鹿児島大学大学院連合農学研究科(佐賀大学所属)の学生が第61回電子スピンサイエンス学会年会においてSEST優秀ポスター賞を受賞

【受賞者】
鹿児島大学大学院連合農学研究科(佐賀大学所属)
博士課程1年 矢垰 紅音(やとう あかね)

【受賞した賞の名称】
SEST優秀ポスター賞

【受賞先】
第61回電子スピンサイエンス学会年会(SEST2022)

【受賞した日】
2022年12月3日

【受賞した研究の題目】
スピンラベル-ESR法を利用した酵素の構造柔軟性の実測

著者:矢垰 紅音1、浅香 里緒2、渡邉 啓一2、堀谷 正樹1,2
1鹿児島大学院連合農、2佐賀大学農

【受賞につながった研究内容】
酵素の活性と熱安定性は構造の柔軟性と相関があると考えられています。地球上の大部分を占める極地にて生存する好冷細菌や低温菌は低温適応酵素を保持しています。低温適応酵素は通常の酵素と比べると低温でも活性を失わず、全体的に高活性である一方、熱安定性が低い特徴があると考えられてきました。そのため、産業利用においては低い安定性が懸念され、長く研究対象から外れているという現状でした。ところが、最近になり熱安定性の高い低温適応酵素の報告が相継いでいることから、これまでの学説では低温適応機構を説明することが出来ないことが指摘されていました。そこで、私たちの研究グループは熱安定性の高い低温適応酵素について、部位特異的に構造柔軟性の温度変化を電子スピン共鳴(ESR)法により実測することに成功し、酵素の構造柔軟性と活性-熱安定性に関する新たな知見を得ました。

【その他PRしたい特記事項】
酵素はアミノ酸から構成される生体高分子で様々な化学反応を驚くほど高効率で触媒します。そのためタンパク質工学的な産業利用による広範な分野への貢献の潜在性が高い天然素材です。今回、私たちが発見した新しい酵素の構造-活性-安定性相関に関する知見は、タンパク質の性質そのものを改変するために必須な技術であることから、今後の研究の発展も期待されています。

【教員活動DBのリンク先】
https://research.dl.saga-u.ac.jp/profile/ja.18d258ee2e9779cc59c123490551be02.html

 


受賞した矢垰紅音さんと堀谷正樹准教授

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学農学部生命機能科学コース
 准教授 堀谷 正樹
 E-Mail:horitani@cc.saga-u.ac.jp

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