委員、佐賀平野大規模浸水危機管理検討会座長、有明海沿岸道路環境影響評価技術検討委員会委員長、佐賀市都市計画審議会会長など数々の要職を務め、平成19年には「環境保全功労者」として環境大臣表彰を受賞しています。

 以上の通り、荒牧軍治先生は、佐賀大学及び社会・地域の発展に尽力し多大の貢献をされたことが認められ今回の受章となりました。

            
              叙勲の賞状を本学職員が届けた際の荒牧先生ご本人が受け取った写真(6月3日)

 

【本件に関する問い合わせ先】
  佐賀大学理工学部教授
   大串 浩一郎
  TEL:0952-28-8686
  FAX:0952-28-8699

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