理工学部都市工学科建築・都市デザインコースを令和4年3月に卒業した西村 奏波さんが国際共同研究で2021年度建築九州賞研究新人賞(日本建築学会九州支部)を受賞!佐賀大学理工学部卒業生で初の快挙

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 理工学部都市工学科建築・都市デザインコースを令和4年3月に卒業し,現在,理工学専攻建築環境デザインコース博士前期課程1年の西村 奏波さん(指導教員:三島 伸雄 教授)が,2021年度建築九州賞研究新人賞を受賞しました。本賞は,(一社)日本建築学会九州支部研究発表会で発表された今後の発展が期待できる若手研究者及び大学院生等の研究を表彰するもので,令和4年3月6日に行われた発表360題から7題表彰されました。本賞は各委員会から1題ずつ推薦・表彰されるもので,本受賞は全分野の災害関連を対象とする災害委員会からの推薦でした。

 西村さんの研究報告題目は,「チェンマイ市歴史地区における公共施設の一時避難収容人数を考慮した内水氾濫時の宿泊観光客避難に関する研究」です。 本研究は,ユネスコ世界遺産暫定リストにあるチェンマイ歴史地区の内水氾濫を想定し,その際の危機管理計画の一環とした宿泊観光客の避難のあり方についてシミュレーションを用いて明らかにしたものです。解析の結果,大規模ホテルの宿泊客を含めた場合には広場を使う必要がありますが,木造や小規模・低層の宿泊施設の宿泊客だけを考えた場合には,歴史地区の中心部かつ微高地に位置する公共施設・チェンマイ文化芸術館のみで収容が可能であり,かつ急激な内水氾濫が起こった場合にも十分な時間内に自助で緊急避難ができることを明らかにしました。

 本研究は,科研費・国際共同研究加速化基金(B) (JP20KK0101 研究代表者:三島 伸雄教授)で行っている研究の一環であり,チェンマイ大学から日本学術振興会(JSPS)外国人特別研究員(科研費・JP20F40066)として来日しているNattasit Srinurak氏との共同研究のもとで行いました。また,コロナ禍で現地に行くことができなかったため,チェンマイ大学の共同研究者に資料提供を協力してもらうなどの苦労を重ねました。

 審査では,観光客を避難対象とする研究は近年増えつつある中で,宿泊施設を分類して避難所設定しシミュレーションを行った研究はまだ少なく,避難所の設定,シミュレーション,そして考察を丁寧に行っており,その手続きは九州に多くある観光都市における避難所設定に参考になる点が高いと評価され,今回の受賞に至りました。

 受賞式は,令和4年5月28日(土)の日本建築学会九州支部総会にてオンラインで実施され,多くの参加者の前で研究概要を発表しました。学部4年生の時点で本賞を受賞した者は数少なく,ここに西村さんの成果を讃えます。

 

【本件に関する問い合わせ先】
  理工学部教授・三島伸雄
  TEL:0952-28-8703
  E-mail:mishiman@cc.saga-u.ac.jp

〇2021年度建築九州賞研究新人賞
 理工学専攻建築環境デザインコース博士前期課程1年 西村 奏波 さん(指導教員:三島 伸雄 教授)
 題目:チェンマイ市歴史地区における公共施設の一時避難収容人数を考慮した内水氾濫時の宿泊観光客避難に関する研究
 著者:西村 奏波, スリーヌラク ナッタシット, スクワイ ジャンジラ, 渕上 貴由樹, 三島 伸雄

                    
                           授与された表彰状

   
         賞状を手にしている西村さん                 三島教授(右)との記念写真

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