先進健康科学研究科の学生が第59回化学関連支部合同九州大会で優秀発表賞を受賞

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【受賞者】
 佐賀大学大学院先進健康科学研究科 修士課程2年 丸岡 早紀(まるおか さき)

【受賞した賞の名称】
 日本農芸化学会西日本支部優秀発表賞

【受賞先】
 第59回化学関連支部合同九州大会

【受賞した日】
 2022年7月2日

【受賞した研究の題目】
 X線吸収微細構造解析によるファミリーⅡ亜鉛無機ピロホスファターゼのユニークな触媒反応機構の解明

著者:丸岡早紀1、馬込栄輔、瀬戸山寛之2、河本正秀、堀谷正樹、渡邉啓一3,4
1佐賀大学大学院先進健康科学研究科、2佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター、3佐賀大学農学部、九州栄養福祉大学

【受賞につながった研究内容】
 無機ピロホスファターゼは、ピロリン酸をリン酸に加水分解する酵素で、すべての生物に必須な酵素です。この酵素は、活性中心に2価金属イオンを持つ金属酵素ですが、その触媒解反応機構は長年に渡り謎を残したままでした。受賞者らは、広域X線吸収微細構造(EXAFS)解析により、亜鉛酵素の加水分解反応前後における活性中心の微細構造解析に初めて成功しました。これにより、オキソ型(O2-)の酸素原子がリン原子を求核攻撃するというユニークな触媒反応機構を解き明かしました。

【その他PRしたい特記事項】
 酵素などの機能性タンパク質の多くは金属を含み、これらの金属は生命活動に不可欠な機能を発揮しています。この金属が働く仕組みを理解するためには、1兆分の1メートルの精度で金属周辺の微細構造解析を行うことが必要です。原理的には、EXAFS解析はこの目的に最も適した方法の一つですが、金属タンパク質の測定やデータ解析が難しいことから、国内では実施されていませんでした。受賞者らは、佐賀県立九州シンクトロン光研究センターの施設を利用して、金属酵素のEXAFS測定と解析に挑戦し、この手法を確立することに成功しました。受賞者は、2021年9月に、この研究発表に対して日本XAFS研究会より学生奨励賞を受賞しています。
https://saga-ls.jp/main/3108.html#gsc.tab=0
この手法をさらに深化発展させ、今回の受賞研究成果が得られました。
 このEXAFS解析法は、九州シンクトロン光研究センターとの連携により実現できたものです。今後、他の金属タンパク質の解析や有機金属触媒の開発などにも応用可能で、純粋科学に加えて、地域産業の発展にも寄与することが期待されます。

 

            
                 大会会場にて:受賞した丸岡早紀さんと渡邉啓一名誉教授

                

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学名誉教授、農学部招へい教授
 渡邉 啓一
 E-mail:watakei@cc.saga-u.ac.jp

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