令和5年春の叙勲で小川博司名誉教授が瑞宝中綬章を受章

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 令和5年春の叙勲受章者が4月29日付けで発表され、本学名誉教授の小川博司先生が教育研究功労により瑞宝中綬章を受章しました。小川先生は現在80歳で、昭和18年に広島県で生まれました。昭和41年3月に山口大学工学部電気工学科卒業後、同年に名古屋大学大学院工学研究科修士課程電気、電子工学専攻に入学し、昭和43年3月に修了しました。その後、昭和46年3月に同大学大学院博士課程を単位取得退学しました。同年4月に豊田中央研究所に入社し、昭和48年3月に名古屋大学より工学博士の学位取得後、同年3月に佐賀大学講師として赴任し、助教授を経て、昭和63年4月に教授に昇任しました。佐賀大学着任後、平成20年3月までの35年間、教育と研究に尽力し、平成20年4月に佐賀大学名誉教授となりました。

 小川先生は、科研費、通産省の補助金を得て研究を行い、テルル化亜鉛発光ダイオード(ZnTe LED)における純緑色発光を世界に先駆けて成功させました。分子科学研究所のUVSOR施設を用いてシンクロトロン光照射下における半導体基板結晶の表面での有機金属ガスの吸着や分解および薄膜成長過程について理解を深め、室温でZnTe などの薄膜が成長出来ることを世界に先駆けて実証し、その技法と超高真空装置からなるシステムを確立しました。

 組織運営として、小川先生は佐賀大学ベンチャービジネスラボラトリーおよびシンクロトロン光応用研究センターの設立に大きく貢献しました。在任中は、評議員、シンクロトロン光応用研究センター長、ベンチャービジネスラボラトリー長、学長特別補佐などの要職を務め、本学の組織の運営において重要な役割を果たしました。

   また、小川先生は社会活動や地域活動にも積極的に参加し、佐賀ハイテク研究会の会長として、大学の若手教員や地元企業社長などが毎月定期的に集まり、研究討論会を開催しました。さらに、地域の科学技術の発展を目指して、シンクロトロン光源の必要性を説き、佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターの設立を要請する活動に佐賀大学の委員として積極的に参加しました。ベンチャービジネスラボラトリーの成果を基に、地元企業との連携による研究開発を行い、病院や介護施設などの配食装置の新規商品化に成功しました。

 以上のように、小川博司先生は佐賀大学及び社会・地域の発展に尽力し、多大の貢献をされたことが認められ、今回の受章となりました。


小川博司名誉教授と授与された叙勲の賞状の写真(6月14日)

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学シンクロトロン光応用研究センター 高橋和敏
 E-mail: ktaka@cc.saga-u.ac.jp

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