農学研究科の学生が日本藻類学会第48回大会で学生発表賞を受賞

【受賞者】
佐賀大学大学院農学研究科 古賀千優

【受賞した賞の名称】
日本藻類学会第48回大会 学生発表賞口頭発表(大型藻)の部

【受賞先】
日本藻類学会第48回大会(神戸大学)

【受賞した日】
2024年3月23日

【受賞した研究の題目】
強光環境に応答するスサビノリのアスコルビン酸を介した抗酸化システムの理解

○古賀千優1・清水麻帆1・吉田和広2・木村 圭2
1佐賀大学農学研究科、2佐賀大学農学部

【受賞につながった研究内容】
 海苔の原料であるスサビノリは、ビタミンCを豊富に含みます。本研究では、ビタミンC(アスコルビン酸(AsA))が生物における重要な抗酸化物質であることから、光合成生物であるノリが受ける光酸化ストレスとビタミンC代謝との関連に注目した研究を実施しました。異なる光酸化ストレス環境の、暗黒、弱光、強光の3条件でノリ葉状体を培養し、培養0〜3日目のノリ細胞内の色素量、活性酸素種(ROS)量、AsA量、AsA合成遺伝子発現量を評価しました。その結果、ノリは、強光において色素量を調節して抗酸化作用を起こしながら、さらに発生するROSに対しては、AsA量を維持して抗酸化作用を高める仕組みを持つことを突き止めました。この研究は、ノリの抗酸化システムの理解深化に貢献する重要な研究です。

【その他PRしたい特記事項】
 海苔はビタミンCを豊富に含みますが、なぜ高濃度にビタミンC を蓄積するのか、その理由は理解されていませんでした。当初、ビタミンC(アスコルビン酸(AsA))は抗酸化物質であることから、酸化ストレスに対応する中でビタミンC含有量が高くなることを想定していましたが、研究の結果、ノリにはそもそもビタミンCを高濃度に蓄積する仕組みが備わっている可能性が示されました。本発表の研究は、ノリの栄養がどう変化するのかを調査し言及した新しいアプローチの研究であり、ノリ産業に対しても貴重な情報を提供することになると期待されます。

 

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学農学部 准教授 木村 圭
 TEL:0952(28)8496
 E-mail:kimurak@cc.saga-u.ac.jp

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