天皇皇后両陛下が、本学がデザインした肥前浜駅をご視察
2024(令和6)年10月5日(土)、佐賀県SAGAスタジアムで開催された国民スポーツ大会開会式にご出席された天皇皇后両陛下は、翌6日にバレーボールをご鑑賞された後、佐賀県鹿島市にあるJR肥前浜駅をご視察されました。子ども達を始めとする地域住民から駅舎のデザインや、酒蔵ツーリズム、肥前浜宿のまちづくりの説明をお聞きになり、親しくご質問をされました。
肥前浜宿のまちづくりは、地元住民の熱意によって始まり、佐賀県と鹿島市の支援に加え、25年前に佐賀大学の三島伸雄教授(当時、理工学部助教授)が学識経験者として参画してソフト・ハードの整備の計画が進みました。近年は、佐賀大学「鹿島プロジェクト」として農学・医学などの視点でも多様な教育研究が行われています。
JR肥前浜駅と駅前広場の整備は、佐賀大学が鹿島市から2016年度に共同研究「肥前浜駅整備デザイン研究」(研究代表者:理工学部三島伸雄教授、平瀬有人准教授(現在、早稲田大学教授))を受け入れて、基本設計を行ったものです。そして、佐賀県が地方創生拠点整備交付金を活用し、国土交通省の街なみ環境整備事業とも連動しながら周辺整備に取り組みました。その継続で本学が実施設計・工事監修指導等を行って2018年度に建物竣工、2019年度に駅前広場が完成しました。駅舎は、1930年の鉄道省標準設計に基づいて建築されたもので、改造の状況や写真等の記録を踏まえて昭和前期の姿に復元し、地域交流施設として増築を行いました。また、駅前広場は、地域住民の活動や子どもの送迎時の駐車の習慣などを踏まえてデザインしました。その後、佐賀県が日本酒バーHAMA BARを計画し現在の姿になっています。
天皇陛下・皇后陛下は、駅前で駅舎の建物についての説明を受けられた後、浜小学校の子ども達から地元で取り組む酒蔵通りのまちづくりや継場についての説明をお聞きになり、子ども達と優しくお言葉を交わされました。さらに、HAMA BARの中をご視察され、鹿島の酒蔵の後継者から地元の酒造りについて説明を受けられました。その際には、蔵元後継者の一人が佐賀大学の大学院で博士号を取得したことも伝えられました。前日の晩は鹿島市のお酒を嗜まれたとのことです。
天皇皇后両陛下の行幸啓を踏まえて、鹿島市がますます活性化し、佐賀大学との連携が発展していくことが期待されます。
天皇陛下・皇后陛下の肥前浜駅ご視察(鹿島市提供)
HAMA BAR前で微笑まれる天皇陛下(鹿島市提供)